こんにちは。
今日は前回の続き・・・
先日、高校生の前でご自身の体験をお話しくださった当事者の方に、高校生から
「精神科の入院っていくらかかるんですか?」
と質問がありました。
「けっこうかかりました・・・」
と率直なご返答を頂いたのですが、後日・・・
- 家の経済状況ことを考えてのことですよね・・・
- 家にお金があるのかって、やっぱり心配・・・
- 親に言わずに精神科にかかりたいっていう声も時々ききます
などの話をききました。
医療にかかるお金のことをご案内したら検討や選択の役に立つかも・・・と思い、
今回は、頂いた質問に改めてお答えすべく
精神科の入院はいくらかかるのかについてご紹介します。
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まず、押さえておきたいのは、東京都の場合18歳までは医療にかかる費用は助成されるマル青(2024年5月現在)
東京都以外の方も、お住いの自治体の状況を確認なさいます事をおすすめします。
通院は1回200円以上支払うことはないです。
入院時は医療費はかかりません。
食事代・特別な個室を借りた時の差額ベット代・文書料などのみお支払いします。
これはお住いの役所で手続きをしておく必要があります。
多くの場合、保護者の方がすでに手続きなさっていると思いますが、
心配でしたら保護者にきいてみるか、
お住いの役所で「子どもの医療費助成(マル青)について」と
聞いてみるといいかもしれません。
もう1点は生活保護世帯は、医療費を自己負担することはないです。
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そういった制度もありつつ、さっそく、3か所の病院に電話し、
入院費用のことを質問したところ、
なんと1か所以外は「人によりますので・・・」と教えていただけない。
手を変え品を変えて質問を重ね、結構しつこく食い下がったのですが、
「高額療養費の限度額が上限となります・・・それ以上のことは入院時に直接ご相談ください」
以上のことは伺えませんでした。
(価格のわからないものを買う気になれないのですが・・・と凡人は思います)
とはいえ、高額療養費制度はありがたい制度でもあります。
これは、個人の医療費負担が大きくなりすぎないように、
収入や年齢に応じて1か月の医療費の支払いに上限が設定され、
それに達すると「それ以上は支払わなくてもいいよ」という仕組みです。
後日、上限を超えた分が戻ってくるか、
事前に申請をしておけば上限以上は支払わなくてもよくなります。
これも、食事代・差額ベット代・文書代などは自己負担になります。
月の上限額は収入や状況によってちがうので、2万5千円程度~25万円強までさまざまです。
高校生だと家の収入を把握するのは難しいかもしれませんね・・・。
参考:高額療養費制度とは?いくら戻る?対象や手続き・計算方法を解説(りたりこワークス お役立ち仕事コラムより)
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入院医療費について教えてくださった1か所の病院のからの情報と、
ググって調べた情報を足して、相場感を以下に記します。
①入院・医療費:3割負担の場合15~30万/月(←ここに高額療養費の上限額が定められるので実質2万5千円程度~25万円強)
②食事代:9000円~4万4100円/月(1食100円~490円。これも家の収入等によって違う)
(③差額ベット代:0~うん万円/日まで幅広すぎる)
(④文書料:数千円~数万円/通 文書の種類・内容にもよるし、病院によっても価格が違う)
おおざっぱにまとめると、
国の健康保険に加入していて、
高額療養費制度を使って、
差額ベットは使わず、
文書ももらわなかった場合・・・
精神科に1か月入院したとしたら、
3万5千円~30万強くらいかかる。
いくらかかるかは家の収入の状況による
です。
結局すっきりしなくてごめんなさい!!
他、病院によっては、入院の時に預り金のような名目で
10万円前後の入金が必要な場合もあるそうです。
退院時のお会計で清算されます。
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話しは変わりますが、時々伺うのが「実は無保険なんです」というお話。
国の健康保険に入っていないため、医療にかかる時は100%のお支払いが必要になります。
そうなると、単純計算で1か月の入院で45~100万+食費等がかかることになります。
ちなみに「無保険なので・・・」のお言葉の後に続くのは、
多くの場合「なので医者にはかかれないんです・・・」というお話。
無保険でなくても、やはり医療費が大きく感じる状況にあったり、
実際に支払いが難しいこともあるかもしれません。
そんな時は無料低額診療事業もご検討ください。
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今回は以上ですが、精神科の入院に関して、すきっとした数字が示せなくてふがいないです。
改めて考えたのは、どうにか安全な大人に話してみてほしいな・・・ということ。
身近な大人(家族・親戚・先生・スクールカウンセラーなどなど)でもいいし、
相談を受け付けている専門の電話やSNSなどもあります。
市区町村の役所も相談先になりえます。
高校生の場合「子ども」「家庭」などとついている窓口に行くとよいかもしれません。
役所の受付で、相談したいことを話すと、担当の窓口を教えてくれたりもします。
区報・市報などに、自治体が行っている相談先の情報が掲載されていることも多いです。
話しやすい相手に、話しやすい方法で話してみてほしいです。
子どもがそうだんできる電話や場所の情報(子ども情報ステーションbyぷるすあるは)
相談のコツは、「がんばってなんとか3回は相談してみる!」だと思っています。
この人なら・・・と思って話した相手がいまいちな相性だったり、
役所に行ってみたがうまくやり取りが進まなかったり・・・ということはままあります。
「話にならんな・・・」と思っても、相手を変えて3回は話してみてください。
また、お役に立ちそうな情報に出会えたら随時ご紹介します。
【おまけ】
- 民間の医療保険(〇治〇田生命とか〇本生命みたいなところの医療保険)に加入している場合、精神科の入院も保険料支払いの対象になる場合もあります。(精神科の入院が長引いちゃって、民間の医療保険からちょっとした宝くじ位の額が戻ってきた・・・と話しておられた方もいました。)
- 精神科の外来にはじめて行く時は、5000円くらい持っていけば安心かと思います
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すっかり長くなっていますが、以下に参考になりそうな情報をのせます。
【わかりやすくまとまっているサイト】
精神疾患、精神障がいの方が使える経済的支援・サービス 「子ども情報ステーション by ぷるすあるは」
【今回読んでみた本2冊】
ではまた~。