RRR (2022年) 公開中 | Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

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アジア映画に詳しくなかった私がアジア映画を観てます♪
ネタバレはできるだけ避けております…(ㆆᴗㆆ)*✲゚*。⋆

 

 

 

 

 

RRR

 

 

INTRRRODUCTION

『バーフバリ』シリーズを超えて創造神S.S.ラージャマウリ監督の新たな伝説が幕を開ける!

2022年インド映画世界興収No.1!インド歴代興収第3位!(2022年8月時点/Box Office Mojo調べ)

数々の興行新記録を打ち立て、全世界に“バーフバリ旋風”を巻き起こしてインド映画の歴史を変えた映画史上最大の叙事詩にして、もはや神話ともいうべき伝説の2部作『バーフバリ 伝説誕生』と『バーフバリ 王の凱旋』。その創造神S.S.ラージャマウリ監督による全宇宙待望の最新作がついに完成した。
インド映画史上最高の製作費7200万ドル(約97億円)をかけたその超大作の名は『RRR』。

史上最高濃度の映画体験(エネルギー)を全身で浴びろ!

 



STORRRY


舞台は1920年、英国植民地時代のインド
英国軍にさらわれた幼い少女を救うため、立ち上がるビーム(NTR Jr.)。
大義のため英国政府の警察となるラーマ(ラーム・チャラン)。
熱い思いを胸に秘めた男たちが”運命”に導かれて出会い、唯一無二の親友となる。
しかし、ある事件をきっかけに、それぞれの”宿命”に切り裂かれる2人はやがて究極の選択を迫られることに。

彼らが選ぶのは 友情か?使命か?

 

 

 

 

 

 

 

いつも、ありがとうございます(^-^)ノ

 

9月4日、『RRR』を観ました…カチンコ

 

少し申し訳なさを語らせてもらいますとうちのブログ、Asian Film Foundationなどと仰々しい題を冠してますが、観る映画はほぼほぼ韓国映画、香港映画、中国映画、日本映画あせる

アジア全域における映画文化をフォローしてないのが実情で、特にインド映画はここ日本でもたいそう盛り上がっているにも関わらず、私はほぼ観てないので後ろめたさが全開だ汗

 

これまで何度もAsian Film Foundationの看板を下ろそうと考えてきたんですが、しかしそんな題にした時にキャプテン・ニッポンがたいそう喜んでくれたことが忘れられまへん…。

そうなるとはずそうにもなかなかはずせへんもんどす汗

 

であるならば、やっぱりアジア全域の映画を観ないとな、っていう。

 

ともかく『RRR』です。

今だに京都の劇場さんでも公開中。

去年秋の公開からなので驚異的な持久力であり、ここまでのロングラン・ヒットは韓国映画にもないでしょ。

 

ゆえにホンマは私も劇場で観ないとアカンのですが、いま一歩が踏み出せなんだんどすあせる

で、観終わって思ったのは、やっぱりこの映画はスクリーンで観んとアカンな!!ってことですが、しかししかし、もちろん家のテレビでもその凄さは変わらないと思いまっせ。

 

 

観馴れてないインド映画、最初、「やばッあせるキャラの見分けがつかへんあせる」と焦ったんですが大丈夫。

3時間近い映画ですが、すぐに登場人物がきっちり把握できます。

 

さらに映画ブロガーさんたちの記事で要所要所は知ってたんですが、少々中身を知っててもその記憶が消し飛ぶような映画鑑賞でした。

 

文字通り、嘘偽りなく、最初から最後まで片時も途絶えず、興奮しまくらせてくれるホンマもんのエンタメです。

退屈しそうなシーンは全部切って、説明はサラッとモンタージュで(しかもそれがまた美しい)、あとは延々エキサイティングな場面だけで完成している生粋の娯楽作。

特に最初の方で英国政府の犬・警察官のラーマがデモ隊の投石した一人を「引っ立て」に行く場面はもうホンマに驚かされました。

これを撮影したんだなあ~。

ほぼほぼ『ワールド・ウォーZ』(2013年)だなあ~。

 

