Little Friends -617ページ目

「北斗星」の旅路~個室A寝台「ロイヤル」にて③

(続き)タダ酒だし、僕は人並み以上に意地汚いから、さっそく乾杯したいところだが、このあと食堂車での夕食がひかえている。

「北斗星」は、最初の停車駅大宮へ。

この区間は、東北線と高崎線が同じ線路を走り、ましてや夜の帰宅時間で前に列車がいるためか、「北斗星」もゆったりした足取りで進んでゆく。

これから1200㌔もの道のりを行くのだから、最初から飛ばすこともない。

だが、隣の線路を走る京浜東北線の電車は、各駅に停まりながらも、我が「北斗星」に敢然と勝負を挑んでくる。

駅を発車すると、猛然と速度を上げて「北斗星」を追い抜き、やがて次の駅に停まるために減速すると、こちらが追い抜く。

我が「北斗星」は、そんな猟犬のごとき京浜東北線など顧みず、軽やかに我が道をゆく。まるで王者の貫禄のようだ。

京浜東北線の車内から、僕の乗る「ロイヤル」へ羨望の視線が注がれると、えも言われぬ優越感を覚える。

なぜなら、僕も普段もあちら側の人間だからだ。

しかし、元気な高校生のねーちゃんたちが、こっちを指差して笑っていたりすると一気に恥ずかしくなる。

上野から25分で、帰宅客でごった返す大宮のホームにすべりこむ。(続く)

「北斗星」の旅路~個室A寝台「ロイヤル」にて②

(続き)現行では1~6号車がJR北海道、7~11号車と電源車がJR東日本の車両を使用している。

車掌に続いて、今度は蝶ネクタイをしめた食堂車の女性スタッフの訪問をうける。

ウェルカムドリンクのサービスだ。

缶入りのミネラルウォーターと緑茶、氷、ミニボトルのウイスキー、ハーフボトルのワイン。確か、この日はおたるワインの白だった。

この「ミニバーセット」のサービスは、「カシオペア」では「カシオペアスイート」と「カシオペアデラックス」、「北斗星」では「ロイヤル」の乗客だけの特権。もちろん無料。

「北斗星」のヘッドマーク(↓)入りコースターは、カードキー同様、記念に持ち帰れる。

この時、翌朝の新聞とモーニングコーヒーサービスの時間を聞かれる。これも「ロイヤル」だけの特権、もちろん無料だ。

優越感を味わえる瞬間だ。(続く)

「北斗星」の旅路~個室A寝台「ロイヤル」にて①

(続き)天井のスピーカーから車掌の案内放送が流れる。

この案内放送の際に流れるオールドスタイルのチャイムは、今となっては稀少価値の「国鉄客車用チャイム」。


『本日は、JRをご利用いただきまして、誠にありがとうございます。この列車は札幌行の寝台特急「北斗星」です。ただ今、上野駅を定刻に発車いたしました…。』

そのあと、列車の編成や設備、停車駅、到着時間の案内が延々と続く。

ドアがノックされ、車掌がチケットのチェック、そして部屋の鍵をくれる。

「ロイヤル」には、部屋の設備などの詳しい説明書が備えつけてあるが、B個室にはないから、わからないことは検札の時に遠慮なく車掌に聞こう。

「ロイヤル」のルームキーは、紙製のカードキーで、記念に持ち帰れる。

ちなみに、2~5号車はテンキー式、6号車の「ソロ」はキーホルダー、8~10号車はカードキーだと思う。

施錠方式がまちまちなのは、ひとつは車両の投入年次の違い。

「北斗星」人気に応えるため、増発や増備を繰り返したためだ。

もうひとつは車両の所属。以前は東日本と北海道が1往復づつ車両を運行していたが、現在は両社の車両を混結して運転している。(続く)