8月11日から公開中
映画 『もしかしたら私たちは別れたかもしれない』 公式サイト
8月25日から公開中
『イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K』 オフィシャルサイト
今日9月1日から公開中
9月8日から公開
「犯罪都市」シリーズのマ・ドンソクが製作・主演を務め、人生崖っぷちの2人の男がタッグを組んで美容整形業界の頂点を目指す姿を描いたコメディドラマ。
子猫をお願い 4Kリマスター版
イントロダクション
韓国公開から20年――
あの頃の5人にもう一度、会いたい
2000年代初頭の韓国社会で奮闘する5人の女性の夢や恋、挫折、拾った子猫との関係をセンセーショナルに描き、国内外で高い評価を受けた青春映画の傑作が、4Kリマスター版で蘇る
是枝裕和監督作『ベイビー・ブローカー』(22)への出演で再び注目を浴びているペ・ドゥナが、瑞々しい20才の女性を演じ、38回百想芸術大賞最優秀女優賞を受賞、女優として大きく飛躍するきっかけとなった。監督は、韓国における女性監督の先駆者であり、中山美穂&キム・ジェウク出演のラブストーリー『蝶の眠り』(17)や、再開発が進むソウルで取り壊される事になった団地に住む猫たち250匹の引っ越しを追った新作ドキュメンタリー『猫たちのアパートメント』(12/23(金)ユーロスペース&HTC有楽町他にて全国公開)の監督としても知られるチョン・ジェウン。
韓国では昨年、劇場公開から20周年を迎え、特別展も開催される等、再評価の熱が高まるなか、日本でも2004年の劇場公開から18年の時を経て、4Kリマスター版として蘇る。
20才。子供じゃないし、大人にもなりきれない。
まだ何者でもない私たちの物語。
ヘジュ(イ・ヨウォン)は証券会社で働きながら、出世を夢見ている。ジヨン(オク・チヨン)は芸術の才能があり、海外で勉強したいと夢見ている。いつも明るい双子ピリュとオンジョ(イ・ウンジュ&イ・ウンシル)。一方、テヒ(ペ・ドゥナ)はボランティアで知り合った脳性麻痺を患った詩人を好きになる。
ある日、ジヨンは迷い猫ティティを拾う。ティティは20歳を迎える5人の人生に入りこんでいく。ティティと過ごすうちに5人の人生は思いがけない方向に進むが、そのうち彼女たちはそれぞれの問題に自分なりの解決策をみつけていく。
監督/脚本 チョン・ジェウン
Message from Director
これまでフィルム版を見てくださった皆さまにも是非新たに見てもらいたいです。本来の私の映画的意図に最も近い映画がまさにリマスター版です。『子猫をお願い』はデジタルリマスタリングを通じて二度目の人生を歩むことになりました。二度目の人生の一歩を、日本の皆さんと共にできてとても嬉しいです。これまでも本作を愛してくださってありがとうございます。またもう一度、子猫をお願いします!
