郷ひろみの不良性は魅力大!富士重工ファンも歓喜か?松竹「ダブル・クラッチ」松坂慶子/地井武男 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。

 

 

昨日21時に勤務を終え、月曜日は有給休暇を取得している為三連休です。昨日は出勤前に車検の為自家用車を入庫し代車を用意して貰ったのですが普通車を運転したのは何年振りだったのかなぁ…しかし勝手が違うと戸惑うものです。自家用車はインパネシフトにプッシュスターター、ドアロックはドアノブ脇のボタン式ですしオートライト及びキセノンランプ・バックモニターも装備していますが代車にはそれ等が無く無灯火で走行しようとしてしまったり灯火類が暗く感じたり等々。一度便利な装備に慣れてしまうと便利な反面、過去は普通に行っていた事すら失念してしまいます。しかし「車両価格の高騰=安全装備の充実化?過剰化?」とも言われる様になって来ていますし過去の経験上装備が質素な車両は故障も少なければ修理費も安価と云う良さもあり車に対する感覚を改めるにはいい機会でした。昼頃に自家用車を引き取りに行きます。

 

 

そこで本日は「郷ひろみの不良性とカースタントが楽しめる作品」を…VHS化作品でしたのでレンタルで鑑賞したのは大凡20数年前でしたがDVD化もされていなければ有料動画配信も無し(本日時点)。しかし衛星劇場が今月及び来月の予定で放映を行っています。富士重工業(現・SUBARU)が全面協力し、当時我国唯一の四輪駆動乗用車であった初代レオーネが大暴れする姿は「スバリスト」が歓喜するかも!しかも当作品公開当時大人気であった東映東京「トラック野郎シリーズ」や石原プロモーション「大都会パートⅡ」等々のカースタントと観比べても見劣りしないどころか双璧ですし、物語の流れと巧く噛み合ったものとなっています。余談ですがSUBARUは今はトヨタグループですが当時は日産グループ、しかも乗用車のシェアは小さくてもバスボディ(現在は撤退)では業界一位の実績を持っていた上に大型車メーカー全社のシャシーに架装が可能であった為、割高でも信頼性が非常に高かった富士重工ボディを指定するバス会社も非常に多かったと聞いています。

 

 

「ダブル・クラッチ」昭和53年4月29日公開・五木寛之原作・ジェームス三木脚本・山根成之監督・松竹制作。先述の通り未DVD化で有料動画配信も行われていませんが、衛星劇場内に於いて本日以降5/26(金)10:15・6/8(木)18:50・6/18(日)01:30・6/24(土)07:00の四回放映されます(字幕付きHD放映)。

 

 

 

 

 

幼少期に父親は他界し母親は子を捨て駆け落ちした為に二人三脚で生きて来た姉の松坂慶子と弟の郷ひろみ…今はどうかと言えば松坂さんは昼は駅の売店で働き、夜は副業である女給として生計を立て、ひろみさんは松坂さんに食わせて貰いながらパチンコ等々に明け暮れる始末だった上に、自動車教習所に通っても試験管の吉田豊明に腹を立てて仮免許試験を放棄してしまったり、一念奮起して定職に付いても松坂さんの女給の副業を会社に密告し売店の仕事が解雇に至った原因が駅員で松坂さんに言い寄っていた石橋蓮司と勝手に判断し暴行を加え書類送検となる等々の短気・短絡さが欠点で、松坂さんが解雇後に始めたキャバレーのバーテンに従事した際にも元の不良仲間の林ゆたかと喧嘩沙汰を起こしてしまいます。そんなひろみさんのいい点を見出したのは松坂さんの高校生時代の恩師である生物教員の地井武男。松坂さんと地井さんは同窓会で出逢ってから姉弟の日々の相談相手として、そして松坂さんの起業の際に連帯保証人になる等々親密な関係になっていきましたが、一方で国内A級ライセンスを所持する運転技術があり、無免許運転ながらも初めての悪路運転で天性を発揮したひろみさんを自動車関係に従事させればいいのではないかと考え、ひろみさんを個人指導して姉弟待望の運転免許取得に漕ぎ着けた上に自家用車の注文に至りました。しかし、教習所で知り合った百貨店のエレベーターガールである森下愛子にドライブに誘われたひろみさんが目にした車は地井さんのレオーネであった為話を聞くと…

 

 

 

 

同じく松竹で制作された郷ひろみ主演「突然、嵐のように」西城秀樹主演「おれの行く道」浅田美代子主演「しあわせの一番星」早乙女愛主演「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」由美かおる主演「同棲時代・今日子と次郎」等々、年齢差に対する壁がまだ低かった古き良き時代の人間関係や将来を見据える事の出来ぬ若年層のふらつき等々を直球で見せる山根監督の作品は俺はかなり好きなのですが、鮮度の高い若手の良さを魅力的に引き出しながら、周囲を固めるベテラン勢及びヒントを与える脇役の使い方の巧さが光る(後者に関しては「ダブル・クラッチ」で言えば蜷川幸雄と有吉ひとみとなるか?)。当作品に関してもひろみさんの無頼性・不良性を全うする姿勢(何せ名前の漢字を教える場面で「(名字の)はやたの「はや」は早漏の早!あれ?お巡りさん若いのに知らないの?」と言い放つ程ですから)が松坂さんの常識性・生真面目さで引き立てられ、更に地井さんの善良性が真心なのか?偽善なのか?と云う要素が加わりひろみさんの奥底に隠れた優しさの欠片が引き出される切欠となっているのも良し!

 

 

少し内容を書きますが、地井さんは松坂さんと交尾をして白い小便で種付けをしてしまい松坂さんは未婚の母を選択しようとしていたものの地井さんの返答は曖昧で、それを知ったひろみさんは「姉に何かが起こったら森下さんを腹ぼてにしてやる!」と言い放ち、森下さんを強姦しようとしてしまった程(未遂)。そして松坂さんが地井さんに食事に誘われた事をひろみさんはいい方向性と思っていたらそれは…この頃の地井さんは「極めて善人か?極悪非道か?」の両極端であった印象がありますが当作品では個人的に「日活児童映画「ともだち」+東映京都「広島仁義・人質奪回作戦」の合わせ技」の様に感じたなぁ…目のギラついた悪役の地井さんは狂犬・渡瀬恒彦並みの魅力があります!そしてひろみさんの不良性感度もかなりのもので魅力が高く、松坂さんの美貌はひろみさん・地井さん、そして石橋さんと林さんのボンクラ性によって何処かへ吹き飛びそうな程!天津敏に痛め付けられた「突然、嵐のように」と共にもっと鑑賞環境を整えて貰いたい一篇です。