ソウルに帰る (2022年) ダビ・シュー監督 公開中 | Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

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アジア映画に詳しくなかった私がアジア映画を観てます♪
ネタバレはできるだけ避けております…(ㆆᴗㆆ)*✲゚*。⋆

 

 

 

 


ソウルに帰る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画 『ソウルに帰る』 公式サイト

 

Theater
宮城 チネ・ラヴィー 9月1日〜
千葉 キネマ旬報シアター 9月16日〜
東京 Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下 8月11日〜
神奈川 横浜シネマリン 10月28日〜
栃木 小山シネマロブレ 8月11日〜8月24日
愛知 センチュリーシネマ 8月11日〜8月24日
長野 相生座・ロキシー 9月22日〜
大阪 シネ・リーブル梅田 8月25日〜
京都 アップリンク京都 8月25日〜
兵庫 シネ・リーブル神戸 9月1日〜
福岡 KBCシネマ 調整中
大分 シネマ5 9月16日〜
熊本 Denkikan 9月1日〜
沖縄 桜坂劇場 調整中

 

 

 

 

 

 

INTRODUCTION


こんがらがった私とソウルの街の灯り


『ソウルに帰る』は、韓国で生まれ、フランスで養子縁組されて育った25歳のフレディが初めて母国に戻り、友人の力を借りて実の両親を探し始める物語。2022年カンヌ国際映画祭のある視点部門での上映を皮切りに話題を呼び、その後世界中の映画祭で絶賛、2023年、アカデミー賞国際長編映画賞カンボジア代表に選出され、ボストン映画批評家協会賞では前年濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』が栄誉に輝いた作品賞を見事受賞した。友人の経験に着想を得て脚本を書いたという本作の監督は、カンボジア系フランス人のダヴィ・シュー。本作が長編2本目ながら、一躍世界でもっとも期待される監督の一人となった。表情豊かで型破りな主人公・フレディ役には、演技未経験の韓国系フランス人アーティストのパク・ジミンが抜擢。相反する感情を混在させて演じる力強さは、『TAR/ター』のケイト・ブランシェット、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のミシェル・ヨーらと並び、昨年を代表する名演と評された。25歳から33歳までの、人生でもっとも多感な時期を過ごす一人の女性を見事に描き切り、「『わたしは最悪。』のように現代的な感性を持ち、『こわれゆく女』のように並外れた女性像を提示する」-Les Films du losange(フランス配給)と話題を呼んだ本作、ぜひ劇場でご覧ください。

 

 

いつも、ありがとうございます(^-^)ノ

 

書こう書こうと気は焦るが寝てしまい、困ってますあせる

 

『ソウルに帰る』 ―― どうしても観たくて観に行ってきました…カチンコ

 

この映画は韓国映画ではないですね。

ソウルやクンサン(群山)が舞台ですが、ダヴィ・シュー監督はカンボジア系フランス人で、映画自体もアカデミー賞国際長編映画賞カンボジア代表だそうで、「フランス・ドイツ・ベルギー・カンボジア・カタール合作」ということだし、セリフはフランス語と韓国語とちょっと英語。

映画のムードも韓国映画とはまた違う。

 

 

Story
韓国で生まれフランスで養子縁組されて育った25歳のフレディは、ふとしたきっかけで、母国である韓国に初めて戻ってくる。しかし、自由奔放なフレディは、韓国の言葉や文化になじめず、誰とも深い関係を築けない。そんな中、フランス語が堪能で親切な韓国人テナの手助けにより、フレディは自分の実の両親について調べ始める。

 

な~んも知らんといきなり観始めたんですが、まず、すごく面白かったです。

と、言ってもいわゆる娯楽作ではないし、その面白さも他の映画と違うのかもしれないけど、とにかく何も知らずに観てて面白かったというのが最初の感想です。

 

だから面白い映画だとオススメしたいけど、観てもらって落胆されるのはイヤなんですが、私も一回、観てよくわからないところもありました。

でも難解な映画ではないと思います。

主人公のフレディの内面を理解するのに、また観て、もう少し考えてみる必要がありそうです。

 

ともかく多少は内容を予想して観たんですが、その予想を超えるような映画でしたね。

 

 

※ ネタバレはしませんが映画の前半に触れていますのでご注意ください。

主人公のフレディは韓国で生まれ、物ごころづく前に養子としてフランスへ渡り、フランスの両親の娘として暮らしてきた25歳の女性ですが、海外旅行もできるし経済的には恵まれた生活のようですね。

フランスのお母さんとテレビ通話で話す内容から、程度の差はあれ家族仲は良く、フレディは物腰穏やかな女の子だったらしい。

 

