名家の凋落は実母と遺児の盥回の日々へ…新東宝「世界の母」YouTube内で期間限定無料動画配信中 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんばんは。

 

 

休み二日目の夜中です。朝晩の冷え込みが厳しい割に日中は暖かく、暖房を止めてもいい様な陽気となる事も有る程です。しかし時代が変わればこんな事も有るのかと…長年マニュアル車を愛用していた俺からすればCVT車に乗っている現在でも当たり前の運転技法であるエンジンブレーキですが、これを迷惑行為と受け止める輩も居るとは信じられません。東北地方の様に幹線道路に於ける峠越えが多い上に冬場の路面凍結対策も万全にしなければからぬ環境ではこれが出来なければ運転はするなと言われても文句は言えぬのですがねぇ…

 

 

さて本日は「三ツ矢歌子没後20年追悼特別配信」として昨日から3/29(金)12:59迄YouTube内「新東宝【公式】チャンネル」で無料動画配信されている作品です。ソフト化状況は不明、有料動画配信は行われていません。

 

 

「世界の母」昭和33年2月11日公開・館岡謙之介脚本・野村浩将監督・新東宝制作。

 

 

 

 

 

実父・林寛の罪を被って半年の服役後、那須の生家に帰郷した三男の宇津井健が目にしたのは忌中の札と林さんの死…しかも土地家屋は債務の担保となっていた為に実母の小峰千代子と孫(次女の遺児)は長男で公務員の二本柳寛夫妻(女房は雇われママ)が引き取る事となりましたが、生活費は二本柳さん・宇津井さんと次男で会社員の松本朝夫・長女で弁護士夫人の小畠絹子の四人が毎月定額を納める事で話が纏まり、唯一定職を持っていなかった宇津井さんは北海道に渡ります。しかし、様々な家庭事情を抱えていた各家族と小峰さん達は行く先々で問題を引き起こし孫は一時期家出をして浮浪児となってしまう始末に。そして実子達の家族に頼られなくなった為、那須時代に昵懇であった家庭の一人娘・三ツ矢歌子に孫を預ける事を決断し小峰さんは再び東京へ向かったのですが…

 

 

要は「食わせて遣っている・食わせて貰っているではなく、お互いの思い遣りの心が第一でありそれさえ備わっていれば上手く遣っていける事実を教える作品」この様な状況下では血筋よりも向こう三軒両隣感覚の他人の方が案外理解が深かったり親身に助けてくれる場合もあると云うモノで、この位置付けを三ツ矢さんが担っています。そして「長男・次男・長女と比べて親らしいことをして遣れなかったと両親が悔やんでいた筈の宇津井さんが最も親思いである」のは序盤の時点で明確であり「小峰さん達を幸せにするのは最終的に宇津井さんであろう」と期待通りの結末となる気持ち良さ!当作公開の頃は見世物小屋感覚の作品が主流であった新東宝ですが、そんな中でも当作の様な良質の作品も同時進行で制作していたとは意外でした。国際放映運営のこのYouTubeチャンネル、今後も目が離せません!