韓国映画 金子文子と朴烈(パクヨル) 公開中 | Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

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アジア映画に詳しくなかった私がアジア映画を観てます♪
ネタバレはできるだけ避けております…(ㆆᴗㆆ)*✲゚*。⋆

 

 

アンニョン(^-^)ノ

いつも、コマウォですキスマーク

 

無論、ご存知かもしれないけど

第14回大阪アジアン映画祭(OAFF2019)が

3月8日から17日まで開催されますNEW

 

 ← 公式サイトです。

 

韓国の作品は

なまず

アワ・ボディ

群山:鵞鳥を咏う

 

そして、日韓合作作品も

HANA

オールド・ラブ

といった作品が上映されるそうです。

驚いたことには入場無料の作品も目

 

私はチェ・ヒソ主演の『アワ・ボディ』や

チャン・リュル監督の『群山:鵞鳥を咏う』に

とても心惹かれるのですが・・・券とかまだあるのかな~あせる

でも、時間が(>_<)

 

うちのサブブログの記事にも予告編を貼りつけときました。

 ← うちの記事汗

 

映画祭参加作品は本当にどの映画もいい感じバリバリビックリマーク

いいですね、映画の祭り!!

 

 

 

 

 

そして・・・この作品を観てきました映画キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラおでん左おでん真ん中おでん右

 

 

 

 

 

朴と共に死ねるなら、

私は満足しよう ――

 

 

 

韓国で235万人の動員を記録した、激しくも心揺さぶる真実の物語。

 

1923年関東大震災後の混乱の中、囚われたふたりは、愛と誇りのため、強大な国家に立ち向かう。

 

 

 

金子文子と朴烈(パクヨル)

 

 

映画 『金子文子と朴烈』 公式サイト

 

 

金子文子と朴烈(パクヨル)
原題:박열
英語題:Anarchist from the Colony


(2017年、韓国映画、129分、PG12)


監督イ・ジュンイク
製作イ・ジョンセ、ショーン・キム
製作総指揮:キム・ジンソン
脚本:ファン・ソング
助監督:アン・グァンヒョン
撮影:パク・ソンジュ
照明:キム・ヒョソン
美術:イ・ジェソン
衣装:シム・ヒョンソプ
編集:キム・ジョンフン
音楽:パン・ジュンソク
照明:キム・ヒョソン


出演:イ・ジェフン、チェ・ヒソ、キム・イヌ、山野内扶、横内祐樹、金守珍、キム・ジュナン、クォン・ユル、ミン・ジヌン、ペク・スジャン、ハン・ゴンテ、チョン・ジュノン、ユン・スル、ペ・ジェギ、チェ・ジョンホン、パク・ソンテク、柴田義之、佐藤正行、小澤俊夫、趙 博(チョウ バク)、キム・ガンイル、クォン・ヒョクス、パク・キリュン、ト・ヨング、チョン・テヤ、金淳次、イ・ヨンソク、チョン・ウンボン、松田洋治 ほか

 

 

解説: 大正時代の日本に実在した無政府主義者・朴烈と日本人女性・金子文子の愛と闘いを、「王の男」「ソウォン 願い」のイ・ジュニク監督、「高地戦」「建築学概論」のイ・ジェフン主演で描いた韓国映画。1923年の東京。朴烈と金子文子は、運命的とも言える出会いを果たし、唯一無二の同志、そして恋人として共に生きていくことを決める。しかし、関東大震災の被災による人びとの不安を鎮めるため、政府は朝鮮人や社会主義者らの身柄を無差別に拘束。朴烈、文子たちも獄中へ送り込まれてしまう。社会を変えるため、そして自分たちの誇りのために獄中で闘う事を決意した2人の思いは、日本、そして韓国まで多くの支持者を獲得し、日本の内閣を混乱に陥れた。そして2人は歴史的な裁判に身を投じていく。ジェフンが朴烈役を、「空と風と星の詩人 尹東柱(ユン・ドンジュ)の生涯」のチェ・ヒソが金子文子役を演じるほか、金守珍ら「劇団新宿梁山泊」のメンバーが顔をそろえる。2018年・第13回大阪アジアン映画祭では「朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト」のタイトルでオープニング作品として上映された。(映画.com

