定職にも就かず可西健司と組んで横須賀周辺で美人局に勤しむ畑中葉子は或る日盗んだ車でドライブ中に事故を起こした際、社内に有った人形を持ち出したのですが、以降ヤクザ組織に負われる身となった上に得体の知れぬ男・片桐竜次が畑中さんと昵懇の不良グループに加入します。何故ならその車はヤクザと関係を持つ市会議員の自家用車であった為、そして片桐さんは扇ひろ子を上司に持つ潜入麻薬取締官であったのです。相棒の死や麻薬取引の確約等々を経て、果たしてどんな結果を迎えるのか?
「モア・セクシー…」は、初めて女性及び文芸思考の方々の足を運ばせたロマンポルノ作品として名を馳せた、評論家・識者評価も高い高橋恵子主演「ラブレター」の併映作品(江森陽弘原作・田中陽造脚本・東陽一監督・共演は加賀まりこ・仲谷昇・中村嘉葎雄等々。DVD化作品でU-NEXT(見放題対象作品)/Amazonプライムビデオ等々で有料動画配信が行われています)。高橋恵子は綺麗ですし踊る姿喪服姿の美しさも見所ですが、娯楽性は今一つ(余談ですが、生前川島なお美はこの「ラブレター」を評価する一方で「モア・セクシー…」は途中で館を出たとか。ウィキペディア「ラブレター」より)。
寧ろ「楽しさや手に汗を握らせる娯楽性」は「モア・セクシー…」の方が上ですし、識者評論や映画専門誌等々を殆ど目にする事は無いであろうポルノ及びピンク映画好き、任侠及びヤクザ映画、アクション映画、大馬鹿映画好き等々は「ラブレター」より此方を評価する可能性が高いかと思います、因みに俺も此方の方が遙かに好きですしお薦めです。人生の転機を見付けたと言わんばかりに命知らずの勝負に出たものの結果としては弔い合戦となる「度胸と浅はかさが紙一重」の溝鼠の生態…しかしタダではめげない力強さと仲間思いの人間味が加味され愛すべき馬鹿者達として記憶に残りますし、一般映画時代に日活の女侠路線を支えた一人である扇さんと東映ピラニア軍団の片桐さんが物語をしっかりと支えているのがいい!畑中さんが過去の全てを振り切ったかの様な最後も中々でした。