男はつらいよ、寅さん、まだまだ観ています。 | 噺新聞(874shimbun)

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男はつらいよ、寅さんのDVD手元に届いているのは16作品。

これで再度寅さんを見直し、 何度観ても一押しは映画のスタート第一作「男はつらいよ」、昭和44(1969)年8月27日公開の作品だ。

 

山田洋次監督はこのDVDの創刊号でも語っている。「不要不急」の代名詞、寅さんこそ現代の世の中に必要不可欠な存在だと述べている。

 

第一作は妹、さくら(倍賞千恵子)と諏訪博(前田吟)二人が結ばれ結婚式を行うまでの作品。

映画には渋く味のある俳優がいい味付けをしている。まずは 題経寺の御前様(笠智衆)。そして博と喧嘩別れをしている父親(志村喬)。

第一作ではこの映画の骨格、不出来な寅さんをはじめ、とらやのおいちゃん、おばちゃん、隣の印刷工場のたこ社長、など仕組みが出来上がった。

 

そして、映画を観た時は強い印象は受けなかったが、DVDで観直した第二作「続  男はつらいよ」、これもイイ作品ですね。

恩師・散歩先生(東野英治郎)、寅さんの産みの母親、ラブホテルのやり手ばばあ風の女主人、菊(ミヤコ蝶々)、この役どころがピッタリ。

 

和歌山に住む噺新聞の愛読者、ひでさんが、ブログのコメントで大好きな作品と語っていたのが、第十七作「寅次郎夕焼け小焼け」。

マドンナは播磨の龍野芸者ぼたん(太地喜和子)、ゲストスターは日本画の最高峰、池ノ内青観画伯(宇野重吉)。

 

この作品は、シリーズ屈指の人気作といわれ、太地喜和子はこの作品でキネマ旬報賞助演女優賞、報知映画賞でも助演女優賞をとっている。

太地喜和子は静岡県伊東市でスナックママが運転する乗用車に 同乗中、海に転落する事故に遭い48歳で死去。酒豪といわれた太地喜和子、車に乗車前、深酒していたことから生還できなかったともいわれ、まだまだ若かったですね。 合掌。

 

なんだろうな、寅さん、その魅力、寅さんを介して皆は常識の範囲でものごとの斟酌(しんしゃく)をはかり、そして計算して答えをだす、それはやっぱり当たり前の結論であり、そうそうと皆が落ち着くところなのだが、そこを逆転させる、頭で考えた答えではなく、寅さんは、心で感じた答えだから訴えかけられたその画面を観ているこちらにも、ズっうんとこたえてくるんだろうな。