預り者の淫靡な公衆便所の前では幾ら神父でも…大映東京「夜のいそぎんちゃく」渥美マリ/千秋実 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。

 

 

本日0時に勤務を終え、月曜日11時の始業時迄の休みに入りましたが来週は土曜日が通常出社日となっていますので今月唯一の連休です。年初から続いていた温暖さと実質無積雪は昨晩で一変し平年以下の寒さと暴風雪となっています。身の安全よりも寒さが嫌だから不要不急の外出はしたくなくなる程…事実必要な買物を全て済ませて明日迄何処にも出かけずにいい様にしています。

 

 

そう云えばGYAO!/GYAO!ストアが3/31(金)17:00をもって完全終了になるとの事…日活ロマンポルノや新東宝映画/国映等々が制作したピンク映画が相当数無料で楽しめるだけに残念ですが仕方がありませんしこれ迄の運営に感謝あるのみです。因みに当方の記事で以前紹介した原悦子主演/三崎奈美共演「おさな妻」二條朱実主演/市川亜矢子共演の「必殺色仕掛け」の日活ロマンポルノ二作品が1/23(月)00:00~2/22(水)23:59に無料動画配信されます(他にも桃井かおり主演「エロスは甘き香り」が2/5(日)迄配信中、更に志麻いずみ主演「東京チャタレー夫人」が1/28(土)より約一ヶ月間無料動画配信開されます)。

 

 

 

又、YouTube内「東映シアターオンライン」では1/27(金)20:00より、狂犬・渡瀬恒彦がこの作品の為に大型一種免許を取得に行き一発で合格した上に「何の為に大型免許を取ったのか…これが遣りたかったからだ!」と自ら大型バスでカースタントを披露し最後に横転させた伝説の「狂った野獣」(別名「狂った渡瀬」と、実生活内の東映ファンでは言っています。実は俺が思い付いた別名ですが…)が無料動画配信されます!此方もお薦め!

 

 

そして本題は渥美マリの主演作品…VHS化はされたものの未だにDVD化もされていなければ有料動画配信も無く、有料波での放映も10年程前に行われたのが最後。マリさんの主演作品、俺はかなり好きな類ですのでもっと観たいのですが同時期に活躍されていた関根恵子(現・高橋恵子)の主演作品と比べると冷遇されている感を抱きます。昭和46年末の大映の経営破綻後のお二方の活躍度合や「淫靡なボンクラ好みのマリさん・脱ぎっぷりが良くても清楚さを全く失わなかった恵子さん」の差が大きく影響しているのかもしれません。

 

 

「夜のいそぎんちゃく」(「渥美マリの軟体動物シリーズ」第四弾)昭和45年7月1日公開・舟橋和郎脚本・弓削太郎監督・大映東京制作・ダイニチ映配配給。余談ですがこのポスターの表情、范文雀に少々似ている様な気が…しかし映像作品や他の宣伝媒体でのお顔は全く違い別人とはっきり解ります。

 

 

 

 

存命の唯一の肉親である実妹・飯田恵美子と共に縫製工場に勤務していた渥美マリ…その飯田さんが起こした工場内での窃盗事件をマリさんは妹可愛さ余りに無実の罪として背負い少年院に送致されましたが晴れて退院の日、教会の神父である千秋実の元に身を寄せる事となります。素直でいい娘なのですがその素直さは異性関係に於いても本領を発揮し過ぎ、教会青年部のボンクラ野郎達の「夜の公衆便所」と化してしまいました。「教会内が最も安全」と連れ込み宿代わりに交尾を楽しんでいたマリさんを千秋さんは一度は咎め、青年部員からマリさんを守る為にアパートの一室を用意して一人暮らしを始めさせましたが、見事な美貌・淫靡な身体・交尾が大好物となれば千秋さんも神父である前に野郎…木乃伊が木乃伊取りとなり遂に公衆便所に白い小便を放出してしまいました。これが千秋さんにとって破滅の序章となり…

 

 

 

 

もしマリさんの主演作品を幾つか鑑賞されている方々であれば物語開始の時点で先行き及び結末が大方想像出来る作品。事実大凡俺の考えていた様になりましたが、予定調和(見方によってはマンネリと仰られる方も居られるでしょう)そのもので進んで行く作品と云うのも単純明快かつそうだからこそ演者の人間味等々が非常にいい意味で醸し出されておりいいもの。先の展開が複雑に、意外性を持って結末に進んで行く作品を好まれる方々が最近は非常に多いですし近年は制作側もそれを意識した姿勢となっていますが、そんな情勢下の現代で当作品及び同様の思考・志向で制作された作品を鑑賞されれば逆に新鮮味を感じられるかもしれません。

 

 

そして「例え一時の、行きずりの情交であってもその場だけでもお互いを好きになれなければ快感を伴う情交は成立しない」「野郎の性欲は時として肩書云々を乗り越えてしまうが後先を考えなければ身の破滅となる」「野郎の好きは理性でも女性の好きは感性…理性で押しても感性を理解しなければ愛情は希薄を経て嫌悪に変わる」等々、娯楽と淫靡さを通して野郎に女性の感性とは何かを教えているのは優れモノ!恐らく大映及びダイニチ映配では梅宮辰夫が主演を務めた東映東京制作「夜の青春シリーズ」「夜の歌謡シリーズ」に対抗する作品として「軟体動物シリーズ」を立ち上げたと思っていますが「辰ちゃんの対抗馬にマリさん抜擢し男を狂わす女を見事に成立させた功績は非常に大きい」かつ「当シリーズは俳優VS俳優ばかりが対抗手段ではない事実を証明した金字塔」と言ってもいいかと思います。