竹中労の著書が原作・未婚女性の性行動とその後…日活「処女喪失」川地民夫/和田浩治・井田探監督 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんばんは。
 
 
休み二日目の夜中です。昨日は昼酒を済ました後に就寝しましたが、目覚めたら既に夜となっていた上に寒さが早朝よりも厳しく感じた程。まぁ今回の連休も何処にも外出せずにいい様にしていますのでどんな天候になろうとも心配はありませんが、もう少し暖かくはなって欲しいもの。
 
 
さて本日は、東映と組んで性風俗等々の実地取材作品を制作したり、ある催してハマコーこと浜田幸一と口論となり殴り合い寸前の所で水入りとなったとの逸話もある竹中労の原作を元に制作された作品です。未婚女性の性行動、しかも処女喪失後の状況を克明に描いた作品です。題目はズバリ…
 
 
「処女喪失」昭和40年6月25日公開・竹中労原作・高橋二三脚本・井田探監督・日活制作。未DVD化作品でAmazonプライムビデオ(日活プラス対象作品)に於いて有料動画配信が行われています。尚、過去に有料波(衛星劇場?chNECO?何れかだったかと)での放映実績がありますし、題目はこうでもG指定作品です。
 
 

 

 

或る女性誌で「処女喪失の体験談」を募集し、更に個人面談を行っていた編集部員の一人・川地民夫は手記を送った一人・藤江リカが事故死した事を交際相手で船員の和田浩治から報告を受けたのを切欠に「面談が不可能となった女性達の体験を聞いてこそ意味があるのでは?」と考え、編集長の二本柳寛の許可を得てそれ等の女性を捜し歩くと…

 

 

 

 
 
この当時の女性の性に対する概念は多少変化していたとは云え、現在と比べればまだまだ「婚姻が決まる迄は処女を守る」との固い意志を持っていた女性が非常に多かった…当作品では半数が半ば強引に処女を奪われ、半分は同意を持って行為に臨み、一人は処女性を金銭的価値に変えて男性を弄んでいるのですが、この現実をどう考えるかは己の気持ち次第であり、逃げたり損得勘定に走れば痛いしっぺ返しが、しっかり受け止め人生の転機に於いても例えば素直に打ち明ければ日が差すと教えています。そして同時に男性群に対しては「求めるべきは処女性より人間性」と…非常に大人しい性描写が加えられながらも現在に至る迄G指定作品となっているのは娯楽性や覗き見感覚を保ちつつも興味本位の性を取り上げた作品群とは一線を画しているからでしょう。尚、川地さんは物語を転がす為の役割となっており、実質オムニバス作品と言っても差し支えありません。