罪人らしくない罪人、しかし…ケイ・アンド・エス/新映「高瀬舟」前田吟・工藤栄一監督 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。

 

 

昨日23時に勤務を終え月曜日11時迄の休みですが、来週土曜日が通常出社日となります。そして私事ではありますが今週より別部署の業務も従来の業務と並行して行う事となり日課の1/3は教育時間となっています。雇用形態不問で多能化を実践するとか。我国は資本主義国家ですし企業は「最低の人員・時間・経費で最大の利益を上げ、不良発生等々の損益は最小限に食い止める」が極自然な姿…しかし最近は若年層に限らず俺と同年代でもこの当たり前の事を全く理解していない人間が多い現実には閉口します。事実我社でもこの多能化に難色を示している者が居り、俺から言わせたら「資本主義と私企業の基本的大原則を知り受け入れろ!要望を通したければ労働基準法遵守云々と主張する前に遣るべき事を遣れ!自分の事しか考えぬ馬鹿野郎は共産主義者そのもの!」と言って遣りたくなります。我国も家庭・地域・職場で一般社会人として生きていく為の常識や術、組織概念等々を教えられなくなっているならば、憲法改正の速やかな実施(俺は汚らわしいと感じている第9条は全文削除の上、自衛隊を国土防衛・国内外の災害救護・国際的平和維持活動への参加等々を目的とした日本軍に改称し関連法案共々と共に一刻でも早く改正して欲しいです。現行の第9条は自国さえ良ければそれでいいと云う象徴で、生まれ付き全ての日本人の心底に宿る任侠道に反する愚行を良しとした悪法です。他国に無理矢理誘導されそうなってしまった面は否めませんが…)共に人間教育を主体とした数ヶ月から1年程度の徴兵制を男女不問かつ心身共に問題が無い者に関しては導入すべきです。軍隊及びスパルタ教育は正しい組織論や地域論等々を身体と精神を虐め抜く事できちんと身に付ける事が可能ですし、同時に他人の痛みや喜び等々を教える事で人格形成にも役立ちます。俺は自衛隊に居た事も体験入隊経験もありませんが、高校はスパルタ教育かつ最初と二番目の職場が軍隊スパルタ教育でその経験が現在役に立っており心から感謝しています。

 

 

さて本日は、時代劇専門chで本日以降5月21日(日)13:40・6月4日(日)09:00の二回放映される作品を紹介します(今回の放映は字幕付きHD放映。尚、数年前より定期的に放映されています)。森鴎外の作品の映像化ですがソフト化及び動画配信状況は不明です。只、未公開作品かつ文部省選定である為「視聴覚教育映像として制作された」「草の根活動で地域の施設等々で公開された」「各地域の図書館で貸出、又は館内に限り鑑賞可能」等々の可能性があるかと思います。

 

 

「高瀬舟」昭和63年制作、森鴎外原作、松山善三脚本、工藤栄一監督、ケイ・アンド・エス制作、新映配給。

 

 

 

 

 

実兄殺しで島送りとなる岡田吉弘の護送役であった同心の前田吟は高瀬川を下る舟に乗り込んだものの、岡田さんはこれ迄見て来た罪人とは違い「罪人らしくない生き生きした様子」が伺えた為話に耳を傾けると、明るさの影に潜んでいた苦難の日々を話し始めます。そして前田さんは「岡田さんを本当に罪人のままにしてもいいのか?」との疑問が沸き立ち…

 

 

工藤監督の作品とは思えぬ程川の流れの様に穏やかで静かな物語が展開…実は工藤監督を始め山下耕作・原田隆司等々東映の監督陣は教育関連作品でも手腕を相当に発揮されている方々が多い上に(東映の三本柱の一つに教育映像部が存在している事も大きいのですが…)一級の娯楽作品を一から作り上げる力量があるからこそ善良な作品でも真価を発揮した事を証明したかの様な内容です。そして当作品で重視した点は恐らく「善悪の判断が付かぬ未成年者に対し弱い者及び障害者虐めの側面を知らしめる」「自殺行為に至った者の意志を汲んでその要望に応えた行為は果たして通常の殺人行為なのか?嘱託殺人及び自殺幇助なのか?将又罪には問えぬのか?」「障害者家庭の苦難軽減や罪人の更生等々には血縁よりも理解者の心の支援が一番の薬」「如何なる事情や過去があろうとも、娑婆よりも獄門の方が確実に食べて行けると短絡的に考えてはいけない」「苦渋を舐め続けた者の体験談を聞く事で自らを戒める必要性」であり、これ等をたったの45分に纏め上げた工藤監督を始めとする制作関係者の手腕には脱帽です。