2人の男たちの物語ですが、ホントに英国が極悪非道で最初から泣いてしまいます。

メヘンディ(テナタトゥー)の上手かったいたいけな少女を金で買ってしまう極悪英国人夫婦、その少女を取り返すのが本筋ですよね。

 

私ごときが部分的に細かいことを語るのも何なので控えますが、この映画はやっぱり全体を通じてのグルーヴですよね~。

うねりでしょう。

すごく太くてエネルギッシュなストーリーがうねる感じ。

それが興奮なんでしょう。

だから最初は2つの流れで、それが一つになり、劇的な運命に感動が波打つ…それに尽きるかなあと思います。

 

私が最も興奮したのはダンス「ナートゥ・ナートゥ(Naatu Naatu)」シーンですよ。

振り付け、撮影、もちろん曲、完璧だと思いました。

 

それからもちろんバトルの場面ですね。

とりわけ夢にまで見た「猛獣大脱走」、私ゃ大好きでした。

 

ストーリー的には特にラーマの少年時代など、ホントに悲しい場面があって、そこを乗り越えてるわけですが、観てて辛かったです。

また若干ですが残酷度も高く、お子様のご鑑賞には配慮が必要ですが、実のところ、子どもだからこそ残酷な場面も素で見るところもありますかね。

実際、私は子どもの頃の方が残酷シーンを素で見てました。

 

 

舞台は1920年、英国植民地時代のインドです。

であるから、英国の横暴に対する抵抗が大きなテーマ。

 

※ 興醒めなことを書きますのでご注意ください…(>_<)あせる

 

主人公のビームとラーマは実在の人物だそうです。

 

Komaram Bheem、1900〜1940

Alluri Sitarama Raju、1897〜1924

 

実在の2人はテルグ語圏出身のインド独立運動家たちですが、映画のようにブロマンスを感じさせる親友関係ではなかったとのこと。

また映画とは違い、実際の歴史では2人とも祖国の独立を見られず、英国軍に殺されたそうです。

つまり映画は実際の歴史からかなり改変して、よりドラマチックな映画として完成しているようです。

 

また、エンドロールに登場する人たちは実在の独立運動の指導者、革命家の方々だそうですね。

 

うん、私は観ててマハトマ・ガンディーの「非暴力&不服従」の平和主義はどこへ行っちゃったんあせると困りましたが、まあ、それは私がインドの歴史を知らないからだろうと考えました。

武力闘争による独立運動もあったんだと思う。

 

ともかく映画では少女をさらうわ、「褐色人」とインド人を虐げまくるわ、自分たちは豪勢な暮らしをして威張りまくるわの極悪英国人に対してついにインド人の皆様が怒りの鉄槌を下すまでの長い長い道のりがあり、その物語のありようは現実に英国の植民地だったインドゆえに他ならないと思います。

つまりインドは今だに植民地であった屈辱の歴史を風化させておらず、そのことを映画にすることで愛国心を鼓舞する側面があるのだろうと思います。

 

映画はそういった歴史、政治、外交の現実とは距離を置く場合もありますが『RRR』に関しては映画の本題そのものが英国の圧制へのバイオレントな復讐、堪忍袋の緒が切れた反撃にあるので、植民地時代とその歴史への怒り、憤りは切っても切れないものでしょう。

 

私は観ながら映画としてはインドの人物にシンクロして憎たらしい英国人を憎み、復讐や反撃に声援を送ってたんですが、同時にちょっと怖いなと考えるところもありました。

 

具体的には英国の人たちがこの映画を観た時、どんな気分になるのかとか、映画として攻撃的な側面が強いので、ヒーローたちの戦いを別の側から見ると虐殺になると思ったんですね。

もちろん、それが戦いなんだけど…英国軍として働いているインドの人もいるし、ただ仕事として軍人として働く英国の人もいるので…複雑な気持ちもありました。

 

ただ、インドが英国領だった時代のことはそれほどインドの人たちにとって屈辱であり、忘れられない悲しみと怒りの歴史なのだと思う。

 

