恩を返すべき相手は何処へ…大映東京「ラーメン大使」フランキー堺/船越英二・島耕二監督 | 東映バカの部屋

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皆様、こんにちは。

 

 

昨日20時に勤務を終え、月曜日20時の勤務開始時迄の休みです。今回は相棒の都合で一週間での交代となっている上に来週は土曜日迄の六日間勤務、更に3/25(月)に俺は有給休暇を取得している為再来週は日中四連勤となります。俺自身は週末の二連休と長期休暇が或る程度確保されていれば会社カレンダー通りの公休で十分なのですが、年に最低五日間の有給休暇取得を行わなければ法律に抵触するとなれば仕方がないです。寧ろ有休残日数35日の内半分でも会社に売却して金に出来るならそうしたい程(以前の職場ではそれが出来ましたので現金化した事がありますが、今は現在の職場も含めこの様な事が出来る組織は皆無の模様)。

 

 

さて本日は此方の作品を…DVD化作品でAmazonプライムビデオ内(シネマコレクション by KADOKAWA対象作品)に於いて有料動画配信が行われています。

 

 

「ラーメン大使」昭和42年2月11日公開・花登筐原作・花登筐/舟橋和郎の共同脚本・島耕二監督・大映東京制作。各映画情報サイトで掲載されている粗筋と完成作品とでは差異が大きいです。

 

 

 

 

大東亜戦争時、亡き母が大日本帝国軍人の厚き人情を受けたお陰で俺が生を受ける事が出来たのだと、その際に授けられた金銭を返す為に横浜港に到着した台湾人のフランキー堺。旅券の期限内に恩人を探さなければならぬ上に便宜を図ってくれた搭乗船の船長の頼み事も熟さなければならぬ堺さんでしたが、親切な交番巡査の船越英二が自らが下宿する中華料理屋で寝泊まりをさせてくれる事になっただけではなく、周囲を明るくさせる雰囲気と人柄に作るラーメンの美味さが切欠で店の女将や常連達も二つ返事で協力を申し出てくれる程の人気者となります。しかし、恩義ある船長からの頼まれ事は違法行為の手助けであった上に店には怪しさが際立つ星ひかるが頻繁に訪れる様になり、更には堺さんが出前に向かった人気タレントの若水ヤエ子の自宅の家政婦である高毬子に一目惚れかつ現状に同情し…

 

 

 

 

基本骨格は質素で「怪しい日本語を話す異国人が巻き起こす珍騒動」もこの時期既に確立されていた喜劇の定番の一つですが、東映任侠映画群を中心に描かれていた「義理と人情・恩返し」をヤクザ中心ではなく堅気中心で(当作品もヤクザは出ますが、楽しさをかさ増しする為の飛び道具としての役割です)過去の遺恨も国境も国家企業クラスと市井の人民クラスでは全くの別物である事を強調したかの様な内容(この当時、我国は台湾を国家承認していた時代です。余談ですが、あの毛沢東は日本人に関して政府関係者及び政治家と人民を完全に切り離して見ていたと読み聞きした記憶があります)。しかも「綺麗ないい物語」等々と押し付ける演出とは無縁の、馬鹿とドジに徹した演出が人間らしさを醸し出し、心の通い合う情景が生み出されたかの様で心地いい!「大福は二個出してもいいがカステラは二個は出さぬモノ!」と二本立て上映には消極的だったと言われる当時の大映社長・永田雅一…しかし時代の流れと社の経営危機には勝てずにこの頃は二本立て興行を打ってはいましたが「形は変えても意志は変えぬ=二本立て興行ならば二本共お客様に満足して貰える質を!」との思いが十二分に伝わって来た作品でもあります。