 

 

 

 

犬ころ

 

            朴 烈

 

私は犬ころである

空を見てほえる

月を見てほえる

しがない私は犬ころである

位の高い両班の股から

熱いものがこぼれ落ちて

私の体を濡らせば

私は彼の足に

勢いよく熱い小便を垂れる

 

私は犬ころである

 

 

 

映画 『金子文子と朴烈』 予告編

 

박열(Anarchist from Colony, 2017) 티저 예고편

 

 

私が去年から最も期待を感じていた作品です。

とにかく、京都シネマさんで観たんですが、公開2週目にして

予想よりもはるかに観客が多かった ―― ちょっと驚きました。

三・一独立運動の記念日直前に観たのも何か縁のようでした。

 

この作品のストーリーだけど、日本版の予告編が

非常に適切にそれを教えてくれていると思います。

最初の方はほとんど予告編のままのように思えたほどです。

全体としても予告編のイメージからそうはずれません。

だから予告編を目にしてこの作品を観たいと思われる方は

まず期待はずれってことにはならないでしょう。

 

いろいろ語りたいことが多すぎて

そうなると逆に書けないものですが

観終えてから、大勢の方々のこの映画のレビューを

読ませてもらい、その評価の高さにまずホッと安堵しましたし

とても嬉しくもありました。

 

とかく、自分よりも謙虚ではない人間の傲慢な知ったかぶりを

読むことになる1分間ほど無駄で不快なものはないのだけれど

そういったレビューに出会わなかったことが本当に幸福だった。

 

多くの日本人にとってこの作品のような韓国映画はまず

頭ごなしに不愉快なものだと感じられるのかもしれないんだけど

私はそういった集団思考的な捉え方をいつも残念に思うし

なぜ、そうなり、今もそうなのかをここ数年、ずっと考えてます。

実はこの映画こそ、その考えを整理していくための

重要なサポートそのものではないかと、観終えた今、思えます。

 

人力車の仕事中、日本人の客から足蹴にされ

「半島へ帰れ!」と罵られるパク・ヨル。

冒頭から日本人の観客は映画館で

居心地の悪い思いをするかもしれません。

しかし、「半島へ帰れ!」は今現在も

ニュースサイトのコメント欄などで

当たり前のように目にする不愉快な言葉です。

いったい、どんな人間たちが書いているんだろう。

そんなことを思うと

人間をやめて「犬ころ」になりたい気分にもなります。

 

物語が進むにつれ、さらに恐ろしい場面がある。

1923年、関東大震災後に起こった朝鮮人虐殺です。

映画では短い時間しか描かれないけど、非常に恐ろしい場面です。

 

しかし観ながら私は、ああ、これはそうなんだろう、やはり

日本人とはこうゆうものかもしれない、何かあると過激な方へ

残酷な方へ同調して残忍な民族性が一気にあらわになる

それはそうだろう、と思っていました。

 

私がそう思うのは、インターネットが原因ですね。

やましいことなどない韓国の人たちを「言葉で殺す」

そんな日本人が少なくないと、インターネットで知ったわけです。

その恐怖、その恥が私をずっと日本人として縛っています。

 

そう考えると、パク・ヨルと金子文子が生きた時代と今は

やはりそれほど変わらないし、同じ時代がずっと続いている ――

嫌悪感をぬぐえないけど、そう感じずにはいられませんでした。

 

もちろん観ていて怒りも感じますし、これは憤怒の映画でもあります。

しかし、その怒りは、ことパク・ヨルや文子の気持ちに共感すると

エネルギッシュで迫力満点、そして尊敬に値する憤怒に思えます。

私は、ああ、こんな生き方もあるのか、とすごい感銘を受けた。

 

自分が正しければ怒ってもいい ―― それが当たり前のことでした。

 

映画として、時に笑えて、気持ちがリフレッシュされて

元気になってくる、強くなれる・・・そんな気分もあります。

それも私は、ああ、やはりな・・・これは韓国映画!!

