松平信康の苦悩・東映京都「反逆児」中村錦之助/伊藤大輔監督。6/7(日)東映chで無料放映 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。

 

 

休み二日目、快晴で夏日となりそうです。そして昨日やっと給付金の申請書が到着し、事前に準備しておいた銀行口座通帳と運転免許証のコピーを同封し投函しました。しかし俺と同じ事を考えている方々が多かったのでしょう…俺は大事な郵便物は自宅アパートから自家用車で5分程の場所に在る普通局(秋田中央郵便局)に持っていくのですが、土曜日にしては人が多く、しかも同じ封筒を持って投函する方々の多い事!支給は最短で6月上旬の後半との事ですが、殺到するでしょうから一か月程度はかかると思っています。この様な事は悲観的(とは言い過ぎか?)に見ておいた方が…

 

 

 

さて本日は来月の東映ch「傑作時代劇スペシャル」の枠内で放映の一作品からです。

 

 

 

「反逆児」昭和36年11月8日公開・大佛次郎原作(ウェブサイト及び文献等々により「大仏次郎」と表記されている場合が在ります)・伊藤大輔脚本/監督兼務・東映京都制作。

 

 

VHS/DVD化作品でU-NEXT/ひかりTVビデオ内に於いて有料動画配信が行われています。

 

 

又、先述の通り東映chに於いて6/7(日)19:00~21:00に無料放映されます。以降は有料で6/15(月)21:30~23:30・6/17(水)11:00~13:00・6/27(土)11:00~13:00に放映となります(字幕付きHD放映)。

 

 

 

 

 

 

※KINENOTEの作品案内は此方から

 

 

 

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弱冠二十歳にして切腹となった徳川家康の嫡男・松平信康(三郎信康)の苦悩と悲劇を大佛先生の戯曲に乗せて映像化した作品で(諸説が数多く存在しているのも事実ですが、映像作品群は庶民の娯楽ですからこれでいいでしょう)識者・鑑賞者側を問わず「大輔監督の最高峰」「時代劇の正当ともいうべき格調」と評価する方々も多く、特に淀川長治は昭和36年度のキネマ旬報日本映画ベスト10の第一位に選出しています。そして主演の中村錦之助(後の萬屋錦之介)の凄まじい熱演に大輔監督が感激し涙を流したとも(以上はウィキペディア内「反逆児」より引用しました)。

 

 

 

 

 

 

徳川家康(佐野周二)を父に、今川義元の姪である築山御前(杉村春子)を母に持ち、妻は織田信長(月形龍之介)の愛娘である徳姫(岩崎加根子)と、一見非常に恵まれた家計と感じられるものの自由、特に意識や決断等々に於いてはこれ程の柵が存在した人物が居るだろうかと思う程。中盤では「前後左右を壁の様に隔てられていてそこから抜け出る手立てが解らない」と苦悩を吐き出した錦之助御大。その心情に応え対し幼少時から錦之助御大と友の様に育って来た服部半蔵(東千代乃介)等々が決起しますが…「親子愛・夫婦愛が深過ぎた事が生み出した怨念。そして真の心を知った時には手遅れとなり至ってしまった悲劇的決断と最期」「自らに余りに似過ぎている事を恐れた信長の策略」「呪ってでも怨念を果たそうとする築山御前」等々追い込まれていく展開。

 

 

前半2/3は「悲劇に至る経緯」を丁寧に描き、残り1/3で「後悔と苦悩に陥った其々の人間模様を信長の策略を絡めて展開させている」と言えばいいか…特に最後の大凡20分間は目が離せぬ展開で、錦之助御大が一人で泣き伏せる姿と、千代様・安井昌二・河原崎長一郎に課せられた厳命と葛藤は最大の見せ場となります。

 

 

「父母双方共に大事だが間違っているのも父母双方。生きるに生きられぬはこの信康!父が家康でなければ、母が築山御前でなければ斬るがもし天下に父母の為にならぬ者が居れば是非を論ぜず俺はその者達を斬る」と言い放った錦之助御大の名台詞は一度耳に入ったら離れません。

 

 

 

 

 

 

当作品も他の東映時代劇映画と同様、原健策・三津田健・香川良介・明石潮・浅野光男・片岡栄二郎・桜町弘子・北沢典子・風見章子・喜多川千鶴等々「お馴染みの顔触れ」が登場しますが、特筆すべきは杉村さんの密偵として暗躍する河野秋武と、錦之助御大の良き理解者の一人で反旗を翻す絶好の機会を捉え伝えた進藤英太郎でしょう。河野さんは密偵そのものですが、進藤さんに関しては錦之助御大の父親代わりの側面も見え隠れしています。

 

 

皆様に無礼を承知で…当作品を文章化しお伝えするのは非常に難しいです。深過ぎた愛と追い込み過ぎた怨念、そして壁に風穴を開けようとする思いが行き過ぎた事が悲劇への序章となってしまったこの人間ドラマを、来週日曜日の無料放映の機会に堪能して頂きたいと思います。

 

 

 

 

 

 

最後に…当作品の後に当たる6/1(日)21:00~23:00には、千葉真一主演「激突!殺人拳」(「殺人拳シリーズ」第一弾。昭和49年2月2日公開・高田宏冶/鳥居元宏の共同脚本・小沢茂弘監督・東映京都制作。VHS/DVD化作品で、U-NEXT/DMM.com/TSUTAYA TV/ビデオマーケット/Amazonビデオ/YouTubeムービー内に於いて有料動画配信が行われています)が無料放映されます(字幕付きHD放映)。

 

 

有料放映日は6/1(土)22:00~23:50・6/14(日)20:30~22:30・6/24(水)11:00~13:50となります。

 

 

 

 

 

 

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