人助けを切欠に利権騒動に巻き込まれる流れ者!大映京都「兇状流れドス」松方弘樹/川津祐介 | 東映バカの部屋

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皆様、こんにちは。
 
 
今朝の7時に勤務を終え、月曜日11時の始業時迄の休みです。朝晩は霜が降りる程の寒さながらも日中は比較的過ごし易く積雪もゼロの秋田市内です。このまま雪寄せの必要の無い日々が続いてくれればいいのですが、そう願ってもそうはならないのが北国の冬ですから覚悟はしておかなければなりません。帰宅後済ます事を全て済ませて打ち込みしていますが、簡単に済ませて映画を観ながら飲酒し就寝する予定です、恐らく寝落ち確実でしょうが…
 
 
本日は此方の作品を…DVD化作品でAmazonプライムビデオ内の定額制ch「シネマコレクション by KADOKAWA」内で有料動画配信が行われています当時の東映京都撮影所所長であった岡田茂・東映名誉会長の「お前、今なら天辺を取れる!」の言葉で市川雷蔵逝去後の大映にレンタル移籍した松方弘樹の主演作品。話によると、永田雅一・大映社長と大川博・東映社長は余り仲が良くなかった様ですが、岡田名誉会長は大映京都撮影所の所長と昵懇だったらしく、その縁で松方さんの移籍が決まったとか…
 
 
「兇状流れドス」昭和45年4月4日公開・直居欽哉脚本・三隈研二監督・大映京都制作。
 
 

 

 

港湾荷役が盛んな或る港町で(と言ってもその場所は横浜・川崎付近である事が伺い知れます)妾にされようとしていた女給の真木沙織(地井武男の夫人だった方)を救った流れ者のヤクザ・松方弘樹…その腕裁きに惚れ込んだ石山健二郎が率いる組の代貸・川津祐介の客人要請を断りますが、目の前で川津さんが戸浦六宏(右腕は亀石征一郞)が率いる敵対組織の襲撃を受け重傷を負ってしまいます。こんな姿を目の当たりにしてしまっては松方さんも放ってはおけないと荷役業務に従事しようと現場を見て回っていたら事無きを得たものの今度は石山さんが狙われる始末に!しかも戸浦さんは石山さんが手塩にかけて育てた可愛い子分であったにも関わらず役人と組んで利権を狙っているわ、真木さんの兄貴は殺害されるわで嫌気が差した松方さんは対岸の街に逃避行したのですが、そこで真木さんと再会し…

 

 

 
 
実は結構な期待を持って鑑賞に臨んだのですが、役者陣は良くても物語自体は及第点を少々超える程度、と云うのが私感ながらも俺の評価。松方さん・亀石さんと云う東映出身役者同士のぶつかり合いはそれだけでも興味が沸きますし、後年こそ博識で温厚の印象が強いもののこの頃はアウトローで見せていた川津さんが加わるとなれば尚更。加えて石山さん・戸浦さんの立ち位置はお二方の持ち味に非常に似合っていますが、肝心の物語が…恐らく当時東宝を除く各社が打ち出していた「打倒!東映対策」ばかりが先行して東映任侠映画の要素を詰め込み過ぎ焦点がぼやけた様。松方さんと真木さんのなり染めか港湾荷役の利権争いの何方かを本題にして他はあっさりと絡ませた方がスッキリしながらも芯のある作品となった様な気がします。しかし、当時の現場の危機感や東映の味を骨の髄迄知る松方さんを迎えた状況等々を考えると、大映の良さや特色を生かしながら任侠映画・娯楽映画の要素を詰め込むだけ詰め込みたくなった気持ちも解ります。事実この後制作された松方さん主演の「皆殺しのスキャット」は役者と大映の良さを上手く生かした中々の作品となっているのですから…