私たち日本人は ―― どうだろうか。

日本の歴史では他国を侵略して植民地にしたことはありこそすれ、歴史上…第二次世界大戦に敗戦して米国に占領された時期があるけど、植民地になる屈辱を経験していないから…そういった苦しみや悲しみ、怒りはどこか実感できていないのかもしれません。

 

例えば日韓併合の歴史(1910~1945年)において、「日本はいいこともやったから韓国は感謝すべき」というようなことを公に告げ知らせる日本人もいますが、私はそういう発言を簡単にするのは控えるべきではないかと思います。

大韓民国、そして朝鮮民主主義人民共和国の方々にとっては恩着せがましいにもほどがある、受け入れがたい考え方じゃないですか。

 

そういったことは、侵略、植民地、併合のそれらを受けた国々の国民感情、同じでしょう。

その気持ちが理解できないのは…大きな問題だと思う。

 

実のところ、『RRR』を観て私が最も考えさせられたのは愛国的な感情についてかもしれません。

映画ではやたら勧善懲悪なのでどうしてもシンプルに捉えてしまうんだけれど、例えばオリヴィア・モリス演じるジェニーが殺されはしまいか、とかね。

一瞬、ビームが彼女の身を気遣うカットがありますけど。

 

『RRR』はエネルギーに満ちたアクション映画だから、(ジェニーがいるけど)「英国側にも思慮深い人がいて主人公たちにジレンマが生じる」といった話を入れると勢いが削がれてしまうので無理だったと思うし、それをやったら4時間の映画になってしまうけど、私の気持ち的には、もっと善悪が複雑化した映画の方が納得感があったとは思います。

 

しかしとにかくこうまで植民地の支配に対しての憤怒を爆発させてアクション映画にしたんだから、それはもうそれで凄いことだと思うし、観て凄く良かったんですよ。

私はきっちり主人公たちにシンクロできたし。

 

他国の侵略に抗う映画としてはブルース・リー主演の『ドラゴン怒りの鉄拳』(1972年)を観た時の感触に近いかな。

 

そのあたり、日本ではどうしても作れない映画なのかもしれません。

『RRR』の対英国のように日本が反撃すべき歴史がありますか。

無理に作ればあるかもしれないけれど、難しいと思う。

ゆえに私は『RRR』を観て植民地として苦しみの歴史を受けた国々の心情を日本人が理解するのが努めだと結論したいんですね。

 

 

『RRR』

短く書こうと思ったのに長くなりました。

とにかく凄い映画( >﹏< *)

 

評判から間違いなく凄い映画だと思ってたけど、やっぱりさすがでしたね~。

 

キャストは全然知らない方々ばかりでしたが、お一人だけ、『孤独のヒーロー タフィン』(1988年)や『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』(1989年)の美しきアリソン・ドゥーディさんが「極悪サディストおばはん」になって登場してたのがインパクト大でしたあせる

 

N・T・ラーマ・ラオ・Jr.さんもラーム・チャランさんも出演作を初めて観たと思うけど、ホント演技も素晴らしいし、かっこよかったです。

 

これを機会にインド映画をまた観たいです。

まずはS・S・ラージャマウリ監督の『バーフバリ 伝説誕生』(2015年)と『バーフバリ 王の凱旋』(2017年)でしょうか。

 

『RRR』、まだ劇場で上映中ですので是非!!

 

今日もありがとうさんです…おおきに(^.^/)))

 