って感じだったんですよね。

 

そして、予想通り、これはラブストーリーでもありました。

おそらく、日本にも、韓国にも、その歴史にも興味のない

どこか外国の人がこの映画を観たら

まず恋愛映画だと思うことでしょうね。

 

 

パク・ヨルと文子を見ていて、私は羨ましかったです。

ああ、こんな生き方もできるのか、と。

 

この映画の存在を知るまでは、私はパク・ヨルのことも

金子文子のことも知らなかった。

震災後の朝鮮人虐殺については知っていたけど

当時の政治とか世相とか状況とか歴史はもちろん知らなかったし

あまり興味もなかった。

 

でも、観たいとなぜ感じたのか、自分でも不思議だったけど

ああ、やはりそうか、と観ながら確信していました。

私には社会主義も、とにかくナントカ主義はあまり意味がないし

アナーキズムも、言葉としてセックス・ピストルズのあの歌で

知っているだけで、だからぜんぜん意味はなかったけど

観てて、ああ、だから私はこの映画を観たんだな、と思った。

20歳前後の頃なら、もっと強烈に影響を受けたことでしょう。

 

いや、何も不逞社の思想に感化されたわけではなく・・・

ってゆうか、ほら、ねはてなマーク

パク・ヨルと文子は、思想でどうこうよりもむしろ

最初は仲間を救うため、濡れ衣に乗っかって、それから

裁判を自分たちの「劇場」・・・死を覚悟した表現、主張の場に

選んでいくんですよね。

 

念のため、この映画の中で、パク・ヨルと文子が言及する

天皇制への手厳しい批判については

やっぱりカンカンに怒りはる人がいると思うんやわ。

私自身も陛下や皇后さんの悪口は許さんとゆう気持ちが強い。

陛下がいはらへんかったら、今はこの日本

ホンマに下品でイヤな感じの国になってたと思うしかないしね。

 

しかし、パク・ヨルや文子がああ言わざるをえなかった気持ちも

本当によくわかる。

だから、言葉は激しかったけど、グッときたもの。

だから、それはやっぱりこの世は複雑ですよ。

一概にこうとは言えない。

私は一つの考えにだけ、賛成はできない。

 

ゆえに、これは映画として真剣に観たんだから

それからあとは自分でまた考えますよ。

 

なんしか、私は本当に、ロック・ミュージックを超えたような

反骨や反権力、巨大なる敵に対しての戦いに感動したんです。

ああ、これを観ていたかった・・・と。

 

でも同時に、信念をねじ曲げてでも、逃げを打ってでも

二人には生き残ってほしかった。

どうか、事態が好転してください、と祈っていた。

生きて幸せに暮らす道だって、あるかもしれない。

 

実際、途中でその機運が訪れる予感もあったでしょ。

それはつまり、敵だらけに思えた日本の中にも

彼らとゆう人物を好ましく感じざるをえない人たちのことですよ。

 

観終えて、確かなことのうちの一つは

この映画は日韓友好の映画だってことです。

まったく新しい形の韓国と日本の肯定的な関係を

示した映画でしょう。

 

だって、韓国人の男と日本人の女の恋愛映画だもの(;´∀`)

 

いや、それはともかく

イ・ジュンイク監督と脚本のファン・ソングさんは

徹底した日本人の悪役を出していながら

それでも少なくない日本人がパク・ヨル、文子

そして不逞社の仲間たちに肯定的な気持ちで接していくでしょ。

もう、私はあれが嬉しかったし、心打たれた。

なら、私もまだまだ日本人でいよう、と思わされたとゆうか。

 

パク・ヨルと文子が囚われて、時間が経つにつれ

重くなっていくのは確かだけど、それでも彼らの信念と

お互いへの気持ちは揺るがなかったし、その決意が美しかった。

 

이태리의 정원 (イタリアの庭園 チェ・スンヒ)

 

 

