地下室監禁は形勢逆転の機会到来?日活ロマンポルノ「修道女ルシア」野平ゆき・小原宏裕監督 | 東映バカの部屋

東映バカの部屋

東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

●当記事は7月1日(土)午前中に投稿した記事の文面・写真を一部変更の上再掲載しています。尚、公開停止対策の為題目を一部省略及び作品情報サイトへのリンクは行っていませんので何卒ご容赦下さい。

 

 

皆様、こんばんは。

 

 

休み二日目の夜ですが昨日日中から非常に涼しく「本当に7月なのか?」と思う程です。私事ながら先日記事内に打ち込んだ海外研修生の教育指導は順調ながらも毎日言葉の壁に四苦八苦し精神面での疲労感が何時以上です。「逆の立場でも同じなのだから…」と解ってはいても肉体面での疲労を回復させるより難儀します。「こんな時は何も考えずに楽しめる娯楽映像作品を鑑賞する=俺の場合は東映作品や日活ロマンポルノを真っ先に鑑賞。又は過去の刑事ドラマや時代劇でも単純明快な作品(この場合は大都会や西部警察等々が最適)」となりますが、本日は日活ロマンポルノから…

 

 

「修道女ルシア」昭和53年1月7日公開・桂千穂脚本・小原宏裕監督・日活制作。DVD化作品でU-NEXT(見放題対象作品)/FANZA動画内に於いて有料動画配信が行われています。尚、各映画情報サイト内の作品詳細とは一部内容は異なっています。

 

 

 

 

 

野心的な代議士を父に持つ女子高生の野平ゆきは車庫内に隠されていた数千万円の現金を自室に持ち込んでいた上に既に手を付けていた為、家庭教師の影山英俊に一緒に逃亡する様に促しますが情交中に父親に見つかった上に影山さんに暴力行為を働いた秘書を刺傷させてしまいます。しかも自身の政治生命に傷が付かぬ様に警察に被害届は出さず、野平さんを修道院に送り込んだのです。何せ世間知らずの箱入り娘だったのですから先輩格の岡本麗・桂たまき等々の教えにも従わなければ全てが無軌道な行動…そんな時野平さんは院長の珠留美が周囲からは神聖そのものと見られていた修道女と共に司祭と情交に及んでいるのを覗き見し岡本さん達に事実を伝えたものの珠さんがそれに気付き平静を装った為に虚偽と断じられ地下室に監禁されてしまいます。ところが刑務所からの脱獄囚二人組が地下室に入り込んだ事が珠さんを陥れる絶好の機会を生み出し岡本さんや桂さんをも引き摺り込み形勢逆転に光が差し込み始めたのですが…

 

 

修道院を舞台とした作品は日活ロマンポルノでも複数制作されていますし、聖教に限定すると他社でも大映東京「夜のいそぎんちゃく」東映東京「聖獣学園」等々が存在していますが、聖教・仏教・神道・新興宗教等々宗派不問で「宗教施設内の表裏を描いた作品に外れは非常に少ない」と私感ではありますが思っています。宗教団体でありながら地上げ屋家業が資金源の伊丹十三監督「マルサの女Ⅱ」や当作品と施設の背景が比較的似ている東映東京「尼寺博徒」も面白いですし大好き!そう云えば「夜のいそぎんちゃく」では小悪魔・渥美マリが千秋実扮する牧師を骨抜きにして離職・離婚・小間使いに迄成り下がる様子を描きましたが、此方は小悪魔・野平ゆきが脱獄囚を手懐け修道女達の性を引き出し人間らしさを取り戻させながら下には規則を強要し自らは贔屓の者達と共にそれを破る院長を社会的に葬られるのかが見所。しかもそれ等は同時に実父に対する人生初の反抗でもあり成否不問で籠から更に遠くへ飛んで行けるのかと云う賭けの一面も…小原監督は修道院・鑑別所及び女子刑務所・更にはバス車内等々狭い行動範囲内を舞台とした作品で追い込まれた女の情念を引き出すのが非常に巧い一人と思っていましたが、当作品もその通りでした。