監督/脚本 チョン・ジェウン
韓国芸術総合学校映像院出身。1995年から幾つかの短編を手掛けた後、2001年に『子猫をお願い』で長編映画デビュー。無類の猫好きで知られる。
本作で、第6回釜山国際映画祭「新しい波」部門Special Mention・アジア映画振興機構(NETPAC)賞、第6回女性観客映画賞女性観客天下賞(女性観客が選んだ今年最高の韓国映画)を受賞。 最新作に、取り壊されることになった団地に住む猫たち250匹の引っ越しを追ったドキュメンタリー『猫たちのアパートメント』(22)。
Filmography
『子猫をお願い』(01)
『もし、あなたなら ~6つの視線』(03)
『台風太陽 君がいた夏』(05)
『蝶の眠り』(17)
『猫たちのアパートメント』(22)
アンニョン、8月もありがとうございました
9月もよろしくお願いします(^-^)ノ
8月はなんと、私は韓国映画の感想を書いていないんですね。
珍しく…いや、でも韓国映画を観てはいるんですよ。
ただ新しくは観てなかったですね。
9月は頑張って韓国映画を書かなきゃ。
『子猫をお願い』…私は2020年03月5日に初めて観てるんですが、まだブログで感想を書けていなかった作品です。
それで…この作品の「4Kリマスター版」が去年12月17日に日本でも再公開されたんですが、京都はアップリンクさんと出町座さんでしたか、残念ながら私は観に行けなかったんです。
で、「4Kリマスター版」のブルーレイが再公開前の去年9月2日に発売されていたので、買って…先月19日に観ました…
ちなみに前もって書いておきますが、「4Kリマスター版」のブルーレイには、最初に発売されていたDVD版にあった「映像特典」がほとんどなくなってます。
そういったこともあるので、DVD版からブルーレイ版に買い換えようという方もご注意ください。
映像としては「4Kリマスター版」がホント鮮明になったんですが、DVD版の粗くぼやけたような画面も私は好きですね。
それからブルーレイにもDVDにも日本語吹き替え音声はありません。
『子猫をお願い』…前述の通り、私は2020年03月に観て、もちろん何かすぐに書きたかったんですが、書けなかったですね。
今も書けないんですが、私のように素人なんだからそれもそうかなと思います。
ちょっと簡単に文章で説明できないから映画なんだと思います。
それがまたチョン・ジェウン監督、映画作家の方々が映画を撮られる理由じゃないですか。
仲良かった5人組が高校を卒業し、社会ってやつに出て…って話。
そりゃもうどこにでもある話で多くの人にとっても当たり前の話ですね。
それが ―― 映画になると途端に魅力的になる…限られた時間で切り取られた時間を描く、映画の美しさですね。
というと皮肉っぽくも取られるかもしれないけど、その映画のお陰で現実も楽しく輝いて思えるのもまた事実ですよね。
私自身は映画によってそこまで劇的に助けられたというような経験はないように思うんだけれど、でも映画への憧れによってつまらない現実の中にも興奮を見いだせるように感じたことはもしかすると少なくないのかもしれません。
ともかく、ユ・テヒ(ペ・ドゥナ)、シン・ヘジュ(イ・ヨウォン)、ソ・ジヨン(オク・ジヨン)、そしてピリュ(イ・ウンシル)オンジョ(イ・ウンジュ)の双子シスターズ…同じ高校を出たけど別々の道を歩み、立場にも違いが出てくるけど時々会っては友情を確かめ合う。
それぞれにストーリーがあって(双子姉妹だけは薄味ですが)中でも主人公はテヒに思えますが、観客たちは5人のうちの誰かに自分を重ねる気がする。
私は…う~ん、双子姉妹かなあ~。
ジヨンが迷い猫と出会い、彼女にはお金がなかったこともあり、その猫をヘジュの誕生日の贈り物にする。
タイトルの「猫をお願い」はそれなんだけど、また考えさせられるタイトルです。
可愛い子猫だがいざちゃんと育てるとなると厄介な存在だ。