実は彼女、日本が好きで何度も日本へ来てたんですが、今回は飛行機のことで日本行きは断念して思いがけず韓国はソウルへ到着。
初めてのソウルに何日滞在するか、って話なんですがふっと実の両親に会ってみようと思いつくって話です。

 

 

実の両親に会うのにも手続き上、ルールがあって複雑なんですけどね…フレディがソウルで滞在することになったゲストハウスのテナはフランス語での会話に長けているのですぐに打ち解け、(時間に余裕があるのか)フレディに同行することになる。

 

 

私がこの映画を観たいと感じたのは「韓国にまつわる外国の映画」だからですが、その動機をきっちり満たしてくれた映画です。

養子に出されて以後、初めて韓国を訪れたヒロインが(海外旅行に慣れているであろう人ですが)戸惑いつつ、心揺らぎつつ、韓国を移動していく光景は興奮です。

 

 

で、お父さん(オ・グァンロクさん)、おばあちゃん(ホ・ジンさん)と再会したんですが、「再会した」と言ったってそんなん初めて会うようなもんじゃないですか、赤ちゃんの時に養子になったんだから。

けど、お父さんとおばあちゃんは申し訳ない気持ちが先立ってかなりグイグイくるんですよ。

それが多分、フレディにはすごく居心地悪かったと思うんですよね~。

観てても気まずい映画です~あせる

むしろ、お父さんの妹=叔母さん(キム・ソニョンさん)は拙い英語で意思疎通できるんですけど、他の人たちとは難しい。

 

お父さんは「一緒に暮らしてほしい」とまで言いますが、そんなん急に言われても…。

25歳の今日までフランスでフランス人として暮らしてきたんだからさ~。

けどお父さんは実の娘を養子に出したことに強い罪悪感を感じていて、早々と娘として接したい。

それが急激に来たものだからすごくうざくて、しんどい。

 

 

ちなみにお父さんにはフレディの下に娘が二人いて高校生くらいかな…この娘二人はフレディの登場に戸惑うだけで、あまり深くは関わってきません。

そしてお父さんはフレディを産んだお母さんとは(お父さんが故郷を離れないことが原因で)離婚していて、別の女性と再婚しています。

 

お父さんたちに悪意はありません。

ただ、慌てて実の娘と家族としての絆を取り戻したいだけです。

 

が、お酒を飲んでは電話してきて、自分の人生に急に父親として関わろうとしてきたお父さんに、フレディはある種の恐怖を感じ、混乱したのだと思う。

それはフランス人として生きてきた自分って存在にも。

 

 

ストーリーを明かすのはこのくらいにさせていただきますが、最初はそんな無理なストーリーじゃなく、ただフランスで育ち、自分をフランス人だと考える女性が故郷に帰り、様々な疑問や困惑を感じていく話です。

 

しかし、中盤以後、私には驚きがありました。

先が読めないんですよね~。

中盤はかなり理解に苦しみましたが、後で考えるとこうなんだろうと思いました。

フレディが「荒れていた」ってことでいいのかなはてなマーク

とにかく、私のようにこれから観る方々にも驚いてほしいから詳しくは書きません。

 

韓国映画を観てきて、子どもたちが養子として海外の新しい親御さんたちのもとで育つことになるという話がありますし、映画でそうまで描かれるのなら、現実に注目すべきことなのかもしれません。

日本でも養子はあるけど、なぜか韓国映画では「海外に養子に出す」という事例が取り上げられます。

もちろん韓国内の話も多いけれど。

その「海外に養子に出す」ことが映画やドラマでは否定的に描かれているように思います。

また「感動の再会」も映画やドラマの見せ場です。

 

『ソウルに帰る』はヒロインが生まれた国に帰り、両親と再会しようとする話です。

そのことについて韓国社会の現実を批判するような作品ではないですね。

フランスと韓国のお国柄、国民性についても映画の要素になってますが、もちろん両国を品定めして非難するような映画でもない。

一人の人が、生まれた国で両親に会おうと考えたことから、自分とは何なのかに混乱し、それを考える映画ではないかと思いました。

 

映画では音楽が鍵になっていて、音楽からフレディは何かを受け取るようでした。

 

 

観客に考える余地と時間を与えてくれる映画で、観客が自分で考えるミステリーもあるんですが、現実的に淡々と平然とした映画の中、監督の意図はともかく、私にはけっこう笑える場面もありました。

「北朝鮮から韓国を守るのが運命」ってセリフはかなり笑えました。

また、人々の意思伝達のもどかしさなんかにもおかしみがありました。

 

