名曲「無情のブルース」初使用。東映京都「関東流れ者」この時世だからこそ鶴田浩二の我慢を! | 東映バカの部屋

東映バカの部屋

東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

●この記事は平成27年9月5日及び令和2年3月28日他に掲載した記事を改筆・編集の上再掲載しました。



皆様、こんばんは。秋田市内は暖かく雨模様です。

 

 

今週末は本日が休日出勤となりました。11時より20時迄の勤務…そして来週は夜勤ですので毎日三時間残業確定!更に今後は13時出勤と18時出勤を隔週若しくは二週間毎に繰り返す形態となる事が決定しました。生活の事を考えればいいですが、これ迄よりも映像作品の鑑賞本数は減る事は確実です。入社時よりも部署内の人員が減少し、定時で帰宅出来る日がほぼ無くなって来ていますので…



さて本日は、鶴田のおやっさんの名曲「無情のブルース」(YouTubeで聴くには此方から)が初めて使われた作品ですが、本年初頭から現在に至る迄世界中を混乱に巻き込み続けている新型コロナウイルス…心身共に疲弊される方々が増える一方の状況下では「疲弊を吹き飛ばす爽快な作品・大馬鹿で笑い転げる作品」が必要である一方、未だに日本の役者陣に於いて「最右翼」である、自身の軌跡をも絡めた「鶴田浩二が作品を通じて教えてくれる我慢・男気」も必要!そこでこの記事を四度目ではありますが再掲載させて頂きます。



「関東流れ者」(「関東シリーズ」第一弾)昭和40年4月18日公開。小沢茂弘脚本/監督兼務・東映京都制作。


未VHS/DVD化作品で有料動画配信も行われていません。因みに去年東映chに於いて当作品を含めた「鶴田浩二の関東シリーズ」が7.8年振りに全作品放映されました

 

 

 

 

余談ですが、昭和46年に日活が渡哲也主演・小沢啓一監督で「関東流れ者」という全く同じ題目の作品を制作しており、僅差ではあるものの一般評価は日活版が上であり知名度も高い模様です。


但し題目が同じであるだけで中身や時代背景は全く別…因みに俺は何方も好きですが(渡社長版はchNECO等々での放映実績が有ります)例え渡社長でも鶴田のおやっさんの魅力には敵いませんので東映版に軍配です!勿論、小沢天皇の演出手腕の高さも光ります。
 

 

 

IMG_20150806_080654376.jpg



 

同時上映は「網走番外地」(シリーズ第一弾)。
 
 
 
 

 

●東映公式・YouTube予告篇動画







そう云えば、この「網走番外地」も日活で同名の作品が、東映よりも前に制作されており(昭和34年2月18日公開・原作は同じく伊藤一・松尾昭典/柏木和彦の共同脚本・松尾昭典監督・日活制作/配給。小高雄二/浅丘ルリ子/大坂志郎等々が出演。未VHS/DVD化作品で有料動画配信も有りません。KINENOTEの作品案内は此方から)作品内容を読むと「ムショで改心する男と出所を心待ちにする女の話」で東映版とは全く違う趣の様です。(しかし「原作を忠実に映像化したのは日活版」という内容の記載を何処かで読んだ記憶が有ります。東映版は原作者・題目共に同一であるものの物語は独自のものです)



「関東流れ者」は東映京都制作で鶴田のおやっさんが主演した「関東シリーズ」の第一弾でカラー作品「網走番外地」は東映東京制作で健さんが主演し、この時点ではシリーズ化は決まっていなかった白黒作品ですから「関東流れ者」の併映が「網走番外地」と云う事になるでしょうが…人気は「網走番外地」が完全に上回り、東映でも屈指のシリーズになった事は皆様ご承知の通りです。


 
地主の兄の横暴に愛想を尽かし、許嫁(小山明子)も捨てて「一匹狼の渡世人」となったおやっさんが「無情のブルース」の歌詞のままの姿の男を演じますが内容は「無情のブルース」そのまま!ですので歌詞を掲載します。



