皆様､おはようございます｡
昨日は通常出社日であった上に部署内での人員の遣り繰りの都合上8時出社でした(明日からは通常の11時始業)｡しかし残暑が厳しい…盆を境に少しずつ(時には一挙に)夜は冷房要らずになって行きますが今年は長期予報通りの暑苦しさ･寝苦しさ!そして俺は｢夏が酷暑だと直近の冬は厳寒･多雪｣との印象を持っている上に前の冬期は雪寄せの回数が格段に少なかったので尚更苦しめられそうな…
さて本日は此方の作品を…VHS/DVD/ブルーレイ化作品でひかりTVビデオ/Appie+/U-NEXT(見放題対象作品)/Amazonプライムビデオ/YouTubeムービー内に於いて有料動画配信が行われています｡尚､東映chに於いて本日以降､9月1日(金)22:30～24:30･9/26(火)20:00～21:50の二回放映されます(HD放映｡尚､今月の放映予定分は既に終了しています)｡
｢丑三つの村｣昭和58年1月15日公開･西村望原作･西岡琢也脚本･田中登監督･松竹映像/富士映画制作･富士映画配給(松竹洋画系での公開)。
早くに両親を亡くし祖母の原泉と共に山奥深い集落で細々と生活していた古尾谷雅人…古尾谷さんは集落内では｢神童｣と呼ばれる程の秀才でしたが自身は｢お国の為に兵隊となり尽くすのが日本男児の真骨頂｣と考えていた為兵役検査に臨んだものの肺結核を理由に丙種合格(=雑用等々にに従事→兵隊になる為の甲種は不合格)となった上に｢結核=不治の病｣と言われていた当時の風潮と｢例え如何なる理由があろうとも働かざる者は役立たず｣と云う集落独特の思考により古尾谷さんは村八分となります､原さんと相思相愛の関係に発展しつつありながらも嫁に出される事となった田中美佐子､一級上の先輩である新井康弘を除いて…しかもその頃､村の実力者である夏木勲(=夏八木勲)が余所からこの村に住み着いた一味の一人を｢村の為にならん｣と惨殺し自殺に偽装した様子を古尾谷さんは目撃していた為駐在･山谷初男に告発しようとしたものの阻害される羽目に!そこで古尾谷さんは腐り切った村に(…と云うより腐れ切った状況にした者達と自らを馬鹿にした者達に､か?)復讐する為の計画を練り始め…
当作品は昭和13年5月に岡山県西加茂村(現在は津山市に編入)で発生した通称･津山事件(30名を殺害｡我国に於いては令和元年に発生した京都アニメーション放火殺人事件が発生する迄は犠牲者数が最大の殺人事件)が題材となっています｡この事件の詳細を調べてみると､映像作品ですから多少の脚色はあるとしても(余所者の排除に関してはその事実が存在したかははっきりしませんでした｡閉鎖社会の暗部を強調する為の演出か?)発生した事実を起因から忠実に再現した､実録犯罪物としては最高に位置する作品の一つと思いました｡特殊な土地柄もあり､生存者の証言のみでは真相究明には至らなかったとも言われてはいるものの､実行犯の遺した遺書を読むと｢丑三つの村｣で描かれた事件の起因は概ね再現されていると感じます｡
日活ロマンポルノで名を馳せた田中監督の作品だけあり､ロマンポルノ出演経験のある五月みどり･池波志乃の情欲場面は本家本元のロマンポルノも真っ青の場面ですし､他にも東映作品で既に裸体を晒していた田中美佐子･脱がない分心変わりの早さや殺害場面に於いて行為を想像させる芝居を見せた大場久美子に目が行く傾向が強いですが(公開時の宣伝もそれを強調していますし田中監督の作品であれば致し方ないです)｢我が居住地･東北地方を含め日本全国津々浦々に未だに存在する閉鎖社会の暗部と､部落民差別とは全く次元の違う個人差別･一家差別の現実｣｢真面目で義務感の塊かつ勉学の為に自ら世間との間に壁を作ったり､目に入れても痛くない孫や子が羽ばたく事を阻害する肉親の行為は世間知らずを生み出す上に､一度世間の快楽を知ったり挫折とは程遠い事態に遭遇しても思考や行動が極端におかしな方向に行ってしまう恐ろしさ｣等々を実際の事件を元に強調している為､妖艶な芝居も何処かへ吹き飛んでしまう深さが当作品にはあります｡寧ろ冒頭で出兵する役の為だけに出て来たビートきよしが印象に残ってしまう程なんですから…
