娯楽には遊び心が大事であると教えてくれる・日活「怪談昇り竜」梶芽衣子/ホキ徳田・石井輝男監督 | 東映バカの部屋

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皆様、こんばんは。
 
 
休み二日目の夜中です。昨日は何処にも外出はしなかったものの電話とパソコンを駆使して買い換え予定である冬用タイヤの価格を調べ、結果として現在の自家用車を購入した店に予約をしました(但し現在の冬タイヤを履き潰す関係上入替及び支払は10月以降)。他にも安価な店舗もありましたが、数千円の差であればこれまでの付き合いと信頼関係を優先して…銘柄は国産であれば何処でもいいとし、恐らくグッドイヤー(=住友ゴム。因みにダンロップも住友製の為性能は同等)か東洋ゴムとの回答でした。しかしブリヂストンと横浜ゴムはグッドイヤー等々の3割から7割程度高額で、往復50キロ/日を走る俺にとっては二の足を踏んでしまう…交換が早いと金額も大きな問題となってしまいます。
 
 
さて本日は此方の作品を…DVD化作品でAmazonプライムビデオ(Amazonプライム会員対象及びNECOプラス対象作品)/U-NEXT(見放題対象作品)内に於いて有料動画配信が行われています。
 
 
「怪談昇り竜」昭和45年6月20日公開・石井輝男/曽根義忠の共同脚本・石井輝男監督・日活制作・ダイニチ映配配給。
 
 

 

 

渡世の義理で敵対組織の組長の命を狙いながらも、割って入った組長の愛娘・ホキ徳田を失明させてしまった梶芽衣子…服役中は徳田さんの目から吹き出た血を舐めた飼い猫が夢に出て来て魘される毎日だった上に出所後組織に戻っても呪われているとしか言えぬ様々な怪奇現象に悩まされる日々。しかも時を同じくしてこの地に流れて来た盲目の女手裏剣投げの名手は徳田さんであり、梶さんの縄張を狙う敵対関係の安部徹は(因みに梶さんの組織の幹部である大辻伺郎とも繋がっています)徳田さんを手懐けようと考えていた所自ら草鞋を脱ぎ…

 

 

 
 
結論から言えば、既存の物語に枝葉を付けて遊び心で仕上げた様な作品であり、整合性やタッチ等々を嫌う石井センセイが「娯楽映像作品には遊び心が大切・これも一つの表現方法」と主張をしているかの様。新東宝時代に自らが監督を務めた「女王蜂と大学の竜」を物語全体の下地としながらも(この硬質さを受け持つのが梶さんを始めとする主要役者の面々)一時期大流行りした化け猫映画の要素を付け加え、赤い褌一丁の内田良平や暗黒舞踊の土方巽を多用して思い切り遊んでみせたりもする…しかし物語が破綻したり遊び過ぎる様な事は全く無く「あれは滅法面白かった!」と満足させる(人に薦めて貰える)内容にきっちり収めているのが美点!話は少々脱線しますが、ダイニチ映配として大映・日活が手を組みながらも片や破産(後に別会社として復活)・片や路線転換で存続(但し平成期に更生法適用で再建)したのは「永田体制を捨て切れなかった大映・堀路線を捨て観客路線に梶を切った日活」この一言に尽きるのではないかと、その一片が当作から見えた様にも感じました。