糞亭主の為に局部を開いても…日活ロマンポルノ「おさな妻」原悦子/山本伸吾・無料配信中 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

●当作品は本公開時一般作品(=G指定)でしたが一部の館では制限付き一般作品として公開、そしてDVD化時点の再審査で「R15+版」となった事を踏まえ、日活ロマンポルノ作品の一つとして扱います。

 

 

皆様、こんにちは。

 

 

一昨日の23時に勤務を終え、月曜日11時の勤務開始時迄の休みですので本日二日目の休日…因みに昨日は使用の為更新しませんでした。そして職場では先週「月末恒例の売上確保・取引先からの滑り込み業務依頼」に加え「感染者及び濃厚接触者が複数発生」により修羅場と化しました。この影響は少なくとも明日から数日間は続くでしょう。でも、俺自身を含めて感染対策をしていても何時何処で感染し迷惑を掛けるか解らない…明日は我が身と意識して生活し、もし感染したら「免疫が出来て心配の種が小さくなる」と思って大人しくするのがいいのかもしれません。

 

 

さて本日は10/31(月)23:59迄GYAO!内で無料動画配信されている作品です。昭和45年に制作された関根恵子(現・高橋恵子)主演の劇場公開作品版(大映東京制作)・麻田ルミ主演のテレビドラマ版(C.A.L制作)と同名の作品ですが原作を持たぬ独自の作品で内容も全く異なります。

 

 

「おさな妻」昭和55年4月26日公開・鹿水晶子脚本・白鳥信一監督・日活制作。尚、主演の原悦子の幼少期を子役時代の中嶋朋子が演じています(中嶋さんににとっては劇場公開作品初出演作品)。DVD化作品でひかりTVビデオ/WATCHA/DMM.com/ビデオマーケット/Amazonプライムビデオ内に於いて有料動画配信が行われています。

 

 

 

 

郵便局勤務の原悦子は興信所勤務の山本伸吾との婚姻を機に実父の桑山正一と継母の絵沢萠子の元を離れ古アパートで新婚らしい生活を送っていましたが、実は山本さんは解雇されており原さんはそれを知らぬまま…しかも原さんの同僚かつ先輩である三崎奈美と山本さんは不倫関係にありました。更に悪い事は続くもので、山本さんが調査相手を強請った際に示談金を工面した興信所の柄の悪い連中が立替金を支払う様に要求してきた事で原さんは解雇の事実を知った上に強姦され、程なくして郵便局を依願退職した原さんはアパートの向かいの部屋に住む女給の吉行和子を頼って女給となり、事件の経緯を吉行さんのヒモである矢崎滋から聞いた山本さんは三崎さんとの関係を絶って原さんの元へ戻り…

 

 

作品の惹句は上の広告の通り…「自立する女」が吉行さん・三崎さんなら「愛に生きる女」が原さんとなるでしょう。青年期に於ける家庭環境・生活環境が何方かと言えば不遇だったからこそ(しかし桑山さんとの関係は良好ですし、継母の絵沢さんとの関係も決して悪くはなく相談相手としても機能はしています)「愛のある清貧」を夢描きそれが継続する事を切に望んだ原さんの思いは徐々に崩壊。そしてその後は「愛の為なら糞亭主の為に局部を開いて使っても減らぬ穴を利息代わりにして上客から大金を借り受ける」反面「泣きたくても死にたくてもそれすら出来ず亭主の過去の過ちを受容・精算し再度信用」「理想と現実の境界線が曖昧になる様相=惹句の通り「愛に生きる女」だからこその天秤の不安定さ」が鮮明となる…平たく言えば原さんは「世間知らず」なんですよね。そこを人生経験が豊富な女給の吉行さんやヒモでありながらも女の痛みをきちんと知る矢崎さんが若い夫婦を時には支えていますし「自立する女」の吉行さん・三崎さんには「泥水を啜ってでもカスベを食してでも身体を売らず野郎を支えてやると云う強い女の姿」が見え隠れしています。先に制作された「おさな妻」が成長記であるならば日活の「おさな妻」は精神的な幼さを主題とした作品で此方も題目通りの出来映え。同名異作を一緒くたに捉え比較する方々は多いのは致し方ないですし観方は人其れ其れですが、一線を引いて鑑賞すると相当に出来がいい事に気付いて貰える筈!現状は今一つの評価が目立ちますが門戸が広い無料動画配信を機に少しでも評価が上がる様に期待したいものです。