ふんわりシフォン -162ページ目

ずっと考えてた

いつかおきた嫌な出来事を

何度もリプレイしている



そんな嫌な時間は

一日のうちの

ほんの数分だったり

ほんの数時間だったりする


我慢すれば いいの?

抵抗して 傷つけばいいの?



どちらにしても

怖くて震えているのに



助けてって言って

苦しいよって言って

ぽろぽろ泣いたら

すっきりするよ

それは解決じゃないけれど

助けてくれる人もいる

気にかけてくれる人もいる



一日のほんの数分

ほんの数時間



我慢して

我慢して

気持ちを鈍くしないと

生きていけないなんて

ダメだ



どんなに辛いことでも

ほんの数分



降りしきる時間に比べたならちっぽけで

それなのに心をえぐる



せめて

悲しい出来事を思いだし

思いだし

苦しくて辛くて

泣きたくなったりしないように



今を選ぶのは あなただから

笑って過ごせる

未来を選んで

君にアイスを買ってあげるよ 鍋の季節 8

森田さんが取り出した土鍋は、どうみても一人暮らしの家にあるサイズではなかった。5~6人食べられるサイズだろう。

「前に友達と鍋するんで買ったんだけど、デカすぎてお一人様で使えないんだ」

苦笑いしながら、鍋に誘った理由を話す。

沢田さんからしたら、恋人どうしで仲良くつつく鍋ではなかったから、安心したかもしれない。

「じゃあ、お鍋が食べたくなったら、いつでも呼んでくださいね」

笑顔で話している。

「その時はまた頼むよ」

沢田さんが包丁を握り、野菜を刻んでいく。それを鍋に並べるのが僕で、森田さんは監視役だ。

「ちょっと森田さん、少しは手伝ってくださいよ」

「なにを言ってるんだ、やってるだろ」

簡単なキッチンから、部屋にガスコンロや取り皿が用意されている。何気なく運んでくれている。

「俺はね、酒を減らす係なんだよ」

缶ビールを煽る喉が、ごくごくと動く。

「……ずるい、それ」

森田さんが酔い潰れた姿は見たことがない。森田さんのお酒は、楽しいお酒でアルコールが入ると、いつもより笑って、いつもより話してくれる。

「いーよ、橋田も沢田も飲め。あとは煮えるのを待つんだろ」

冷蔵庫から冷えた飲み物を出してくれる。沢田さんにも口当たりのいいサワーを渡している。

きちんと覚えてくれてるんだな。まぁ酔ってしまうまでは、かな。

送信

送れないメールは

届かない気持ちで

胸に残る



思いつくたび

送信を押してみて

ダメなことを確認する



そこにいて

ここにいて

繋ぐものが

このか細いラインだけなら
どれだけ心細いだろう

それでいて心を支えてくれる


遠く気持ちを

届けてくれる

光のライン



見えなくても

そこにある

いつでも どこでも

すぐ繋がる安心は

ほんのささいな

届かないメールを

埋もれさせていく



とても好きなことを書いた

ささいな言葉のメール



いつかどこかで

誰かへと届くことも

あるのかもしれない