映画では様々なテーマが取り上げられていて、友情や進路もですし、貧困や格差社会、学歴社会もあるし、またいかにも韓国映画らしく、家庭、職場で女であることもですね。
テヒは家庭の中での自分の存在に疑問を抱き続ける。
女だから
これはもう韓国の女性映画では不可分なテーマかもしれません。
それだけ韓国の女性たちは女性であることについて考えてきたのでしょう。
でも『子猫をお願い』、それだけではない。
映画の作風…特に現実的な物語やリアルな画面、そしてフェア、且つ、多角的視点であることなど、私好み、私向きな作品で、観てすぐ好きになりました。
韓国映画でこういうリアルすぎる手触りを感じる時 ―― たまらなく興奮しますね。
私は最初から韓国映画で感じるこの気分が好きでした。
舞台はほとんどインチョンで、ヘジュが働くソウルもですが、風景がホント好き。
低予算であることが映画にとって必ずしも弱みにならないことの証明のような作品ですよね。
9年、韓国映画を観てきて、ぺ・ドゥナは「いつもそこにいる」女優さんに思うんですね。
出演した映画で観たのは16本かそれくらいで、そんなにたくさんではないけど、激しい演技をしていても主役主役の自己主張がないというか…だから逆に私はどの作品もいつも自然に観てます。
20歳のテヒを演じる彼女も、ホント「テヒ」ですものね。
この映画を観ている間はもう勝手にテヒみたいな人に違いないと思い込んでる(;´∀`)
むしろテヒは監督の分身的なキャラクターなんでしょうけど。
ぺ・ドゥナ主演の『あしたの少女』(2023年)、公開が始まりました
『子猫をお願い』の印象ではジヨン役のオク・ジヨン(=チヨン)なんですよ。
パッとそう思い出します。
彼女は祖父母と暮らし、5人の中で最も貧しいんですが、自分の置かれた苦境を突きつけられ、怒りや妬みの感情も起こるでしょう。
友達とは見えている風景が違うのだと感じてつんけんするのも仕方がない。
ジヨンは芯の強い女の子だし、絵やデザインの仕事をしたいと考えているが…それにしても彼女に刑事が放つ無神経な言葉はいただけない。
ジヨンが心を閉ざすのも当然である。
この映画のジヨンにはホントに感情移入しました。
しかし女優オク・ジヨンはなぜかその後、映画では出演作に恵まれていないイメージでもったいない。
私なんかはオク・ジヨンが出ているだけでも嬉しいクチですが。
オク・ジヨンは8月11日に日本でも公開された『もしかしたら私たちは別れたかもしれない』(2023年)にも出てます。
イ・ヨウォンが演じたシン・ヘジュは若干、苦手なキャラといいますか、女のイヤな面がちょっと出てる(^_^;)
しかし証券会社に就職し、5人の中で最も成功しているように見える彼女だが当たり前のことながら悩みは尽きないし、将来も不安なのである。
このあたり、どの子が正しいというのではなく、それぞれの立場なりに悩みや苦しみ、そして幸せや可能性があると描かれていることがこの映画の素晴らしさです。
あ、もちろん女優イ・ヨウォン、私も好きですよ。
どうにも他の3人に比べて助演ぶりが強い双子姉妹ですが、イ・ウンシルとイ・ウンジュのとぼけた明るいノリがこの映画に優しさを与えてくれている。
想像するにインチョンで暮らす華僑の双子たちが差別を感じることもあったかもしれないし、人間、楽しいだけの人はそうそういない。
韓国人の中国人への差別意識もある人はあるでしょう。
韓国の方が中国よりも進んでいるとか考えてた人もいたみたいで、前は読めてたんですが韓流に熱中して韓国に留学した中国の女性が韓国で憤りを感じた場面は、かなり納得の話でした。
日本人もホンマ気をつけなあきませんナ。
インチョンはチャイナタウンが有名で中国とのつながりが強いイメージです。
なんと言いますか、双子姉妹はインチョンを代表するキャラクターに感じます。
それは役柄上でイ・ウンシルとイ・ウンジュは韓国生まれの韓国人ですけどね。
他のキャストとしてはテヒとジヨンが出会う、女の子たちの不安を象徴するようなホームレス女性の役でファン・ソクチョンさんが出てこられ、強い印象です。
