別の道を歩んでも血筋は血筋!東映京都「緋ぼたん肌」大川橋蔵/片岡栄二郎/大河内傳次郎 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんばんは。

 

 

休み二日目の夜中です。昨日の秋田市内は数日前に記録した今年の最高気温に匹敵する程で西日の強い俺の部屋は室温がぐんぐん上昇…但し冷房が必要な程では無かった為今年初めて扇風機を使用しましたが何時もよりかなり早いです。しかしこれからは業務終了後のビールが美味い季節であるのも確かでそれが楽しみでもあります。

 

 

さて本日は今月/来月の東映chで放映予定の作品からです。未DVD化作品で有料動画配信も行われていませんが、東映ch内に於いて本日以降、5/26(金)11:00~12:30・5月30日(火)24:00~25:30・6/12(月)11:00~12:30・6/17(土)12:00~13:30の四回放映されます(字幕付きHD放映)。

 

 

「緋ぼたん肌」昭和32年7月2日公開・川口松太郎原作・八尋不二脚本・萩原遼監督・東映京都制作。

 

 

 

 

 

 

 

将軍家台覧試合で月形哲之介を破り勝利の栄誉を得た上に名家の美人娘である桜町弘子との婚姻をも手にした片岡栄二郎は実父の大河内傳次郎に「腹違いの兄」である為に別居をしていた兄の大川橋蔵を同居させる様に申し出て受け入れられ、兄弟仲の良さを見せ付ける様な日々を享受出来るかと思われましたが…橋蔵御大は肩肘張る生活や甘い物を食すのが苦手等々武家社会に馴染めぬ様子。そして片岡さんに「たまには息抜きを…」と酒席に誘った先で偶然出逢い襲いかかって来たのは片岡さんを敵としていた月形さん!そんな片岡さんを橋蔵御大が守ろうとしたものの月形さんの横暴に応戦した際に斬捨ててしまうのです。一家に傷を付けてはならぬと橋蔵御大は大河内さんの屋敷を無言で離れ、後に「武家には二度と戻らぬ意志」として刺青を背負ったヤクザとなり、或る一家を義侠心で救ったと評判になっていました。その一方で片岡さんは名誉とも言える日光東照宮の修理奉行を命じられたものの、月形さんの一家の憎しみをも煽る結果に至り…

 

 

 

 

腹違いであろうとも磁石でくっつく程深い兄弟愛とは言えなくてもいざと云う時に気を遣い、また救いの手を差し伸べる…実は俺自身兄弟が居ない為、当作品の様な兄弟愛を見せられると作品の出来云々の前に「こんな兄貴が欲しかった(この様な弟の為になりたかった)」と考えてしまう事が50歳を過ぎても時折あるのです、同年代の親類や友人知人・職場の同僚等々が兄弟の話をすると羨ましくもなりますし…まぁこれは余談ですが、硬軟を問わず観る側に余り肩肘を張らせぬ橋蔵御大の雰囲気は「迷惑は掛けねぇ!」と無言で風の様に姿を消し、また風の噂の様に「待ってました!」と登場する流れに非常に合っています。しかも本来は器用で女子供にも優しく時には惚れさせながらも「ヤクザは堅気の衆を守り抜く事は出来ても幸福には出来ねぇ!」と言わんばかりに不器用さを前面に出す辺りも巧いんですよねぇ…

 

 

余談ですが橋蔵御大は「銭形平次」が代名詞となる直前に東映京都制作の任侠映画「バラケツ勝負」の主演を務めたものの、当時の東映時代劇俳優陣では岡田茂・前東映名誉会長が指摘した通り「善良性の最右翼」かつそれが劇場公開作品起用の保留組に入った理由とも…しかし不良性感度はそれなりに発揮していた様に俺は感じていますし、ライバルの一人とも言える中村錦之助(=萬屋錦之介)とは又違う魅力を自身の努力で生み出してもいます。同時に任侠物の時代劇や股旅物を鑑賞していると「銭形平次の間合い出演でも構わなかったから、ご自身はお好きではなかったそうだけれども東映京都制作の任侠映画やヤクザ映画に特別出演等々の形で幾つか出て貰いたかった」とも思ってしまいます。

 

 

最後に…先週よりNHK・BS4K及びBSプレミアム内に於いて押しも押されぬ鶴田浩二のテレビドラマの代表作「男たちの旅路シリーズ」が放映されており、5/25(金)20:15~23:55には「第三部」全三話が連続放映される予定です(字幕付き放映)。尚、本日時点で第四部とスペシャル版の放映が行われるかは不明です(因みに本日時点ですが、YouTube内で「スペシャル版」が観られます)。

 

 

 

 

俺は第一部から第四部迄は以前日本映画専門chで放映された際ブルーレイディスクに永久保存で焼いているにもかかわらず今回も録画保存してしまう程好きなドラマ!更にスペシャル版は先週YouTubeにアップされていた物を鑑賞しましたが此方も非常に出来がいいです。平たく言えば全国民必見と言っても過言では無い作品の一つです。