①弾き出された 半端な命


捨てても未練が 有るじゃなし


義理も人情も 紙風船だ


これがやくざの これがやくざの 生きる道


②俺の女房と 抱いても遣れず


あの娘(こ)と他人に なれもせず


死んだつもりで 忘れる恋だ


流す涙は 流す涙は 何故熱い


③意地を賭けたら 一分も引かぬ


来るなら度胸を 決めて来い


聞いてくれるな やくざな世界


俺は笑って 俺は笑って 行くだけさ



素晴らし過ぎます!この歌詞から僅かでもいいから鶴田のおやっさんが伝えたかった「日本男児の心意気と考え方」を軟弱な男達に感じて貰いたい!それが少しずつでも広まって行けば、徐々に「日本男児」の再生に繋がっていく事でしょう。


「侠客・極道の歌」ではありますが、以前も書いた通り「堅気が侠客・極道から学ぶ事は数多く有る」と云うのが「俺の考え方」ですし、当作品自体も鶴田のおやっさんが「日本男児はこうあるべきと云う精神論の一片を見せ付けて教えてくれるいい作品」。


 

 

IMG_20150806_080654677.jpg

 




主題歌がおやっさんなら挿入歌は北島三郎の「兄弟仁義」しかも当作品公開の5日後(昭和40年4月23日)には松方弘樹主演・サブちゃん助演で「兄弟仁義」(シリーズ第一弾)が公開されていますし、その前触れとも言える「自らの歌を背にして全裸のまま血塗れ・泥塗れになって絶命するサブちゃんの姿」が有ります。


ここに大木実・山城新伍・山本麟一・澤・内田朝雄・遠藤辰雄(後の遠藤太津朗)・藤純子・中田ダイマル・中田ラケット(お笑い担当)そして村田英雄が花を添えるのですから東映任侠映画好きには文句の無い配役陣!



この「無情のブルース」ですが、主題歌/挿入歌として東映にとっては相当使い易かった面が有った様で、加えておやっさんの持ち歌の中では「東映ファン」からの人気が特に高かった一曲だったのでしょうか…当作を皮切りに「博奕打ち」(シリーズ第一弾)他同シリーズで4.5作品、「渡世人列伝」「傷だらけの人生」(シリーズ第一弾)で主題歌/挿入歌/歌唱無しの上で楽曲として使用されました。(探せばまだ有るかもしれません)


俺は「軟弱な恋愛歌」より(女性歌手の恋愛歌の方がずっと好きです。男の恋愛歌はどうも女々しい上湿っぽく弱々しいのが多過ぎて駄目!しかし松山千春・やしきたかじん等々の様に「女心を見事に歌い上げる野郎の恋愛歌」は好きです)「野郎の心意気を歌った汗臭さ・義侠心満載の歌」の方が遥かに好きだし、こういう歌の人気が上がれば「日本男児が少しでも再生される切っ掛け」になると考えています。
 
 
 
 
 
 
最後に、数年前にAmazonを通して購入した二冊の本を紹介します。



●左「父・鶴田浩二の影法師」鶴田さやか・著(鶴田のおやっさんの三女で女優/歌手。アメーバブログで記事更新をされています)平成12年6月5日初版発行/マガジンハウス・刊。


●右「鶴田浩二」杉井輝応・著(発行当時、東京印刷工芸株式会社代表取締役社長)平成9年6月16日初版発行(おやっさんの御命日に発行されています)扶桑社・刊。


 

IMG_20150806_080653748.jpg

 

 

この後、平成12年6月5日に新潮社が初版を発行した鶴田のおやっさんの長女・カーロン愛弓の著書「父・鶴田浩二」も買いました。

 

 

鶴田のおやっさんの人となりを知る上でこの三冊は必読ですし、一生持ち続けます。