先日のモーニングセミナーでは、株式会社NAVIの金子祐子様より、大変示唆に富むご講話をいただきました。テーマの一つとして語られたのが、メラビアンの法則に基づく「伝わり方」の本質です。
多くの経営者は、社員に対して「主体的に動いてほしい」「自発的に考えて行動してほしい」と願っています。しかし現場では、指示を出しても「はい」と返事はするものの、思うような行動につながらないという悩みを抱えているのが実情です。
その原因の一つとして挙げられたのが、コミュニケーションのあり方でした。メラビアンの法則によると、人は相手の感情や態度を判断する際、言語情報よりも、表情や態度、声のトーンといった非言語の情報から大きな影響を受けます。つまり、どれだけ正しいことを伝えていても、怒った表情や強い口調で話してしまえば、その内容は相手に届かず、むしろ心を閉ざしてしまうというのです。
実際に、社長が厳しい表情で指示を出すと、社員は反発するのではなく、一見すると素直に「はい」と答えます。しかしその「はい」は、納得している返事ではなく、場の空気に合わせた表面的な反応であり、心からの行動にはつながりません。結果として、経営者は「なぜ言った通りにやらないのか」と感じ、さらに強い言葉で指示を出すという悪循環が生まれてしまいます。
金子社長は、この状況を変えるためには、まず経営者自身の関わり方を見直すことが重要であるとお話しされました。人は誰しも「認められたい」「肯定されたい」という思いを持っています。だからこそ、相手の話をしっかりと聞き、まず受け止める姿勢が、信頼関係の土台となります。
また、心理的に安心して話ができる環境、いわゆる「心理的安全性」のある職場こそが、社員の自発性を引き出す鍵であるとも教えていただきました。上司が表情を和らげ、声のトーンを意識し、相手に寄り添う姿勢を持つことで、社員は安心し、自ら考え行動するようになります。
今回の講話を通じて、コミュニケーションとは単なる言葉のやり取りではなく、表情や態度を含めた“あり方”そのものであると改めて気づかされました。社員を変えようとする前に、まずは自分自身の関わり方を見つめ直すこと。その積み重ねが、信頼に満ちた職場づくりにつながるのだと強く感じた学びの時間となりました。

