各々の岐路を描いたかの様な感・東映洋画部配給「風、スローダウン」島田紳助脚本/監督 | 東映バカの部屋

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皆様、こんにちは。
 
 
休み二日目です。昨日は所用もあり夕方迄就寝出来ず、早めの夕飯と飲酒を済ませるとそのまま朝迄目覚めぬままでした。しかも今季初の真夏日となり初の冷房使用…今日は幾分楽ですが、それでも昼過ぎからの数時間は相当に気温が上がりそうです。
 
 
そして本日はYouTubeにあった作品を(本日時点ではまだ鑑賞出来ました)。VHS/DVD化作品で有料動画配信は行われていません。
 
 
「風、スローダウン」平成3年11月23日公開・井筒和幸監修・島田紳助脚本/監督兼任・吉本興業/テレビ大阪/日映エージェンシー/ディレクターズカンパニーの共同制作・東映洋画部配給。
 
 

 

 

現場作業員のアルバイトで生計を立てながら二輪競技の選手を目指す石田靖(所属するバイクチームの監督は入川保則・その婦人は島田陽子)・家業を継ぐ事が約束されている社長御曹司の西川忠志(実父は西方英二)・男になりたいと暴力団の準構成員となった長原成樹(組長は佐川満男・幹部は上岡龍太郎・直接の兄貴分は桑名正博・刺青師は奥田瑛二)は中学校時代の同級生で時々酒を酌み交わしていましたが(常連客となっている居酒屋の店主は西川きよし・参議院議員時代の出演)ハイヒール・モモコ等々の複数の女性軍との酒席で出逢った東京言葉の五十嵐いすみに石田さん・西川さんは惚れ込みます。後に石田さんは五十嵐さんと交際に発展しそれを面白く思わぬ西川さん・交際に首を突っ込むお邪魔虫ながらも見守る成原さんの構図が出来上がるのですが、その五十嵐さんも母一人(田村奈美)・娘一人の経済的にも決して恵まれぬ環境で育った為に裕福な親類の男性(加瀬大周)との婚姻を薦められたのが嫌で単身大阪に出て歯科助手として生計を立てている身だったのです。このまま結婚迄順調に行くかと思われた矢先、田村さんが脳溢血で倒れ五十嵐さんは帰郷し、時を同じくして石田さん・西川さん・長原さんにも岐路というべき時が迫り…

 

 

 
 
青春映画ではあっても爽やかさやケツの青さ等々を良しとする健全性至上主義の作品とは全く違う、現実の若年期に準じた内容が美点!しかも入川さんを始めとする人生の艱難辛苦を知った者達が押し付けたり諭す様にクドクドと説得せずに自ら気付かせようと行動したり言葉を発する辺りは、観る側に自ら考えさせる様な行動やそれを素直かつ敏感に受け止める感性を一生持ち続け磨き続けるのが人間である事を教えてくれます。同時に「実現が難しい希望や放蕩三昧の現実は思い切って捨てなければならない、しかし自らの限界迄完全燃焼させなければ必ず引き摺り何れ元に戻ってしまう事もあるのだ」「異性は強い意志や心に惹かれる。それは例え実を結ばなくても感謝として現れ一生の宝物となる事実」も…若年層は勿論の事、職場等々での若年層との心の通い合いに頭を悩ませている俺を含めた中高年層にも何かを気付かせてくれる作品かと思います。そして、紳助さんと昵懇の円広志やチャンバラトリオの結城哲也、岸本加世子に浜村淳、中田ボタンを始めとする吉本興業の面々等々顔出し程度の役柄でも豪華な面々が顔を揃えている楽しさを兼ね備えていますし、紳助さんの人生経験も恐らく相当に生かされた内容ではないのかなぁと感じましたし、向日葵が大きな役割を果たしています。