例えばジム・ジャームッシュの映画なんかでは「言葉が通じなくても気持ちは通じる」といった場面があって好きなんだけど、『ソウルに帰る』は「言葉が通じない」としんどい感じでなかなか気持ちも通じません。

韓国のお父さんとすれば娘は娘なんだから娘の暮らしぶりや人間関係にも口を出したくなりますが、娘にしてみれば会ったこともなかったお父さんに何でそこまでされにゃならんのはてなマークと恐怖です。

 

私はフレディがすっかりイヤになったと思ったんですが ―― 。

 

私はもちろんダヴィ・シュー監督の作品を観るのは初めてだし、カンボジアの映画作家の方の作品を観るのも初めてで、そして『ソウルに帰る』のような作品に出会ったのも初めてだと思います。

観たいと思って観たんだけど、今はもう『ソウルに帰る』の虜ですね。

素晴らしい傑作に出会ったって心境です。

監督・脚本 Director
ダヴィ・シュー Davy Chou

パリとプノンペンを拠点に活動する1983年生まれの映画監督およびプロデューサー。
フランスの制作会社Vycky Filmsとカンボジアの制作会社Anti-Archiveを共同設立。カンボジア人プロデューサー、ヴァン・チャンの孫にあたり、2011年には1960年代のカンボジア映画の誕生と1975年のクメール・ルージュの残虐な破壊を描いたドキュメンタリー『ゴールデン・スランバーズ』を監督し、ベルリン映画祭フォーラム部門にて上映。また、2014年のカンヌ映画祭監督週間で上映された『Cambodia 2099』を含む短編作品を制作している。
初長編劇映画作品『ダイアモンド・アイランド』(2014)はAurora Filmsが制作、Vandertastic and Frakas Productionsが共同制作し、2016年のカンヌ映画祭批評家週間でSACD賞を受賞。
長編2作目となる『ソウルに帰る』は再びAurora Films制作、Vandertastic and Frakas Productions共同制作の体制を取り、2022年のカンヌ映画祭ある視点部門に出品。
また、監督業に並行してプロデューサーとしても活躍しており、近年では2021年のヴェネチア映画祭や東京フィルメックスで上映されたニアン・カヴィッチ監督『ホワイト・ビルディング』をプロデュースしたほか、
2021年のカンヌ映画祭ある視点部門で上映されたアルチュール・アラリ監督『ONODA 一万夜を越えて』にもラインプロデューサーとして参加した。

 


パク・ジミン

韓国で生まれ、9歳の時に家族とともにフランスに移り住む。普段はビジュアルアーティストとして活躍し、彫刻やインスタレーションなど手掛ける。
『ソウルに帰る』で役者デビュー。友人からダヴィ監督を紹介され、パリでコーヒーを飲みながら、3時間お互いの人生について語り合ったことが出演のきっかけとなった。パクは、フレディと多くの共通点を感じ、ダヴィ監督に、脚本に対して自分と意見を交換することを条件に出演を引き受けた。のちにダヴィ監督はパクとの出会いについて「人間として、男として、彼女に会えたことに本当に感謝している」と語っている。
パクは本作の演技で、世界の映画賞を席巻。ミシェル・ヨーやケイト・ブランシェットらと並び昨年を代表する名演とまで評された。

 

本職の女優さんではないそうですが女優さん女優さんしてなくて素で「フレディ」なパク・ジミンさんでしたね。

普段観ている映画と違うように感じたのはパク・ジミンさんのお陰でしょう。

じゃあ素人くさいのかといえばそんなことはなく、非常に優れた表現者だと思います。

韓国の俳優さんたちの演技ではないし、韓国語も流暢に話さないけど、それも感動的でした。

私は最初からパク・ジミンさんに魅了されてましたよ。




グカ・ハン (テナ)

1987年韓国生まれ。ソウルで造形芸術を学んだ後、2014年、26歳でパリへ移住。パリ第8大学で文芸創作の修士号を取得。卒業制作の審査で作品を見た出版社・ヴェルディエ社の編集者の後押しで書籍化。『砂漠が街に入りこんだ日』が作家としてのデビュー作。翻訳家として、フランス文学作品の韓国語への翻訳も手掛ける。

 

そのほか、助演の中では映画の前半でテナを演じたグカ・ハンさんの演技にテンションが上がりました。

テナはおとなしい、控えめな人で誰かが奇妙に感じられる振る舞いをしても顔に出したりしない人。

フレディとの間に友情が生まれ、いつかフランスを訪ねる約束もするのですが ―― 。

 

グカ・ハンさんも本職の女優さんではないようだけど、存在がすでに映画の一部のような方でしたね~。

 



