日本映画 旅の重さ 1972年 | Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

Asian Film Foundation 聖なる館で逢いましょう

アジア映画に詳しくなかった私がアジア映画を観てます♪
ネタバレはできるだけ避けております…(ㆆᴗㆆ)*✲゚*。⋆

 

 

アンニョン・・・(^-^)ノ

いつも、おおきに・・・ありがとうですキスマーク

 

3月2日、久しぶりになりますが

日本映画のDVDを借りて、観ました・・・映画キラキラキラキラキラキラくもり晴れ

 

 

 

旅の重さ
 

 

解説: 母親との生活に疲れ、四国遍歴の旅に出た十六歳の少女の数奇な体験と、冒険をオール・ロケで詩情豊かに描く。原作は、覆面作家として話題をよんだ素九鬼子の同名小説の映画化。脚本は「約束」の石森史郎監督も同作の斎藤耕一、撮影も同作の坂本典隆。(映画.com

 

 

去年の今頃か、そのちょっと後かぐらいに

映画のDVDの価格について調べている中で

あの頃映画 松竹DVDコレクション」とゆうシリーズを見つけ

いろいろ見てたんですけど、その中で1作品

非常に観たい映画に出会いました。

 

『旅の重さ』とゆうその作品の、ほんの短いあらすじを読み

あ、これは、私の観たいロード・ムービーだと直感しました。

 

今にして思えばその時に、イメージを重ねていたのは

アニエス・ヴァルダ監督・脚本の映画

冬の旅』(1985年)だと思います。

 

深層意識の中で『冬の旅』を観た時の気持ちを

もう一度、体験しようと思ったんじゃないでしょうか。

 

それで、『旅の重さ』のタイトルを覚えておくことにしたんですが

その少しあとで、私は佐々部清監督の作品

八重子のハミング』(2016年)を、劇場に観に行きました。

 

『八重子のハミング』の主演のうちのお一人が高橋洋子さん。

 

このへんがもう、不思議なところで

気持ちが呼び寄せる偶然とゆうか、そんな感じで

結果、私はまず高橋洋子さんが28年ぶりに映画出演された

『八重子のハミング』を去年の7月に観て

今年、1972年に公開された初主演作品を観たんですね。

 

 

16歳の少女がママのもとを離れて、初めて旅に出る物語。

 

原作は素 九鬼子先生の処女作で

映画化されるよりもずっと前、1964年に書かれたようです。

1964年と1972年じゃ、かなり違うと思うんですけど

映画を観たところ、私には1972年の話に思えました。

 

映画は、最初から時々、画面に主人公の独り言とゆうか

独白がかぶさってくるんですが、この言葉がとても文学的で

私は映画を観ながら、ああ、これはきっと文学なんだと思いました。

 

『冬の旅』では最初、アニエス・ヴァルダ監督のナレーションで

「この少女がどこから来たのかはわからない。

私には海で生まれ、海からやって来たように思える・・・」

とゆうようなことが語られたと思いますけど

少女のモノローグはなかったと思います。

 

『旅の重み』での少女の声はとても饒舌なんですが

なぜか、私にはよく理解できない言葉も多かったんです。

何を言ってるんだ、コイツは・・・とゆう場面もありました。

そんなことより、木陰でちょっと休め~、とか(^_^;)

 

けど、それでも、観終えて耳に残るのは

やっぱり高橋洋子さんの声の、少女のモノローグなんですね。

 

素 九鬼子先生は40年近く、表立った作家活動を

休まれてたようですけど、2015年に、久しぶりに新作

『冥土の季節』を発表されたとのことです。

 

 

少女は、最初、のんきに旅を満喫しまくってるようですが

あんまり、同じ人と長くいるのは好まないようです。

誰かと出会って、少し触れ合うと、スッとその場をあとにする・・・

そんな感じで、常に移動してたい感じ。

 

で、旅の目的が何なのか、それはハッキリ言わない感じ。

でも、目的意識があり、旅への強い思いがあるようです。

 

私自身はここまでハッキリと「放浪」のような旅をしたことがないし

だいたい、人に誘われなければ、なかなか旅行に行かないタイプ。

誰かが待ってるとか、誰かに会いにいくのなら出かけもしますが

ただ旅が目的で、旅行をしたことはないように思います。

 

けっこうビビリとゆうか慎重派なので

今となっては旅行中に何かが起こって

人様に迷惑をかけるのが何よりもイヤな性格。

そんな人間には『旅の重み』のような経験はできません。

 

だから、ロード・ムービーに憧れもあるのかもしれないですね。

ロード・ムービーと聞けば、観たくなるものね。

 

少女の目的は・・・一番、安易に考えれば

母親との暮らしの中で、漠然と父親のような存在を

探しに出たのかあ・・・とも思えました。

途中からですがね。

 

少女が、出会って、一緒にいたがるのが

けっこう年が上の「おじさん」だったのでね。

 

そのうちの一人が、旅芸人一座の座長で

演じてるのは三國連太郎さん。

 

私はもちろん、日本映画はあんまり観ていなかったりするんだけど

なぜか三國連太郎さんだけはすぐにわかりましたよ。

それだけ、強い個性の持ち主だからでしょうけど。

 

不思議なことに、もうひとりの「おじさん」を演じる

高橋悦史さん・・・なぜか、登場された時に

「もしかすると高橋悦史さんじゃないだろうか」と思いましたね。

 

それはおそらく、『映画秘宝』だと思いますけど

それで高橋悦司さんについての文章を読んだからだと思います。

そうだとしか思えませんね。

私は、高橋悦司さんを見るのが初めてだったはずだから。

 