CHARACTERRR

ビーム/NTR Jr.
イギリス総督に連れ去られた村の娘を奪還するために命をかける、ゴーンド族の不屈の男、コムラム・ビーム

ラーマ/ラーム・チャラン
イギリス政府の警察官となり、内なる大義を秘めた炎の男、ラーマ・ラージュ

シータ/アーリヤー・バット
ラーマを愛し、彼の身を案じる許嫁

ヴェンカタ/アジャイ・デーヴガン
幼少時代のラーマを導いた男にして伝説の闘士

スコット/レイ・スティーヴンソン
冷酷な英国領インド帝国総督

キャサリン/アリソン・ドゥーディ
残虐非道な総督スコットの妻




DIECTORRR
創造神S.S.ラージャマウリ監督 S.S.RAJAMOULI


1973年10月10日、カルナータカ州ライチュール生まれ。父親はテルグ映画界のベテラン脚本家で監督作もあるV.ヴィジャエーンドラ・プラサード。CMの製作、ETV のテレビ・ドラマ演出を経て、01年にNTRJr.主演の“STUDENT NO.1”で監督デビュー。09年の『マガディーラ 勇者転生』はラーム・チャランを主演にVFXやスペクタクル・シーンもふんだんに盛り込み、テルグ語映画史に残るブロックバスターとなって大巨匠ラージャマウリの名を全インドに轟かせた。その後手掛けた2作『あなたがいてこそ』(10)、『マッキー』(12)も大ヒットを記録。そして、2部作『バーフバリ 伝説誕生』(15)、『バーフバリ 王の凱旋』(17)は、合計で世界興収3万7000万ドル(約418億円)をあげ、まさにインド映画史上最大の映画となり、『~伝説誕生』でナショナル・フィルム・アワード最優秀映画賞、フィルムフェア賞最優秀テルグ語映画監督賞、インド国際映画賞最優秀監督賞、南インド国際映画賞最優秀監督賞、CineMAA 最優秀監督賞など数多くの賞に輝き、『~王の凱旋』もサターン賞の最優秀外国語映画賞、ナショナル・フィルム・アワード最高人気映画賞、最優秀アクション監督賞、最優秀特殊効果賞などを受賞した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

RRR


原題:RRR
2022年製作/179分/G/インド


日本公開:2022年10月21日
配給:ツイン

監督・脚本 S・S・ラージャマウリ
製作 D・V・V・ダナイヤ
原案 V・ビジャエーンドラ・プラサード
撮影 K・K・センティル・クマール
美術 サブ・シリル
衣装 ラーマ・ラージャマウリ
編集 A・スリーカル・プラサード
音楽 M・M・キーラバーニ

N・T・ラーマ・ラオ・Jr. - コムラム・ビーム
ラーム・チャラン - A・ラーマ・ラージュン
アジャイ・デーブガン - ヴェカンタ・ラーマ・ラージュ
アーリアー・バット - シータ
シュリヤー・サラン - サロージニ
サムドラカニ
レイ・スティーブンソン - スコット・バクストン
ラジーブ・カラカーナ
アリソン・ドゥーディ - キャサリン・バクストン
オリビア・モリス - ジェニー

Cast
N. T. Rama Rao Jr. as Komaram Bheem/Akhtar, a Gond tribal leader from Telangana who fought against the Nizam of Hyderabad for the liberation of Hyderabad State
Ram Charan as A. Ramaraju, a revolutionary leader from Andhra Pradesh who waged an armed campaign against the British Raj
Varun Buddhadev as Young Alluri Sitarama Raju
Ajay Devgn as Alluri Venkatarama Raju, Sitarama Raju's father
Alia Bhatt as Sita, A. Ramaraju's fiancé
Spandan Chaturvedi as Young Sita
Shriya Saran as Sarojini, Sitarama Raju's mother
Samuthirakani as Venkateswarulu, Sitarama Raju's uncle
Ray Stevenson as Governor Scott Buxton
Alison Doody as Catherine Buxton
Olivia Morris as Jennifer "Jenny"
Chatrapathi Sekhar as Jangu, Bheem's companion
Makarand Deshpande as Peddayya, Bheem's companion
Rajeev Kanakala as Venkat Avadhani, special advisor to the Nizam
Rahul Ramakrishna as Lachu
Edward Sonnenblick as Edward
Mark Bennington as Cunningham
Eduard Buhac as Jake
R. Bhakti Klein as DSP Philip Green
Ahmareen Anjum as Loki, Malli's mother
Twinkle Sharma as Malli
Chakri as Chinna, Rama Raju's brother
S. S. Rajamouli as himself in the song "Etthara Jenda" (special appearance)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9月6日 『非常宣言』(2022年) 『猫たちのアパートメント』(2022年)