君と僕
僕の声は届いているの
声として
音としてじゃなくて
きちんと意味を持って
君に届いているの
投げたボールを受け取るように
君の心にまで届いているの
ねぇ
君が好きだよ
理由はね
君に会えたら
心がふるえたからだよ
君の仕草に
君の声に
ひとつひとつに
あたりまえの幸せを
夢見させて
君がいる幸せ
君の笑顔のむかうさきは
僕の所なんだ
声として
音としてじゃなくて
きちんと意味を持って
君に届いているの
投げたボールを受け取るように
君の心にまで届いているの
ねぇ
君が好きだよ
理由はね
君に会えたら
心がふるえたからだよ
君の仕草に
君の声に
ひとつひとつに
あたりまえの幸せを
夢見させて
君がいる幸せ
君の笑顔のむかうさきは
僕の所なんだ
湖の家
積み重ねるもの
そのひとつが歪んでしまわないように
絶えず見つめて
時間をかければ
いいのではなくて
重ねていきながら
深く潜っていくのだ
深く深く
感覚を澄ませて探してゆく
湖に映る
家をつくるように
あわいの現実がゆらめ いて
するりと逃げないように
湖に映る家に
煉瓦を積んでゆく
波紋をつくり
ひとつ積みあがる
そのひとつが歪んでしまわないように
絶えず見つめて
時間をかければ
いいのではなくて
重ねていきながら
深く潜っていくのだ
深く深く
感覚を澄ませて探してゆく
湖に映る
家をつくるように
あわいの現実がゆらめ いて
するりと逃げないように
湖に映る家に
煉瓦を積んでゆく
波紋をつくり
ひとつ積みあがる
月が満ちるまで ナツのハナ 11
ガタンと足元に衝撃があり、電車が停止する。
車両庫のあるこの駅は、始発駅にもなる。路線の途中にあるのに不思議だ。
ここでは連結作業が行われる。ひとつ前の駅から乗って座れなかった俺達は、混みあった車内から連結される車両へと移るか相談していた。
「まぁいいんじゃない。他の人が動くだろうから、空くよ」
連結のアナウンスが入り、一旦ドアが開き、また閉じられる。
ドアの開閉の、ほんの数分の間に人が流れていき、車両内に立っている人が少なくなる。
「ハルの言った通りだな。俺、あんまり電車乗んないからわかんないや」
座席を求めて移動した人が多くて、だいぶ空間ができる。少し呼吸が楽になるようだ。
嫌いじゃないけど、いい匂いの女の子もたくさん車両に詰め混まれると鼻が麻痺してしまう。
ひとりひとりは、いい匂いなんだろうけど…
「だって次で降りるのに、わざわざ移動しなくていいだろ。座りたい奴は動くからさ」
ここから都内に向かうなら、片道一時間以上かかる。それなら座りたいよな。
吊り革の輪に手首をくぐらせ、その紐をつかんでぶらぶらさせながら、ハルがこっちを見た。
「オレさ、今日こそチャンスだと思うんだ」
「なんの…っつてお前、ヤらしいことするつもりかよ」
少し前屈みのハルがにらむ。
「バカ言うなぁ。オレはちはやちゃんが我慢できないの
って言うまで我慢するから」
「…もう?あれとかこれとかすっ飛ばして、もうそこ行く気」
吊り革の腕をぶらぶら振る。
「違うだろ、マジで」
眉間にしわがよる。いつも人に気をつかうハルが、自分の不機嫌さをあらわしている。
「珍しいじゃん。ハルがそんなこと言うの」
「オレだって弱気になるさ」
並んで駅の向こうを見ている。夏の夕方は変に明るくて、時間がわからなくなりそうだ。
「…なんでさ、あんなに頑ななんだろ」
窓ガラスに映るハルの顔がくもる。
気持ちを 伝えたくて。
ただ
ただ
シンプルで
とても
とても
強い 想い
「わかってるよ、きっとハルのこと」
その想いも全て。
車両庫のあるこの駅は、始発駅にもなる。路線の途中にあるのに不思議だ。
ここでは連結作業が行われる。ひとつ前の駅から乗って座れなかった俺達は、混みあった車内から連結される車両へと移るか相談していた。
「まぁいいんじゃない。他の人が動くだろうから、空くよ」
連結のアナウンスが入り、一旦ドアが開き、また閉じられる。
ドアの開閉の、ほんの数分の間に人が流れていき、車両内に立っている人が少なくなる。
「ハルの言った通りだな。俺、あんまり電車乗んないからわかんないや」
座席を求めて移動した人が多くて、だいぶ空間ができる。少し呼吸が楽になるようだ。
嫌いじゃないけど、いい匂いの女の子もたくさん車両に詰め混まれると鼻が麻痺してしまう。
ひとりひとりは、いい匂いなんだろうけど…
「だって次で降りるのに、わざわざ移動しなくていいだろ。座りたい奴は動くからさ」
ここから都内に向かうなら、片道一時間以上かかる。それなら座りたいよな。
吊り革の輪に手首をくぐらせ、その紐をつかんでぶらぶらさせながら、ハルがこっちを見た。
「オレさ、今日こそチャンスだと思うんだ」
「なんの…っつてお前、ヤらしいことするつもりかよ」
少し前屈みのハルがにらむ。
「バカ言うなぁ。オレはちはやちゃんが我慢できないの
って言うまで我慢するから」「…もう?あれとかこれとかすっ飛ばして、もうそこ行く気」
吊り革の腕をぶらぶら振る。
「違うだろ、マジで」
眉間にしわがよる。いつも人に気をつかうハルが、自分の不機嫌さをあらわしている。
「珍しいじゃん。ハルがそんなこと言うの」
「オレだって弱気になるさ」
並んで駅の向こうを見ている。夏の夕方は変に明るくて、時間がわからなくなりそうだ。
「…なんでさ、あんなに頑ななんだろ」
窓ガラスに映るハルの顔がくもる。
気持ちを 伝えたくて。
ただ
ただ
シンプルで
とても
とても
強い 想い
「わかってるよ、きっとハルのこと」
その想いも全て。