韓国側の助演ではまずオ・グァンロクさんですが、大好きな俳優さんですよ。

アホな映画でもその存在はいつも注目でしたし、またオ・グァンロクさんは『ソウルに帰る』のような映画にいかにも出そうな方ですよね。

 

フレディの韓国のお父さんは娘を養子にしたことを悔いて罪滅しのつもりか必死で娘との関係を築こうとしますが上手くいかない。

それでも後半、まだ言葉は通じないながらも娘との交流が深まっているようです。

 



フレディの韓国の叔母さんを演じるのはキム・ソニョンさん。

 

キム・ソニョンさんはフランス語ができるんじゃなかったっけはてなマーク
違ったかな~あせる

あれはてなマーク

どっかで読んだようなあせる

違うかもしれません。
 

叔母さんはフレディとお兄さんが意思疎通できるよう英語で通訳の役割を担いますが、むしろお父さんよりも先に親密になったようなあせる

 

ほか、魅力的なキャラクターが韓国でのフレディの人生に登場します。

「お前なんか一瞬で消せる」でしたっけ…印象的なセリフでした。

 

 

パンフレットは900円(税込)です、買っちゃいました~ビックリマーク

 

・ イントロダクション

・ STORY

・ コメント 世界中の批評家&観客が「2022年リスペクト」に選出 ☆☆☆☆☆

・ コラム 『ソウルに帰る』の背景を過去の映画やドラマから知る旅 西森路代(ライター)

・ 監督 ダヴィ・シュー インタビュー

・ スタッフ

・ キャスト

・ コラム ノー・リターン 帰らないヒロイン 宮代大嗣(映画批評)

・ コラム 孤独に彷徨う根無草 児玉美月(映画文筆家)

・ 作品データ

 

でも、まだ読んでないんですよ、これから読みます~!!

 

 

結末から受け取った気持ち、ホントに良かったです。

この映画、最初から最後までホント好きでした。

9月になりましたが『ソウルへ帰る』は私の2022年ベスト10に入ると思います。

 

娯楽的な映画ではないかもしれないし、わかりにくいところもあるかもしれないけど、オススメですよ。

是非、スクリーンで観ていただきたいですね。

 

そして感想をブログとかで書いてもらったら私がまた読ませていただきます。

私は全部わかったとは言えないので、他の皆様のご感想を是非、知りたいですね…よろしくキスマーク

 

今日もありがとうさんです、おおきに…☆⌒(*^-゜)v

 

 

ソウルに帰る
原題:Retour à Séoul
韓国語題:리턴 투 서울
英語題:Return to Seoul


2022年製作/119分/G/フランス・ドイツ・ベルギー・カンボジア・カタール合作


開封日    
2022年5月22日(カンヌ国際映画祭)
2022年9月8日 (トロント国際映画祭) 
2022年10月4日(ナミュール国際フランス語圏映画祭)
2023年1月25日(フランス)
2023年5月3日(韓国)


日本公開日:2023年8月11日
配給:イーニッド・フィルム

監督・脚本 ダビ・シュー
撮影 トーマス・ファベル
編集 ドゥニア・シショフ
音楽 ジェレミー・アルシュ、クリストフ・ミュセット
衣装 クレア・デュビアン、イ・チュンユン
製作 カティア・カザック、シャーロット・ヴィンセント

パク・ジミン - フレデリック・“フレディ”・ブノワ
オ・グァンロク - フレディの父親
キム・ソニョン - フレディの叔母
グカ・ハン - テナ
ヨアン・ジマー - マクシム
ルイ=ド・ドゥ・ランクザン - アンドレ
ホ・オクスク - 韓国の祖母
エメリン・ブリフォード - ルーシー
イム・チョルヒョン - ケイケイ
ソン・スンボム - フランス語を話す友人ドンワン
キム・ドンソク - ジワン
レジーヌ・ヴィアル - フレディの母
チェ・チョウ - フレディの実母

Distribution
Park Ji-min : Frédérique « Freddie » Benoît
Oh Kwang-rok : le père biologique de Freddie
Guka Han : Tena
Kim Sun-young : la tante coréenne
Yoann Zimmer : Maxime
Louis-Do de Lencquesaing : André
Hur Ouk-sook : la grand-mère
Émeline Briffaud : Lucie
Lim Cheol-hyun : Kay-Kay
Son Seung-beom : Dong-wan, l'ami francophone
Kim Dong-seok : Jiwan, le garçon à la frange
Régine Vial : la mère de Frédérique
Choi Cho-woo : la mère biologique de Freddie

 

 

 

 

 

 

8月31日~9月1日 監視者たち(2013年) ソウルに帰る

9月2日 高地戦(2011年) 京城学校:消えた少女たち(2015年)

9月4日 RRR(2022年)