ケツの童貞返せ!アジャックス/東映クラシックフィルム「文学賞殺人事件・大いなる助走」鈴木則文監督 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。

 

 

昨日20時に勤務を終え月曜日11時の勤務開始時迄の休みです。残業続きでも休みの前日に定時終了出来るとそれだけで自分の時間が増えた様に感じ嬉しいものですし明日午前中に自家用車のエンジンオイル交換が予定されている以外は何もありませんので自室でゆっくりと過ごします。

 

 

さて、毎月鑑賞可能作品が増え続けているAmazonプライムビデオ内「東映オンデマンド」ですが、今月からは「昭和残侠伝シリーズ」「不良番長シリーズ(スピンオフ作品の「極道VS不良番長」を含む)の全作品が対象に加わりました。特に「不良番長」は個別でのDVD購入及び有料動画配信か東映chでの一挙放映以外はお得に鑑賞可能な方法が無かったシリーズですし「仁義なき戦い」「トラック野郎」等々の人気シリーズや「桃太郎侍」「暴れん坊将軍」「眠狂四郎(田村正和版)」等々の時代劇テレビドラマもAmazonプライム会員費用\499-+東映オンデマンド会員費用\500ーで一緒に観られますのでかなりお薦めです。

 

 

そして本日はDVD化作品でAmazonプライムビデオ(Amazonプライム会員見放題対象作品)/DMM.com/WATCHA/ビデオマーケット/U-NEXT/GYAO!ストア内に於いて有料動画配信が行われていますが、無料動画のGYAO!内に於いて2/9(木)00:00~3/8(水)23:59迄無料動画配信されます。「下品こそこの世の花」を信条としていた鈴木則文監督が最も愛したとも言われる作品です。

 

 

「文学賞殺人事件・大いなる助走」平成元年1月28日公開・筒井康隆原作・鈴木則文/掛札昌裕/志村正浩の共同脚本・鈴木則文監督・アジャックス制作・東映クラシックフィルム配給。

 

 

 

 

 

 

 

実父が社長を務める企業に勤める佐藤浩市は主婦の中島はるみの落とし物を拾って届けた事を切欠に同人誌の集まりに参加する様になり、しかも処女作の「勤務先かつ実父の社内の内幕を描いた作品」が同人誌仲間の足の引っ張り合いに遭いながらも認められ書籍として全国発売になり、更に文学賞の候補に迄…佐藤さんは同人誌仲間で唯一の理解者かつ不倫相手の中島さん以外の面々が足の引っ張る事を嫌悪し、又実父には勘当を言い渡された為これを機会に上京し作家として生きる決意に至りましたが、文学賞受賞の壁は悪い意味で高く…

 

 

 

 

当作品に関しては「ソクブン監督の作品の中では最も文芸思考」等々の意見もかなり見受けられましたし、ソクブン監督自身も文芸をよく知る方でした。しかし当作品は完全なる娯楽志向ですし「SFを馬鹿にしやがって!」とキャバレーで暴力沙汰を起こす作家役として原作者の筒井先生が登場していますが「娯楽を見下す文学志向・芸術志向に対する反骨精神で筒井先生とソクブン監督の意見が一致し実現したのでは?」と受け止められる内容!小綺麗さを装っていても「地獄の沙汰も金次第」及び「身体次第」の文学界の裏側や賞選考に至る会合の場、選考委員達個々の嗜好や事情等々を簡潔・的確ながら深く掘り下げ面白可笑しく描いているのは筒井先生の原作の面白さは勿論ですが「東映の一級娯楽映画を支えた名コンビの一つ・ソクブン監督/志村監督/掛札先生の経験値と観客目線最優先主義の集大成」と言い切ってもいいと思います。陰惨な最期の場面でさえも笑いを止めさせないのですからこの力量は国宝級!

 

 

一流作家の面々には南原宏治・汐路章・天本英世・小松方正・梅津栄・由利徹、足を引っ張る面々には蟹江敬三(女房役は宮下順子)・石橋蓮司・粟津號・泉じゅん等々に行き付けのスナックのママである藤山律子迄が加わります。更に胡桃沢耕史・団鬼六・誠直也・杉山とく子・ラサール石井・松本典子・渥美國泰・ポール牧・片桐はいり・中丸新将・そしてソクブン監督作品の神髄を知り尽くしていた山城新伍と配役陣も枚挙に暇無し!そして「文学とは地獄に墜ちる事!」「ケツの童貞返せ!」は名台詞!