実際の事件と言うが…新東宝「愛の砂丘」高島忠夫/島崎雪子・木下恵介脚本/青柳信雄監督・無料配信中 | 東映バカの部屋

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皆様、こんばんは。
 
 
勤務開始日の夜中です。昨日は少々暖かくはなったものの積雪は融けるどころか少々増してしまいました。この雪を歓迎しているのは雪不足に悩んでいるスキー場と出動要請回数が極端に少ない除排雪請負業者でしょうね。我々市井は「もう要らん!降らすな!」ですが…そして本日も簡単に、YouTube内「新東宝【公式】チャンネル」内に於いて3/15(金)12:59迄無料動画配信されている作品です。松竹の木下恵介監督が実際の事件を元に書き上げた人生初の他社向けの脚本を、早撮りで名を馳せ晩年には「水戸黄門」「大岡越前」両シリーズを手掛けたテレビドラマ制作会社であるC・A・Lの初代社長に就任した青柳信雄が監督を務めた作品で未ソフト化/未配信化作品です。
 
 
「愛の砂丘」昭和28年3月26日公開・木下恵介監督・青柳信雄監督・新東宝制作。因みに劇中音楽の担当は木下監督の実弟である木下忠司。
 
 
神奈川・藤沢を舞台に外務省勤めの父・三津田健/娘・島崎雪子が住む家の向かいに越した病身の父・滝沢修/会社員の息子・高島忠夫…実は滝沢さんは三津田さんの女房・田村秋子と婚約に至りながらも父親の稼業の失敗による破産で破棄となった過去があり再会を喜ぶ一方で、通勤経路が同じ島崎さん・高島さんは恋仲となり将来を約束するのですが、様々な弊害を乗り越える必要があり…と云う様な内容。
 
 

 

 

 

「実際の事件」との触れ込みにこの題目…三角関係や恋が再熱したのを切欠に殺人事件でも起こる物語かと思いきや、最後迄静かに、理想的に進んで綺麗に終わる内容でした。木下監督の書いた脚本ですから俺の期待の方が間違っていると言われればそれ迄ですし、考えてみれば新東宝はこの時期及び最末期は他社とそう変わらぬ方向性の作品が大勢を占めていましたしね。正直、俺の様な「暴力と妖艶が娯楽の神髄」と考えている者にとっては内容を楽しむと云うより「好きなモノばかりを観過ぎて荒みかけた心を少々元に戻す為に観る作品」とでもなるか(四六時中好きなモノだけ、と云う方は少ないと思います。俺は「たまには好きだった女性アイドル及び昭和期の女優を」人によっては「アニメーション・特撮等々で童心を少々取り戻そう」と考える方も居られるでしょうし)?しかも今回はそうはなりませんでしたが「僅かな切欠が佳作との出逢いとなる場合」もありますから貪る様に鑑賞するのが名画探求には最も単純かつ近道なのでしょうね。因みに東映作品でもお馴染みの清川虹子は導入部・後半も後半に場面が多く存在しますが、水島道太郎は序盤のみ。