その『映画秘宝』だと思うけど

高橋悦司さんについての文章の中で、書いてる人が

「現代の日本ではいないタイプの男優」とゆうようなことを

書いてたので、それで、「あっ」と思ったんじゃないですかね。

あとは・・・ごめんなさいあせる

「鼻の穴」ですか(;´∀`)

 

 

まあ、私も若い頃はともかく、今は大人は大人ですので

やっぱり、こんな若い子が一人で旅してることが心配でしたね。

季節的に、服も薄着の季節ですしね。

 

女の子が一人でヒッチハイクしたり、野宿したり

知らない男の人の家に泊まったりする場面になると

ドキッとして不安になってしまいました。

そうゆう観方で観る映画じゃないのかもしれないけど

そうゆう観方で観てしまう映画なのかもしれないですね。

 

映画的には、少女が裸になったりするタイミングも

ちょっと納得いかなかったりしましたよね。

いかにも映画的とゆうか、強引に感じられてしまって。

 

いや、旅芸人一座のおねえさんが、海で泳ごうと言ったら

ちょっと躊躇するって・・・その前に自分一人で泳いでますやんビックリマーク

どっちかゆうたら、一人で裸で泳いでる方が変ですやん。

二人の方が恥ずかしくないように思うんですがねー。

 

それはともかく、けっこう無防備なところにガキっぽさがあって

まー、まだまだ子どもなのかもしれないけど

変なところで天真爛漫で。

 

だから、ひとり暮らしのおじさんなんかは

かなり困ってたと思いますが、あの人は固い人なのと

それまで、あえて女性を避けてきたようなイメージでしたね。

だから、簡単に誘惑に負けない男性だったことが

逆に私は信用を感じましたけど。

 

まあ、今もそうそう、年頃の女の子のここまでの一人旅って

そんなに簡単に出発したりできないと思うけど

(お金もいるし・・・

まあ、この映画ではママのお金を盗んだんでしょうけど)

1970年代の前半なんて、もっとでしょ、きっと。

 

だから、文学なり、映画なりでこういった旅が描かれて

それが、たとえば同世代の少女たちには憧れだったり

行ってみたいと思う羨ましさが感じられたんと違いますかね。

 

この映画の少女にとっては、少しの間

旅芸人の一座のおねえさんが、憧れだったようですね。

あの、女二人で話してる場面なんてほんま自然で

演技も素晴らしかったと思いました。

 

ま、そんなんなので、おねえさんに抱かれて慰められることで

安らぎにふけったんでしょうけど、それが区切りになって

次へ進んでいくんですが。

 

あの、女同士のラブシーンはちょっと忙しなかったなあ。

あんまり長い場面にできなかったのかな。

 

何と言うのか、この映画の中では、話がちゃんと通じてるのは

女同士の会話の方のように思えて仕方がない。

 

途中で、貧しいけれども文学が大好きな少女と出会うけど

その子と、旅芸人一座のおねえさんとのシーンが

特に会話がしっくりきたかなぁ。

 

 

風景がほんとに素晴らしくって

映画の絵が、それだけで、観とれてました。

 

四国は、私も少し長い旅行に行って

そのあと、九州も一回りして

それから中国地方を通って、最後は尾道に泊まって

その旅行がほんとにいい思い出なので

ロケ地に見覚えはなかったけど

たしかに、旅の映画としてその風景に興奮しました。

 

それと・・・それが私の大きな目的だったけど

1972年の空気ですね。

ロックの名盤がいっぱい発表された憧れの時代・・・

映画も、もちろんですが、その時代の日本の風情、佇まい

それらを心から味わえました。

 

それはこの映画だけなのかなあ・・・違うと思うけど

でも、この映画に出会えて良かったと思いました。

 

この映画は、作られた方々、出演された方々が

思いもしなかったほど、21世紀の今では

かけがえのない映画作品なんだと思います。

 

私には演技のことはわからないけど、演技も素晴らしかった。

46年、時を経て、時間が遠ざかったから、心を打つんだと思います。

もちろん、今現在の映画も素晴らしいですよ。

素晴らしいけど・・・46年前の映画には今の映画には

ないものがあまりにも多すぎる。

 

それを目にして、聴いただけでも、大きな価値があった。

 

今、フッと思いましたが

『旅の重み』の少女のその後が

『八重子のハミング』の八重子ならば

何とも言えない気持ちになるし

さらに深い何かを感じます。

 

『冬の旅』は、少女の死から始まりますが

『旅の重み』の少女は、その後、どう生きたのかなあ・・・。

 

 

旅の重さ
英語題:Journey into solitude
中国語題:孤独之旅


(1972年、日本映画、90分)

 

【スタッフ】
監督:斎藤耕一
脚本:石森史郎
原作:素九鬼子
製作:上村務
撮影:坂本典隆
美術:芳野尹孝
音楽:よしだたくろう
録音:栗田周十郎
照明:津吹正
編集:浜村義康
助監督:吉田剛
スチール:長谷川宗平


【キャスト】
高橋洋子 - 少女
岸田今日子 - ママ
富山真沙子 - 漁師の若い母親
田中筆子 - 漁師の老婆
新村礼子 - 中年の女遍路
森塚敏 - 痴漢
山本紀彦 - 運転手
谷よしの - 女中
三谷昇 - 乞食遍路
三國連太郎 - 松田国太郎
横山リエ - 政子
中川加奈 - 光子
園田健二 - 吉蔵
砂塚秀夫 - 竜次
高畑喜三 - 村の青年
秋吉久美子 - 加代
大塚国夫 - ママの男
高橋悦史 - 木村大三


配給:松竹

 


 

今日も読んでくださり、ありがとうございますキスマーク

でわ、また・・・アンニョン~(^.^/)))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冥土の季節 冥土の季節
1,188円
Amazon