長崎での遺恨は京都で返す、しかも相手は…大映京都「泥棒番付」勝新太郎・池広一夫監督 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。
 
 
昨日の20時に勤務を終え、月曜日20時の勤務開始時迄の休みです。新年度に入って以降「昼勤は時間通りに退勤・夜勤は修羅場で残業」となっており、来週から二週間は俺にそのお鉢が廻って来ますが金になると思えば身体は自由自在に動くモノです。しかも動けば適度に身体が温まる上に熟し易い、一年に二度ある最も仕事が捗る季節です。この状況に備え週末はゆっくり身体を休めます。
 
 
さて本日は簡単に此方の作品を…DVD化作品でAmazonプライムビデオ内(シネマコレクション by KADOKAWA対象作品)に於いて有料動画配信が行われています。尚、原作となった作品は未読かつ鑑賞後暫く時間が経過している為記憶が朧気ですがご容赦を…但し物凄く面白かったと記憶をしています。
 
 
「泥棒番付」昭和41年2月26日公開・司馬遼太郎原作・伊藤大輔脚本・池広一夫監督・大映京都制作。
 
 

 

 

幕末の大阪で様々な騒動を横目に盗みの稼業を続けていた自称「日本一の大泥棒」勝新太郎は池田屋事件直後に残党狩りに引っ掛かりながらも世間で鬼与力と言われていた内田朝雄の判断により放免され、内田さんから預けられた元・コソ泥を頼り京都に向かいうどん屋を生業とします。しかも、新選組の近藤勇に度胸を買われ屯所前で屋台を開く事も認められるのです。実はこれ、幕府側の人間ながらも勤皇の志を持つ内田さんが新選組の動きを察する為に考え出した方法に勝新が載せられたモノ(因みにコソ泥は実は長州藩士)。しかしこれは勝新にとっては「渡りに舟」で、長崎で泥棒稼業をしていた際「指が無い」との理由のみでオランダ倉庫破りの下手人に祭り上げられていた上に、本当の下手人は新選組の一員かつ内田さんを襲撃し生死の境に立たされていると知り…

 
 

 
 
題目から鑑賞前は「泥棒の腕を競う作品か?でも司馬先生の原作・大輔監督の脚本・池広監督の演出・勝新の主演だと全くの創造外かも…」と、そして結果は後者で俺は大満足!目的完遂をしただけではなく自称を本物とする為に、そして欺瞞に溢れ市井を見ない幕府側・討幕側への非難を込めて金を散蒔く結末は清々しいですし公開当時の世の中に対する鬱憤をも一時的に晴らしてくれている様な趣!勝新主演の作品群は代名詞の「座頭市」そしてシリーズ物では一番好きな「兵隊やくざ」更に「悪名」が在りますが、これ等以上に面白い作品・観るべき作品は案外当作品の様な単発作品に多い様に感じますし(例えば当方の記事で過去に紹介した作品の中では「不知火検校」「にせ刑事」「やくざ絶唱」「とむらい師たち」「海軍横須賀刑務所」「鉄砲安の生涯」等々)自身の代名詞ではないからこそ、自身の企画ではないからこその開放感や当たって砕けろと言わんばかりの考え方が勝新の芝居をより生き生きとさせている様にも思います。