ふんわりシフォン -161ページ目

軌道

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電車の軌道。

これは単線の線路です。レールが二本だけしかありません。

どうやって電車がすれ違うのかといえば、駅は登り下りのプラットフォームがあり、そこだけ線路が二股に分かれていてすれ違うのです。

登りのプラットフォームに行くのに階段を下りて、線路を横切ります。

めちゃめちゃローカルで好きな路線です。

走っている車両も三両編成でかわいらしく、よく遮断機脇でカメラを構えた人に遭遇します。

車で追いかけて車両倉庫まで行くのかも。



あまりにローカルで低予算なのか、線路脇に柵のない場所が多く、わたしも柵がないのをいいことに線路にお邪魔して写真を撮ってみました。

くれぐれも危ないので真似しないでください(笑)



ここは遮断機のすぐそばで、線路を渡れるように舗装されています。ここの遮断機も可愛いです。

片側にしか遮断機がなく、長い棒が途中で折れ曲がって持ち上がるようになっているんです。



電車マニアが追いかけたくなるような、なんだか可愛い路線なのです。

もちろんJRもそばを通っていますが、こんな線路も可愛くて好きなのです。




鉄骨で狙っている写真があるのですが、残念ながら稼動していたのでまた今度。



…………その前にこれ載るのかな?

月が満ちるまで 君までの距離

自転車のスタンドを外してサドルにまたがる。

冷えた空は雲のない快晴で、風はない。

握りこむハンドルから冷たさが登ってくる。漕ぎ出すと、おきる風にマフラーの裾をはためかせながら走りだす。

裏道から桜並木の川沿いへ抜けると、散りしいた落ち葉は、赤く黄色く紅葉している。

風が吹いたら、笑うようにひるがえり吹き寄せられて降り積もる。



駅へと向かいデパートをかすめる。ショーウインドゥにはクリスマスのイルミネーション。

プレゼントボックスのつややかな赤と緑。モミの木の金の飾りが輝いている。

今年ももうすぐクリスマスがやってくる。



想像でしかなくて

でも考えただけで嬉しいあの子と。

今年は過ごせるのだろうか。




昔ながらの商店街は狭い道に面していて、車も自転車も遠慮しながらやり過ごす。軒先から飛び出すのぼりを避けながら進むと、いきなり並木道になる。

銀杏並木だ。

風に散らされて枝の隙間からは空が見えてる。



ここからは電車通学の学生と合流して、人の流れが多くなる。

どきんと鼓動が早くなる。


前を歩く学生服の背中。

その中に姿を探してる。



信号待ちの状態で、道を渡る人込みに見慣れた横顔をみつけた。
歩くのに合わせて髪が揺れる。白い肌に寒さが赤い彩りを添えている。

彼女だとわかった途端、かあっと頭に血が登ってくる。

耳をおおうくらいに引き上げてるマフラーの下で、口元が緩みそうになる。



もどかしい信号が変わるとペダルを思いきり踏み込む。

もう少し。

あと少しで君に届く。






「おはよっ」

風が君の髪を揺らし、一瞬の横顔、目を見開いたびっくり顔、それから花がほころぶような笑顔が見れた。

「おはよ、渡辺くん」



離れながら振り返り、手を振る。

一日の始まりに家族以外に、最初に会えた人。最初に挨拶できて嬉しい。

彼女からしたら、お隣りのお爺ちゃんや、近所の子供、駅員さんに挨拶していて最初ではないかもしれない。

教室で会うより少し早く会うことができた嬉しさ。



普通の一日の始まりが、特別になる。



コマ落としみたいに、映像を繰り返しながら。胸に君がいることが、揺るぎなくここにある。

神様の微笑み

オーバーワーク気味で

気持ちさえ渇いていて

眠りながら

心臓が止まることを

考えていた



何もかも

放り出して眠りについた





薄暗いなかで

目が覚めると

隙間のあいたカーテンから

朝焼けが覗いた

明るいオレンジ色は

疲れた体に染み込んで

洗い流し

温めてくれる



単純な単純な毎日

繰り返し繰り返し

日々を過ごしている



ほんのわずかな

神様の微笑みのような

瞬間に



ほんの少し笑い

胸を温める



強張った体を伸ばして

朝がはじまる