喪服は過去の決別と再出発の証し?日活ロマンポルノ「愛欲の日々・エクスタシー」小川より子/下元史朗 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんばんは。

 

 

私事ですが数日前の記事にも書いた通り本日は私用で有給休暇を取得しています。私用とは云え然程時間はかからぬものの、年度内に最低五日間の有給休暇取得が義務付けられてから法令遵守しないと会社側が五月蠅くて…一昨年は「そんなモノ書類上ちょろまかせ!労働基準局の目を誤魔化すのはあんたら得意だろ!」と言い放ったら真摯な表情で注意されてしまいましたしね、冗談で言ったのに通じなかった…この様な経験があると「法令遵守主義で冗談や笑いを不真面目と捉える現代がいいのか?融通も利けば冗談も日常茶飯事だった過去がいいのか?」とも考えてしまいますが、俺は絶対に過去の方がいいです、義理人情や人間味に溢れてしましたから。

 

 

さて本日は簡単に、先月より来月にかけて東映ch「ロマンポルノ傑作選」で放映されている作品です。DVD化作品でFANZA動画内で有料動画配信が行われています。尚、東映ch内に於いて「R15+版」が本日以降、5/16(火)24:00~25:30・6/15(木)24:00~25:30・6/24(土)23:00~24:30の三回放映されます(HD放映)

 

 

「愛欲の日々・エクスタシー」昭和59年5月25日公開・磯村一路脚本/監督兼任・日活制作。

 

 

 

 

 

 

 
不倫男性の葬儀に参加した小川より子は帰宅時、駅のホームで喪服姿の下元史朗を小川さんと同じ葬儀に参列した者と思い挨拶をすると、下元さんは離縁し親権を得た元・女房の元で育てられていた愛娘の葬儀に参列した事を知ります。実は小川さんは不倫相手が離婚・再婚を決意していながらも踏ん切りが悪くあれやこれやの間に他界してしまうと云う不遇に見舞われており、これを機に再出発を意味する情交相手として下元さんに身体を預け、翌日には自然豊かな地で再び身体を重ね合わせ三日目の朝、互いが反対方向の列車に乗り別れる事としたのですが、下元さんが愛娘の葬儀の際形見として持っていた乳歯が無い事に気付き、一晩目に宿泊したホテルに付き合って欲しいと再度二人旅を続け…
 
 

 

 

記事題目にも書きましたが「喪服は過去への決別と再出発の証し」がこの作品の主題ではないかと思います。事実結末は下元さんが乳歯を放り放ち「俺達の過去を葬る為の葬儀」と称して教会の前に立つ姿で終わっています。そして小川さん/下元さんとは真逆の「愛に満ち溢れている上に将来が明るい男女が、永遠に愛してるとの言葉を互いの手に書いて心中を図る姿」は二人の共通の思いに変化を齎しただけに留まらず(序盤では小川さん達は死に場所を求めているかの様な雰囲気すら感じられる為)溢れんばかりの幸福な愛や好きだけが理由の愛ばかりでは生きる術にはならず、寧ろ苦渋を多く舐めている分他人の痛みが解る=一定の相互理解こそが生きる術となり徐々に愛を積み上げ一生の伴侶となっていくものだと教えてくれている様にも感じます。

 

 

この様な内容ですから情交描写も女性でも観易く共感も得られるのではないかと思うと共に、飲食店で着衣のまま言葉と口の動きだけで口淫を想像させる小川さんの「熟女の淫靡さ」はポルノ/ピンク専門女優やAV女優をも凌駕する程で見所!更に「一般女性に要求したら、場合によってはトルコ嬢等々の風俗関係者でも嫌がる行為を普通と思っているAV作品好き」には「女性心理の理解度を高める」「激しさ・過激さ・汚れっぷり等々のみが情交では無い現実=着衣状態でも疑似行為でも言葉のみでも十二分に艶美さは表現出来る事実」を当作品を通じて知って欲しい…尚「一般的な恋愛ドラマや映画よりもポルノ/ピンク映画や任侠映画等々の方が恋愛の教科書としてはより現実的で相応しい」と感じる事が俺自身よくあります。