■小池都知事の太陽光パネル義務化に批判相次ぐ
小池百合子都知事は、全ての新築住宅に太陽光発電設備の設置を義務づけることを発表し、物議を醸し出しています。これは、5月27日の小池都知事の定例会見で、エネルギーの安定供給の対策として太陽光発電の設置義務化を発表している。
都内の住宅事情を考えると、屋根面積が少ない都心では太陽光発電の設置面積が少なさや、マンションなどが隣接する場合の日照時間の問題など、太陽光発電を設置するのに非効率な環境があることが指摘されている。そもそも、小池都知事の都知事選の公約「7つのゼロ」が実現してないことで、「口だけ」とも思われている。
また、太陽光発電の批判には、太陽パネルの生産地の問題がある。多くのシェアを占める中国産の太陽光パネルは「ウイグル人の強制労働の産物」と指摘されており、ジェノサイドの加担者になるべきではないと批判されている。
■危うい日本の電力供給
太陽光発電の設置義務について、小池都知事はエネルギーの安定確保をあげているが、太陽光発電の設置ではエネルギーの安定供給はできない。
今年の3月の地震により火力発電所停止の影響で電力需要が逼迫し、日本のエネルギーの供給が不安定であることを露呈した。国からは今夏、今冬の電力供給について厳しい見通しが発表され、大企業の電力供給使用制限が検討されている。このような対応に、そもそも安全を確認できている原子力発電を行えばエネルギーが安定供給できる環境にあり、その稼働をせずに電力の使用制限ということで国民に犠牲を強いるのは、エネルギー政策の失敗である。
■久喜市議会にみる再生エネルギ−100%実現への危険性
政治の世界では、エネルギーの安定供給やコストを度外視してでも、太陽光パネルを含め再生可能エネルギーを進めようとする勢力がいる。久喜市議会では、市が過去に設置した太陽光パネルについて、発電収入が税金投入コストを下回ることが明らかになり、採算を考えての税金投入であるべきと意見が出た。市は過去に太陽光パネルを設置することでCO2対策に取り組んでいるということで、私は一定の理解をするが太陽光パネルの増加により近年は採算を考えるべきである。しかし、採算を度外視してでも太陽光パネルを進めるべきという議員もいる。この議員は原発反対を掲げエネルギーの安定供給には関心がないことが明らかになっている。また、太陽光の生産地であるウイグルの人権問題に対し中国政府へ非難する意見書では、反対の立場をとっている。
4月の市議会議員選挙では、再生可能エネルギー100%を掲げ当選していることを考えると、イデオロギーのためにエネルギーの安定供給を考えずに再生エネルギーの推進しているので注意が必要です。
菅首相がカーボインニュートラルを宣言し、久喜市はカーボンゼロを宣言した。社会として、脱炭素社会を目指していくが、そもそも電力安定供給なくして、私たちの今の生活が成り立っていかない。脱炭素で大きく傾いたエネルギー政策を、根本的なエネルギーの安全保障という観点から見直すことが急がれる。