キャストについてはまたいつか詳しく書けるといいのですが

とにかく、チェ・ヒソに一気に心、持ってかれました。

彼女が演じた金子文子が素晴らしすぎた。

 

日本語でのセリフが皆さんおっしゃる通り、本当に素晴らしく

逆に、イ・ジェフンくんの喋る日本語が

単語とかも難解なこともあって、かなり聞き取れずあせる

 

とにかく、日本語のセリフも最高で、チェ・ヒソ、非の打ち所なし。

 

だから、予告編やポスターで彼女を際立たせて

タイトルを『金子文子と朴烈』にした、日本の映画会社さんは

ホンマに正しいと思います。

 

もう、可愛いし、キレイやし、女子力高いし、かっこええし

キリッとしてるし、頭はええし、友達思いやし

年下なんですけどね~(チェ・ヒソも文子も)、憧れますビックリマーク

また一人、韓国の大好きな女優さんが増えました。

 

もちろん、イ・ジェフンくんも凄かったですよ。

俳優さんとして限度いっぱいいってました。

何より、かっこよかった!!

 

当然、キャストの方々全員、素晴らしかったです。

憎たらしい役を演じた方々もやっぱり・・・

皆さん、日本語も上手いので、どなたが日本人で

どなたが韓国人か、わからへんかった。

そしてその表情に何度もハッとさせられていた。

 

イ・ジュンイク監督・・・いろいろ語りたいけど

また機会があるでしょうし(^_^;)

『朴烈』は、監督の作品の中でも最高の1本でしょう合格

 

 

パンフレットは700円(税込)です。

 

P1   プロローグ

P2   解説

P3   物語

P4   金子文子のLIY ブレイディみかこ(ライター)

P6   登場人物&キャストプロフィール / イ・ジェフン、チェ・ヒソ インタビュー

P10  監督プロフィール / インタビュー

P12  天皇は製糞器なのでございます 栗原康(アナキズム研究)

P14  コメント

P16  金子文子・朴烈年表

P18  葛藤の時代に生きた二人を浮き彫りにする虚実の妙 加藤直樹(ノンフィクション作家)

P20  参考文献

 

珍しく目次のあるパンフレットでこういった内容・・・

なんですがあせる

このパンフレット、いわゆる「フルカラー」じゃなくって

なんてゆうのかな、「5色刷り」とかはてなマーク

色相環が薄いっちゅうのか・・・しかしビックリマーク

その分、読むところが濃い!!

 

画を押させて文・文字を増やした、そんな感じです。

実際、パンフレットとしてはインタビューもあり、読み応え、十分。

 

栗原康先生がめっちゃパンクなエッセイを書いてはりますが

ブレイディみかこ先生、加藤直樹先生も

それぞれの先生方の視点でこの映画について書かれてます。

 

私はこのパンフレットを読んで

さらに映画がわかったと思ってるので

もしも映画を観たら、絶対に買って読んだ方がいいですよメラメラ

 

 

歴史に詳しい方のレビューによりますとこの映画

驚くほど事実に忠実なんだそうです。

それも私は、わからないなりに、ああ、やはりそうだろうなあ

と、思いました。

 

京都シネマさんでも3月15日まで上映延長が決定です。

シネマート心斎橋さんは3月8日までかな。

今後、公開される劇場もまだまだ増えてきますよね。

 

いいことも言いませんが、悪いことも言いません。

 

この映画、日本人だからこそ、観た方がいい

いや、観るべき映画です。

 

私は観てる時、この100年近く前の物語を

自分の歴史として観ました。

129分、歴史の中にいたとゆうか・・・そして

強く心動かされていました。

 

やはりオススメすべき映画でした。

映画が好きなら、是非、観ていただきたいです。

 

私もせめてもう一回はスクリーンで観ておきたいんですが・・・

もしかしたら、出町座さんでも上映してくれるかな!?

 

でわ、今夜もありがとうですキスマーク

アンニョン(^.^/)))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現代に甦る文子の精神

女たちのテロル

ブレイディみかこ 岩波書店 5月下旬発売予定