世の雌豚は全てが敵!新東宝「肉体の野獣」川喜多雄二/三原葉子・土屋啓之介監督 | 東映バカの部屋

東映バカの部屋

東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。

 

 

今週は後半が夕方からの勤務となった為本日夜中に帰宅し、月曜日11時の始業時迄の休みとなっています。今年は秋田市内に限らず全国的に残暑が厳しいですが、会社側から来月より大凡二年振りに二週間毎の日勤/夜勤交代勤務(日勤=11時始業/夜勤=20時始業)にすると通告を受け、月の半分が凌ぎ易い夜勤となる事に少し安堵しました。室内温度が40~45度の空間でひと月力仕事をするのは性別年齢不問で地獄絵図に輪をかけた野戦病院みたいなものですから…そして自室では冷房をフル稼働にしているのですが、それでも冬場の灯油代の負荷よりは電気代の上昇分の方が安い位です、窓付けエアコンは据置型より消費電力が小さいのか?

 

 

さて本日はまだ就寝もしていませんので極々簡単に、先月/今月に渡り日本映画専門chで放映されていた此方の作品を…未DVD化作品で有料動画配信も行われていませんが名画座での上映等々は過去に行われている様です。尚、日本映画専門chでの放映予定分も既に終了しています。

 

 

「肉体の野獣」昭和35年5月4日公開・金田光夫/土屋啓之介の共同脚本・土屋啓之介監督・新東宝制作。

 

 

 

 

規模の大きな総合病院の将来の院長候補に目されていた青年医師の川喜多雄二は現・院長直々の懇願により或る女性患者の堕胎手術を行う事となったのですが、その女性は川喜多さんが海外留学前に婚姻を約束していたにも関わらず行方不明となり帰国後も消息を追っていた三原葉子!後日事情を聞くと川喜多さんの留学時に三原さんの実父が破産した上にその関係で異人と結婚させられ今では夜の女…友人夫妻の説得もあり川喜多さんは三原さんを許して新たな将来展望を二人で構築しようと一度は決心したものの、三原さんが勤める酒場の用心棒達に袋叩きに遭ったのを機に「世の中の雌豚は全員が敵!」との思考に陥った川喜多さんは同僚看護婦・堕胎患者・親友の許嫁から仕立屋・院長の愛娘等々未開発の畑・肥やしの効いた畑に関わらず手当たり次第に種蒔きを…

 

 

 

 

前しか見えず直進しか出来ず自らの行為や思考を正当化する大馬鹿男の短絡的な復讐劇!院長の愛人宅に目の前で電話をして娘婿として迎え入れる要件を容認させたり、雌豚達に種蒔きするだけでは飽き足らず三原さんに甘い言葉を囁きつつ警察も利用して身柄を拘束させたり等々の悪知恵は働いていました。しかし、大馬鹿だったからこそ念頭に無かったのか、冒頭で川喜多さんの自宅を訪れた同僚看護婦に見付けられた親族の形見の拳銃が最後の最後であんな役立ち方をした結末は気分爽快!そして感じたのは、この数年後に東映東京が梅宮辰夫主演で制作した「夜の青春シリーズ」「夜の歌謡シリーズの一部作品」と物語の流れや雰囲気に或る程度の共通性…偶然の一致なのか?東映側が参考として用いたのか?それははっきりしませんが俺は似ていると思いますし、似てはいてもこの類の作品は大好きですので「肉体の野獣」に出逢え鑑賞出来た事は大満足!