箱入り娘の手懐けは俺に任せろ!東映京都「孔雀城の花嫁」大友柳太郎/美空ひばり・松村昌治監督 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。

 

 

昨日の22時に勤務を終え、月曜日11時の始業時迄の休みですが…8/11(金)~15(火)迄夏期休暇ですので中日三日間郷里の盛岡に帰省します。

 

そして、毎月新規配信作品が必ず追加されるAmazonプライムビデオ内の個別課金ch「東映オンデマンド」ですが、劇場公開作品だけに留まらずテレビドラマの配信にも積極的で今月からは杉良太郎版に続いて高橋英樹版の「遠山の金さん」更には先々月開始の「Gメン75」先月開始の「非情のライセンス(第一シリーズ)」に続き「特捜最前線(セレクション配信)」が開始!(テレビドラマに関しては「全話一斉配信」「10話/月、又は30話/月毎に追加」が多いです)約1.500タイトルがAmazonプライム会員料金(0-/月+東映オンデマンド料金(0-/月で鑑賞可能…この価値をどう見るかは各々次第ですが、アニメーション及び特撮、ピンキーバイオレンスや任侠/実録ヤクザ、更には時代劇やアクション、大馬鹿映画や落ち着いた作品迄網羅されていますのであらゆるジャンルの東映ファンならば大満足される方の方が多いのではないかと思います。

 

 

さて本日は此方の作品を…VHS化作品ですが未DVD化で有料動画配信も行われていません。

 

 

「孔雀城の花嫁」昭和34年4月8日公開・小国英雄脚本・松村昌治監督・東映京都制作。

 

 

 

 

上野国忍足城一万五千石の城主・中村賀津雄(現・中村嘉葎雄)は将軍家息女・美空ひばりとの婚儀が整い迎え入れたものの、将軍家の仕切りによる仰々しい嫁入りの儀式や十数日間に渡る嫁入り道具の運び入れ、更には位の高さを押し付けられる日々に嫌気が差し新婚の夢が破れお家断絶・切腹覚悟でお嬢を突き返そうとした時、インチキ占い師に「日本一の美人が嫁になる」と言われた猟師・大友柳太郎が「お嬢が俺の嫁となる女に違い無い!」と現れ、嘉葎雄さんから事情を聞いた大友の御大は「女は馴らし方次第!俺なら巧く仕込む!」と自宅に浚って行ってしまいます。大友の御大とお嬢の間には当初は大きな壁があったものの山賊と果敢に戦う姿を目の当たりにしたり未経験の市井の暮らしを経験していく内にお嬢は大友の御大に惹かれ、更には日々の楽しさから元へは戻りたくはないとの思いが宿り始めますが、運命は皮肉なもので…

 

 

 

 

「喜劇→修羅場→核心の三段構成」と言える物語。実は結末で大友の御大と猟師仲間である薄田研二・桜町弘子の真の姿が明かされるのですがこうなる事を見据えて密命を受け送り出された武家人であり「人間には食わせる者・食わせて貰う者の二つがある。お嬢は後者なのだからその運命を受け入れて生きろ!」を芯から教える為の行為であったと解ります。「食わせる者・食わせて貰う者」の現実に関しては生まれてから死ぬ迄変わらぬ立場の方はそう多くはなく、大概は成長に従い「食わせて貰う者→食わせる者→食わせて貰う者」の流れが一般的でしょうが(俺の様に極楽蜻蛉かつ単身であれば「自ら食い扶持を得なければならぬ者」となりますが…)食わせる側には何事にも真っ正面から向かう強かさが、食わせて貰う側には常に感謝と心からのお返しが不可欠である事を終盤で教えてくれています(大友の御大がお嬢に対して「市井の生活を知ったならばそれを政に生かせ」と諭す台詞があります)。

 

 

お嬢が大役である関係で現代風の歌を歌唱する場面等々、時代考証に関して疑問を持たれる方々も居られるでしょうしそれに対する苦言を見聞きする事も多いですが、東映京都制作の時代劇作品に関して云えば同様の傾向の作品は非常に多いです。しかし俺は楽しく面白く手に汗を握る事が出来る等々観客目線最優先主義でありながら、肝心要の主義主張も同様に観客目線かつきちんとしている娯楽映像作品は、観客を見下し制作側の主義主張を押し付ける傾向の強い文芸系統の映像作品よりも遙かに理解がし易く説教がましさや気難しさ等々も皆無の、遙かに優れた映像作品群であると思っています。因みに俺の場合、様々な情報を見聞きしたり書籍を購入して読んではいますが、識者や評論家の見識は特に文芸性を好む方々の意見は完全無視しています、得るものが全くありませんので(私感)…寧ろ映像作品ファンや「小説家よりも見識や発想が広い脚本家」「徹底的に娯楽性を追求する制作関係者」等々の意見を参考としたり、直感で「観たい!面白そうだなぁ…」と貪っています。そうすると「自分だけの名画一覧」が出来上がりますし、一般評価が低い作品でも切り口・視点等々を変える事で自分だけの面白さや楽しさを発見出来る事も多々です。