がまん(我慢)について (2024 No.12) | 噺新聞(874shimbun)

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 「頑張って下さい」の言葉に、どんな反応を示しますか。励ます言葉として、積極的に使っている。何も考えないで使っている。人それぞれですね。私は、意識して使わないようにしています。「頑張る」は、我を張るの意味があります。プレッシャーにもなります。(他人にも自分にも)。「自分にファイト」くらいがいいですね。(他人にも自分にも)。

 がまん(我慢)は、どうでしょうか。ここでも、我が出てきました。耐えること(忍耐)の必要性は、昔からよく説かれています。

  これなくしては、万事成就せぬ

堪忍 気に入らぬ、風もあろうに柳かな

 ただ、何がなんでも我慢しろ、ということではないでしょう。何事も何か一つ達成するには、耐える力が必要だと伝えています。単にがまんだけでは、 堪忍袋の緒が切れ、いつか爆発。元も子もなくなります。

 人生は、全てが自分の思い通りにいくものではありません。そんな現状で、自分のことだけを最優先すれば、我を張る(頑張る)ことになります。逆に我慢すれば、ストレスが溜まります。そして、爆発して、他をやっつけるか、自分に向かって攻撃し、破壊するかになります。どちらも、望む方向ではありません。

 忍、忍耐、堪忍は、がまんではなく、成功と一対の「相棒」のようなものに。そうするってえと、がまんではなくなり、表裏一体のものです。がまんから、辛抱する力、許す力、包容力、そんな言葉に変わりそうです。

 三浦敬三(九九歳でアルプスの氷河を滑走)「頑固であれ、柔軟であれ」

 黒田博樹氏(大リーグ、広島カープで活躍。二〇億円を蹴った男と言われています)

「苦労なくしては、成功はないと思う」

 私、仲間によく「頑固者だ」と言われます。「意志が強い、と言って下さい」と言うと、「ただ、頑固なだけだよ」と。 ’24   3/25   悪志