Little Friends -618ページ目

「北斗星」の旅路~上野駅にて⑥

(続き)荷物を置き、シーツや毛布などの寝具を片付け、通路側の荷棚にのせた。

いくらなんでも、まだ寝るには早い。背もたれを引き出して、荷棚にある大きな肘掛けを置くと、立派なソファになる。

さっそく、総理大臣のように肘をつき、ふんぞりかえる。

ちなみに、この下にエクストラベッドが収納されており、2人で使用する時にはダブルベッドになる。

定刻19時03分。ドアが閉まり、「北斗星」は、北に向けてゆっくりと動きだした。

余談だが、食堂車を連結している列車が始発駅を発車する時、とは言っても、今では上野、大阪、札幌しかないが、食堂車のスタッフが客席に整列し、ホームに向かって深々と頭を下げるの知っているだろうか?

かつては、新幹線にも在来線にも数多く食堂車が連結されていたが、その頃から続く伝統だ。

僕は迂闊にも全く知らなかったが、札幌駅で目撃して驚き、後日「北斗星」の食堂車のスタッフに聞いたところ、そのように教わった。

よくよく考えてみれば、ホームにいる客は、絶対に食堂車の利用客ではないのだから、頭を下げる必要はないと思うのだが、そういう屁理屈ぬきに、何か荘厳な感じがして感動したのを覚えている。(続く)

「北斗星」の旅路~上野駅にて⑤

(続き)「カシオペア」の場合はラウンジカーの床下だからまだいいが、「はやぶさ」や「北陸」など一部の寝台列車には、B寝台車の床下に発電機があってけっこううるさい。

「スハネフ」という車両形式だったら、発電機つきだから要注意だ。

ドアが開き、大きな荷物を持った乗客たちが、青い車体に吸い込まれてゆく。轟音を発する電源車の前で、ポーズを決めて記念撮影をしている人も。

チケットに指定された号車番号と個室の番号を確認し、自分の個室へ向かう。

「北斗星」には、1人用のA個室「ロイヤル」が9号車と10号車に各2部屋づつある。

9号車は1人用B個室「ソロ」、10号車は2人用「デュエット」と同居しており、僕は10号車だった。

部屋のドアを開けると、コンパクトながら、機能的かつ快適そうな居室が僕を待っていた。

ここが、今宵の僕の宿だ。(続く)

「北斗星」の旅路~上野駅にて④


(続き)客車は走行用のモーターやエンジンを積んでおらず、自走することができない。

そのぶん静かで、夜行列車には適している。だが、入線してきた「北斗星」の先頭車両からは、けたたましいエンジン音が響いてくる。

これは、ディーゼル発電機を積んだ電源車。

「北斗星」のような客車列車は、機関車から給電を受けるか、自分で発電するしかないが、現在のJRの客車は全て発電方式。

「北斗星」のように電源車を連結するか、「カシオペア」のように客車の床下に発電機を搭載している。(続く)