姿を消した父兄は何処へ?新東宝「地下帝国の死刑室」宇津井健/池内淳子・YouTubeで無料配信中 | 東映バカの部屋

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皆様、こんばんは。
 
 
休む二日目の夜中です。昨日は暑かった為昼から冷房の効いた部屋でビールを飲みゴロゴロしながら過ごしましたが、天気が下り坂の為、日中より気温は低いものの余り涼しさを感じません。この記事を更新後再び飲酒をして明日の昼頃迄就寝する予定です。
 
 
さて本日は此方の作品を…ソフト化状況は不明、有料動画配信は行われていませんが、YouTube内「新東宝【公式】チャンネル」内に於いて7/12(金)12:59迄無償動画配信されています(二週間の無料配信となっていますが三週間?間違えたのかなぁ…)。
 
 
「地下帝国の死刑室」昭和35年2月14日公開・棋本捨三原作・葉山浩二/志原弘の共同脚本・並木鏡太郎監督・新東宝制作。
 
 

 

 

 

羽田空港着の旅客機から忽然と姿を消した科学者とその息子…直後に発見された死体を父であると証言した娘の池内淳子に対し疑問を抱いた公安刑事の宇津井健が池内さんを問い正すと何者かに脅さされていた事が解った上に、事件解決への協力を懇願した池内さんを重要容疑者の隣室に住まわせて証拠や確証を得ようとします。しかし、当該便の客室乗務員や容疑者と関係が深いと思われていた女性が殺害されたりと中々尻尾が掴めない。そんな中、姿を隠していた息子が池内さんの前に姿を現し…

 

 

俺が所持している新東宝作品を取り上げた書籍に、生前の並木監督と対談をされた方の手記が掲載されているのですが「長年の経験を経てようやく解りかけてきた事、それは映画出最も大切なのは構成であると云う事。夫々のカットが響いていなければいけないし響くものがあるからそのカットが生きる、人間の感じる本物の真実があれば喜劇だろうとお化け映画でも後世に残る、構成があり様々な場面が集まって一つの感情が生まれるのが映画、等々…」と、極々単純ながらも奥の深い頷く以外に無い発言をされています。特にこの作品は並木監督が手掛けられた最末期の作品の一つですので集大成と言ってもいいでしょう、期待感が途切れぬ上にテンポや多数の小技も良く手に汗を握らせる娯楽映画の基本をしっかりと抑えていますし、最後の最後に明かされる複数の真実や事件解決だけでは無い締めの幸福感も心地いい…しかも、冷戦時代には実際この様な事実(又は危険性)が有ったのだろうと思わせる真実味を抱かせる辺りも美点です。