元永遠の少女 | ラピスのブログ 自分専用ブログ

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久し振りに元永遠の少女さんに会った。

途中でバスに乗って来たのだ。

永遠の少女さんと言うのはわたしが勝手につけたあだ名だ。

まだ介護離職する前に通勤の時に同じバスに乗っていた人がいた。

かれこれ20年以上前の話だ。

不思議な雰囲気の人だった。

長い髪をいつも2本の三つ編みにしている。

その当時この髪型は珍しかった。

なんだか昔の人のようだけど、顔は少女なのだ。

推定年齢18歳くらいに見えた。

でもその人の知り合いと思われる人は50歳代くらいで「〇〇ちゃんはいつまでも若いね〜」と言っていた。

声をかけているのは知り合いのおばさんで、永遠の少女さんは実は30歳くらいなのか?

そう思っていたら、ある時期から急に彼女の時間が動き出した。

バッサリ髪を切って顔も変わっていた。

同じ人とは思えなかった。

もしかして私より相当年上なのでは?と思ったが、私が介護離職したのでバスに乗らなくなり滅多に会わなくなった。

たまーに見かけると更に誰だか判らないくらいに時が進んでいた。


そして昨日もかなり久し振りにバスに乗って来られたのだが、70歳くらいに見えた。

向こうも私に見覚えがあるのか、軽く会釈された。

嬉しくなって私も会釈した。

降りる時にもお互い軽く会釈して別れた。

向こうも私のことをチェックしていたのだろうか?

最初に見かけてから20年以上経っているので、私もかなり変わっているだろうけれど、面影があるのだろうか。


当時は会社で仕事をするのが嫌でたまらなかった。

毎日辞めたいと思っていたが、寿でもなく転職する技量もなくズルズルと次のボーナスまで続けていた。

しかし年齢が上がると昇級試験などがあり、理数系が苦手な私には苦痛でしかなかった。

当時は殆どの女子社員はある年齢になると寿退社をする。

結婚後も仕事を続けている人は稀だった。

女性の独身者は根性がある人だけが残るが、能力がない人は弾かれる。

あの手この手で自主退職するように会社から仕組まれる。

なのでそれに負けて逃げる人も多い。

私もその中のひとりだ。

まあ、介護離職という理由があったからなんとかカタチにはなったけど、挨拶に回った時に気の毒そうな顔をされた。

大抵はおめでとうと言うそうだが、なんと言えばいいのか分からないと言われた。

辞める時には清々したのだけど、辞めてからも変わらずキツかった。

人生そんなに甘くない。


会社に行くのは息苦しくてたまらない日々だったが、永遠の少女さんとを見かけるのはちょっとした楽しみだった。

なんとなく心の同志みたいな気がしていた。

彼女はその頃が最後の少女としていられる時間だったのかもしれない。

周りの環境が変われば自分も変わらざるを得ない。

私もこの20年で大きく変わった。

介護していた両親はいなくなったし、大きな地震にも遭った。

思い切った行動にも出たし、ひとり旅もした。

それまでの人生よりもこの20年のほうが色々なことがあった気がする。

喩えるなら自分自身を剥き出しにさせられたようなそんな感じだ。

逃げられなかっただけなのだけどね。

それまでは現実から逃げて逃げて逃げていた。

本気で逃げられると信じていたのだけど、とうとう捕まってしまった。

でもいつかはそうなると解っていたので抵抗はしなかった。

介護だけは逃げずに終了できたので、それだけは自分を褒められる。


永遠の少女さんの人生はどうなのだろう。