奪われた金塊の行方?第二東映東京「危うしGメン・暗黒街の野獣」波多伸二/波島進/河野秋武 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。

 

 

昨日21時に勤務を終え、月曜日11時の始業時迄休みです。今朝は毎週恒例の洗濯・掃除・清掃に加え夏用タイヤ/ワイパーブレード交換及び洗車と散髪をぱっぱと済ませやっと落ち着きました。何処かに出掛けたくなる陽気ではありますが昼酒をしながらゆっくり過ごそうかと思っています。

 

 

さて、岡田茂・前東映名誉会長の「何?亀石征一郞…あいつはいい男だが暗くて駄目!梅宮辰夫がいい!ああいうのが煽てれば木に登る!」の一言で東映東京の新生となった辰ちゃん…何故なら将来を期待されていた波多伸二が撮影中の事故でこの世を去ってしまった為代役に抜擢された為。その波多さんの主演作品が最近動画配信開始となりました。秋田市生まれで生家が俺のアパートから至近距離の伊賀山正光監督が手掛けられています。

 

 

「危うしGメン・暗黒街の野獣」昭和35年3月1日公開・渡辺剣次脚本・伊賀山正光監督・第二東映東京制作。未DVD化作品で先述の通りU-NEXT内に於いて最近有料動画配信が開始されました(見放題対象作品)。

 

 

 

 

刑務所を脱獄した波多伸二と河野秋武…その目的は入獄前に河野さんが強奪し隠した金塊を入手する為。そこで二人は或る酒場を根城としながらその機会を伺う事としたのですが、そこの頭の右腕で拳銃の使い手の波島進も居れば女給に扮した婦人警官の堀みどりも居り一触即発若しくは即座に再監獄入りの様相を呈していました。そして河野さんが記憶を頼りに金塊の隠し場所を探りに行くとそこには貿易商・加藤嘉の会社事務所が建っており…

 

 

 

 

序盤の段階で堀さんが上司から伝えられるのは「潜伏先には既に同僚刑事が潜伏している事実」それが主役の波多さんである事は容易に想像が付きますしその通りなのですが、それ以外に関しては結末近くに至る迄誰が本物の極悪人のなのか、体制側の人間は二人なのか更に多いのか全く読めぬ展開…加えて「金塊の行方を只管に追う極々単純な流れ」の為解り易くも手に汗を握らせる観客に非常に親切な出来。この様な仕上がりは後のテレビドラマに引き継がれて行きますが当作公開当時はテレビ放映が開始されてはいたものの高嶺の花かつ発展途上の段階でしたから映像作品となればまだまだ劇場公開作品の時代。同時に東映は後のテレビ時代を見据えていたのかと思う程転用が容易な題材をこの時代に数多く生み出していた意味でも存在価値が高いですし当作品を担当された伊賀山監督もこの後はテレビ中心の活躍をされたのですから目を見張る物が在る…

 

 

そして波多さんは俳優業は約一年と非常に短い活躍期間でしたが二枚目振りは勿論の事、この時期に同じく若くして事故死した赤木圭一郎とは又違った意味での格好良さがあり、もし波多さん・赤木さん共に事故に遭われる事も無く活躍されていたならば名演・名画をもっと多く遺して下さったでしょうしこの数年後に訪れる任侠映画・ヤクザ映画全盛期に於いても常連役者として大活躍をされたのではないかと想像してしまいます。