実のところ、大雑把なストーリーを踏まえてのラストはそんなに斬新でも独創的なものではないかもしれない。
同じような結末の文学や映画は他にもあるかもしれない。
でも、このラストでなければならないと思うんですね。
自分のことでいえば、テヒほどの決心ができないと思うし、ジヨンほど未来に賭けてみる心境に至ったことがないの思うので、それまでのストーリーは身近に感じてきていたとしても、ラストの劇的な旅立ちには強い憧憬を感じます。
しかしそれも誰にでも可能性があることの映画的なビジョンであり、そこへ踏み出してほしいという監督の思いなんでしょうね。
チョン・ジェウン監督の映画は他に日韓合作で中山美穂さん、キム・ジェウクさん主演の『蝶の眠り』(2017年)を先に観ていますが、いい映画なんですけど、『子猫をお願い』ほど刺さらなかったかな
何か、お仕事って感じのやや平凡な作品でした。
他の日本公開作としては、キム・ガンウ、チョン・ジョンミョン、イ・チョニ主演の『台風太陽 君がいた夏』(2005年)があり興味を惹かれます。
そして去年12月に日本で公開された『猫たちのアパートメント』(2022年)、劇場では観れなかったので早く観たいところです。
近々…。
5人と同世代の人たちが観てもいいし、大の大人にとっても観るべき傑作ですよね。
今回、4Kリマスター版の鮮明な画面もあって、それが新鮮で、また私はこの映画がホンマ好きやなあ~とあらためて興奮でした。
サントラCDはもはや入手困難、なかなか手に入らないでしょう。
音楽もいいんですけどね~。
ホントに素晴らしい『子猫をよろしく』
まだ観ていない方は是非。
今日もありがとうさんです、アンニョン(^.^/)))
原題:고양이를 부탁해 猫をお願い
英語題:Take care of my cat
中国語題:猫咪少女
2001年製作/112分/韓国
韓国封切:2001年10月12日
4 K リマスター版・韓国封切:2021年10月13日
日本初公開:2004年6月26日
4 K リマスター版・日本公開:2022年12月17日
配給:JAIHO
監督・脚本:チョン・ジェウン[第1作]
脚色:キム・ヒョンジョン、イ・オニ
撮影:チェ・ヨンファン
照明:パク・チョンファン
編集:イ・ヒョンミ
音楽:チョ・ソンウ
美術:キム・ジンチョル
出演
ペ・ドゥナ → ユ・テヒ 麦飯石サウナ
イ・ヨウォン → シン・ヘジュ 証券会社
オク・チヨン → ソ・ジヨン 祖父母と同居
イ・ウンシル → ピリュ 双子 アクセサリーの露天商
イ・ウンジュ → オンジョ 双子 アクセサリーの露天商
オ・テギョン → オム・チャニョン ヘジュのボーイフレンド 予備校生
キム・ファヨン → ユ・テヒの母 特別出演 [ペ・ドゥナの実母]
チェ・サンソル → ユ・テヒの父 麦飯石サウナ
パク・ソングン → パク代理 証券会社
ムン・ジョンヒ → チーム長 証券会社
ファン・ソクチョン → 洞長おばさん/乞食女
パク・リナ → シン・ヘジュの姉
キム・ジュサン → チュサン 身体障害者の詩人
チェ・ヨンス → ソ・ジヨンの祖母
ユ・インス → ソ・ジヨンの祖父
ユ・スンチョル → 懐中電灯おじいさん
ソン・ギホ → ユ・テヒの兄
イ・ジヒョン → ユ・テヒの兄の妻
チェ・ユンシク → テシク ユ・テヒの弟
チョン・ジュヒョン → 歯ブラシおじさん
チョン・ボフン → ファミリーレストラン職員 トニーロマス(TONYROMAS)芸術の殿堂店
[お ま け]
・20歳の5人は、インチョン(仁川)市の実業系名門高校である仁川女子商業を卒業したという設定でインチョン市内の28地域で撮影された。
・テヒ(ペ・ドゥナ)の母を演じるキム・ファヨンは、演劇俳優でペ・ドゥナの実の母だそうだ。
※ 輝国山人の韓国映画様から転載させていただいてます。
・ 8月30~31日 『怪しい彼女』(2014年)を観る。