こんにちは。
冬の間に、高校の保健体育の授業の中で精神疾患のお話をする機会を頂きまして、はせ参じてきました。
近隣の精神福祉や医療の現場で活躍している仲間と、準備に準備を重ねて伺いました。
（一生懸命きいてくださってありがとうございました～。）
背景としては、2022年から学習指導要領が改訂され、
40年ぶりに高校の保健体育の授業で精神疾患について取り扱うようになったことがあります。
40年ぶりってびっくり！！そういえば、私も学校で習った記憶はない・・・。
実際に精神疾患を持つ方から
「早いうちに病気のことを知っておきたかった、そうしたら実際に発症したときにこんなに混乱しなかったかもしれない・・・」
というお言葉を聞いたこともあります。
精神疾患の発症の時は、病気のもつ大きなパワーに圧倒されてしまう・・・という話もよく聞きます。自分のみならず、周りも圧倒されてしまうことが多く、サポートがうまく機能しなかったりすることも多いようです。
精神疾患の好発年齢は、ちょうど高校生くらいの年代から20代前半。
精神疾患についてちょっと耳にしたことがあるだけで、治療につながりやすくなるし、
「自分はおかしいんじゃないか」という思いの中、孤立して苦しむことを減らせるのでは・・・と考えています。
今回の授業の内容は
・事前に高校生にお願いした、精神疾患についてのアンケート結果のご紹介
・精神疾患に関するアニメ
・精神科医より精神疾患についての講義
・保健所や市役所からの相談窓口のご紹介
・精神疾患を実際に経験した方の体験談
・感想のシェアや質問コーナー
と、もりだくさん。
ついついみんなの思いがあふれてしまいました。
ルンアルンが担当したのは
「精神疾患を実際に経験した方の体験談」
で、元ルンアルンユーザーがお話しくださいました。
今回は、ご許可を頂いた上で、ご登壇くださった方のお話を一部ご紹介したいと思います。
（池田がインタビューする形で進めております。）
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池）自己紹介をお願いします
フルタイムの障害者雇用で働いています。
夫と二人暮らしです。夫も私と同じように精神疾患を持っています。
池）しんどくなってきた時はどんな感じでしたか
きっかけとなる出来事があったのですが、すみませんそのことはお話できません。
眠れなくなる、同じことを何度もぐるぐる考えてしまうといった症状が出ました
池）しんどくなってきた時に、ご自身でしたことはどんなことですか
当初は相談できることではなく、病状が悪化してしまい、通院と服薬をはじめました
池）誰かがしてくれたことはありますか
医師が入院を勧めてくれました
池）実際に助けになったサポートはどんなことですか
病状がだいぶ落ち着いてからですが、カウンセラーが相談に乗ってくれました
池）反対に助けにならなかったサポートはありますか
父が過干渉でつらかったです。
当時は実家に住んでいたのですが、ずっと私の様子を観察してきました。
頓服を飲んだら何分後に効くか、様子をずっと聞いてくるなど・・・
池）しんどい時期の自分に、今の自分が声をかけるとするなら、どんな言葉をかけますか
日頃から気分転換をして、ストレスをためないようにすること、
自分の足でしっかり立てるようにすること、
たいていのことは何とかなるから、思いつめないようにすること
・・・他、高校生のみなさんから事前に頂いた質問にもお答えいただきました・・・・
Q）仕事や生活と病気はどうやって付き合っていくべきか
私は障害者雇用で事務の仕事をしています。
職場に障害を明かして働くのは一つの手段だと思います。
職場にはサポーターという、相談を専門に受けてくれる人がいます。毎朝5段階で体調確認をしてくれて、体調が悪いときは時間休暇を取ったり、軽作業をはさんだりしてもらえます
Q）どのように治していくのか
しっかり服薬して、休息を取ることが大切だと思います
Q）自分がなってしまった時、私は自分で抱え込んでしまうと思うんですが、どうやって相談できる勇気みたいのがでますか
相談はとても迷うと思いますが、
家族や友人以外の専門の相談窓口に思い切って相談してみるのもいいかもしれません。
利害関係があまりないと思いますし、秘密は守ってもらえると思います
Q）病んだ時の気の紛らわし方
具合が悪くなると頓服を飲んで横になることが多いです。
好きな音楽を聴いたり、好きなものを食べたり、
皆さんがするような気晴らしの方法も有効だと思います
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具体的なお話に、高校生の皆さんも熱心に耳を傾けておられました。
その後の質問コーナーの時間に、興味深い質問がありました。それは
「精神科の入院て、お金いくら位かかるんですか？」
まじ、それな・・・。
日本の医療制度は素晴らしい！
でもやっぱり、高校生がぽんと支出できる額なのか・・・？というとそんなことはなく、
「親に心配かけたくない、迷惑かけたくない」と思う方や、
そもそも思春期真っただ中の年齢で、親にお金がかかりそうなことを相談するというのが
ハードルをあげてしまうかもしれない。
まして、経済状況も家によってさまざま・・・。
情報があれば、選択肢を検討するうえで助けになるかも・・・と思いました。
次回はそのあたり、精神科にまつわるお金のお話をご紹介したいと思います。
【おまけ】
今回使用した”精神疾患に関するアニメ”はこちらです。
他の疾患もありますし、他の言語バージョンもあります。
