強烈な大馬鹿作品と思いきや…松竹「俺ら東京さ行ぐだ」新藤栄作/柏原芳恵/植木等/吉幾三 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。
 
 
本日夜中の1時に勤務を終えましたが、明日の勤務が1/20(土)に振替えられた為火曜日20時の始業時迄の休みとなりました。と言うのも年始及び今回の三連休の為に製品の入庫が火曜日以降に集中する事、そして俺の勤務先は全国に取引先を持っているのですが、北陸地方の取引先は全て業務に支障は無く予定通りの動きとなるそうですが、羽田空港の滑走路閉鎖による多数の欠航便発生より西日本地域の取引先からの入庫が大幅に遅延しているとの事(部品関連は鉄道及びトラック輸送よりも航空便の方が安価な事が多いそうです)。
 
 
そして私事ながら今回の年末年始の帰省は両親にスマートフォンの使い方を教えて終わり酔えもしませんでした。「初売りは混雑するし初売り特価を狙う迄の事は無い、特にスマートフォンに関しては…」と話して去年の大晦日に購入したのですが「70代後半で覚えようとするのは前向きでいいものの、人に教えるのは血筋であっても難しい」と再認識した次第。でも今朝電話をしてみたら、通話/メール/検索に関してはほぼ使える様になったとの事で後はどれだけ使い熟せるかとなるでしょうが、両親共に普段からタブレットを使用している為習得は早いかと…因みに「らくらくスマートフォンは手に馴染まない大きさ」と、通常のAndroidスマートフォンの中でも小型の機種を選択し、最小限のアプリを容易に使えるタイル調の画面設定にしました。
 
 
さて本日は1/3(水)にBS松竹東急で放映された此方の作品ですが(過去に歌謡ポップスchで放映された実績がありますし、30年以上前に地上波で放映された事もあると…)未DVD化作品で有料動画配信も行われていません。当作品のヒロインは現在の天皇陛下がファンであると公言されコンサートにも出向かれた柏原芳恵ですから(これは柏原さんのファンも感謝感激だったそうですよ)お忍びでこの作品を鑑賞したのでしょうかねぇ…
 
 
「俺ら東京さ行ぐだ」昭和60年8月3日公開・高橋正圀/関根俊夫の共同脚本・栗山富夫監督(「釣りバカ日誌シリーズ」の第一弾から第十一弾迄の監督を務められています)・松竹制作。
 
 

「信号ねぇ!ある訳ねぇ!俺らの村には電気がねぇ!」で締められる衝撃の歌詞から(余談ですが、この歌詞は東北地方に住む者からすれば決して作り話ではありません。と言うのも全国の既存集落で最後に電気が開通したのは岩手県の北上山地北部で昭和43年、同じく岩手県の極小規模の開拓集落では昭和63年と云う例もあります。この様になった理由としては配電線の延長工事に対して各々の家庭に自己負担金が求められた上に農家にとってはそれが厳しかったものの、農協も融資をしたくても財務基盤が弱体かつ経営不振で中々応じられなかった等々の事情があり、農林中金等々が支援を行う一方で農民達は配電工事に対して勤労奉仕をしたり地場の木材を電柱に提供したりして工費削減に努めたとの話もあります)「大馬鹿映画か?」と思いきやそうでは無かった…但し「自らの歌を「田舎者を馬鹿にしやがってこの大馬鹿者が!」と自虐するタクシー運転手が吉幾三(冒頭本人役で出演している為二役)・姿も言葉もオカマで登場する小倉一郎・宴会芸の十八番であるらしいオカマ芝居をカメラマン役で披露した森次晃嗣(平成初期にお笑い番組で披露された事もあるのでそれを御覧になられた方々はかなり多いかとは思います)・変態カメラマンの三谷昇・主演の新藤栄作を「よっ、はだしのゲンちゃん!」と呼ぶ(新藤さんの役名が「元=ゲン」の為)スタイリスト役の藤田美保子」等々笑わせ処はかなりありますが…
 
 
何処に勤めても長続きしなかった新藤栄作がカメラマンを目指して故郷の青森を離れて早数ヶ月…そんな息子の様子を農協の常務であり果樹園を営む植木等が国会議員会館への陳情のついでに女房の林美智子と共に伺いに行く物語で「子を思う親の気持ち、そんな親の気持ちを跳ね返そうとする息子…しかし親は同僚兼親友のヒロインの案内で息子の働く姿を見て安堵し、更には寝台特急の出発待ちに訪れた懐かしの場で女房も息子も知らなかった過去を話そうと口を開き、俺も息子と同じだったと自省する」と云うのが簡単な流れ…俺を含めた故郷を離れ一人暮らしを続けている者にとっては耳も痛くなるし顔から火が出そうになるものの、口煩いながらも信頼して現状を認めれくれている両親や親族に対する感謝を忘れるなと思い起こさせる様ですし、便利な物に溢れている分血縁が希薄になる一方の世の中に娯楽を通じて警笛を鳴らしている…しかし植木さんが特別出演の中村嘉葎雄と20数年ぶりの再会を果たしその場で若気の至りを口にした事で作品の均衡が上手く取れたのではないかと感じますし「男はつらいよ・寅次郎恋愛塾」の併映作品ではあるものの俺は「俺ら東京さ行ぐだ」の方が楽しく面白く、家族を始めとする人間同士の絆の描き方も端的ながら掘り下げ方が深いと思います。