皆様､こんにちは｡
先週末は休日が日曜日のみであった上に掃除･洗濯に加え自家用車の不調の為の点検整備が入り更新を休ませて貰いました｡そして昨日20時に勤務を終え月曜日11時の始業時迄の休みですが､連日暑さに参っています｡東北は西日本と比較すればこれでもまだいい方ですが､俺の勤務する部署の様に作業の特性上冷房の使用が出来ず(扇風機のみ)鉄筋コンクリート平屋建てかつトタン屋根となると(北東北は積雪地帯の為落雪を考慮し､屋根材はトタンが普通で恐らく6.7割を占めていると思われます)トタンが吸収した熱が鉄筋を通じてそのまま室内に伝わる為室温は常に40度前後となり…その為か､若年層よりも俺の様な中年層の方が過酷さを経験している為なのか丈夫なのか､定着率が高いんです｡自家用車や自室で冷房を稼働させると生き返ります｡
さて本日は､間もなく御逝去から三年を迎える渡哲也の主演作品から…DVD化作品でAmazonプライムビデオ(Amazonプライム会員見放題対象作品)/ビデオマーケット内に於いて有料動画配信が行われています｡
｢燃える雲｣昭和42年5月3日公開･福本和也原作･藤井鷹史/蘇武道夫/小川英の共同脚本･野村孝監督･日活制作｡
航空機の操縦資格を所持していたものの､定期便運行中外的要因による機体損傷を受けた上に機長の池部良が負傷した為法令無視の緊急着陸を行い資格を剥奪された渡哲也は､コンクリートミキサー車の運転手となっていましたが､池部さんの計らいにより旧友かつ航空検察官事務所の二谷英明から声を掛けられ､事務所の一員として航空網を使用した犯罪抑止に従事し始めます､勿論航空機の操縦資格の再認可を受けた上で…初仕事は出国した日本人女性の踊り子の連続失踪事件｡当初は仕事を貰えなかった渡さんでしたし､先輩の高橋英樹も香港迄出向きながらも決め手となる証拠を得られず帰国…そこで渡さんは単独行動で小さな情報からコツコツと核心に迫り､事務所の紅一点･十朱幸代を誘い疑惑を持たれている酒場に客を装い訪れ行方不明になっている肉親を探す踊り子の浜川智子(後の浜かおる)との接触に成功し…
大傑作｢拳銃は俺のパスポート｣を鑑賞してから野村監督の名が現れると即座に鑑賞したくなります｡当作品も期待を込めて臨みましたが期待以上!杓子定規だけでは命は救えず､膿を出し切れぬ物と云う現実を｢杓子定規｣高橋さん｢作法外れ｣渡さんの対比で､そしてこの二人の思考や行動を偏り無く理解し巧く纏め中和剤となっているのが二谷さんと十朱さん…当初は高橋さんが先輩風を相当に吹かせて渡さんとの関係性はどうなるのかと思わせましたが､事件解決と犯罪抑止と云う目的は一緒である為それが相互理解となり最後にはいい協力体制が出来上がりました｡
それにしても､重要容疑者を追う為に搭乗した旅客機内で内田良平が人質を取って暴れた上に機長の葉山良二が内田さんの銃撃により負傷し操縦不能となり､更には前脚が出ない事が判明した時､再びジェット機の操縦桿を握り飛行高度を上下動させながら前脚を出して燃料投棄後緊急着陸させた渡さんの｢とっぽさの残る人命第一の行動｣は観ていると癖になりそう(これも恐らく法規上は問題なのでしょうが､創作ですし人間味があるからそれで良し!)…穏やかではあるものの既にこの時点で｢大都会｣黒岩｢西部警察｣大門と共通する雰囲気は出ています｡余談ですが当作品には後に｢西部警察｣で共演する庄司永健が航空検察官事務所の一員として出演しています｡
そして､巨悪･大滝秀治の右腕で自家用航空機の操縦士の宍戸錠は｢障害が残る怪我により普通の操縦士としての将来が途絶えたものの､空への情熱が捨てられず…｣と云う心情を持つ…宍戸さんは野村監督と｢過去にお互いが｢お前となんか二度と映画なんか撮るものか!｣と喧嘩をしたが、その後に手掛けていた作品を観て｢巧くなっているなぁ…｣と感じ｢拳銃は…｣制作時には｢日本一のギャング映画にしよう!｣と誓い合った｣と､生前chNECOの番組内でお話をされていたのですが､野村監督にとって｢拳銃は…｣の次作品が当作品…空への情熱は渡さん･高橋さんと同等ながらも自身の意志の弱さから真逆の道に入ってしまった葛藤と改心を宍戸さんに任せたのは､前作で築いた信頼関係そのものではないかと思った程｡観方次第では渡さん･高橋さんをも食ってしまう宍戸さんの芝居も見物です｡尚､大滝さんは後に二谷さんと｢特捜最前線｣で共演しますが､当作品では一切絡んでいません｡そして､二谷さんは中間管理職や場長が嵌り役だと思うのは俺だけでしょうか…
