日活ロマンポルノ第一号!「団地妻・昼下りの情事」白川和子・6/10(水)迄GYAO!で無料配信中 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんばんは。

 

 

夕方17時の勤務開始に備えて夜更かし中ですが、西日により部屋の中が暑くなった上に夕方遅くになっても熱気が抜けず、早くも冷房を使用し30分程かけて室内温度を落とし、日の入り後は窓を開けて過ごしています。

 

 

 

さて本日は此方の作品を…記念すべき「日活ロマンポルノ現代劇路線」の第一号作品!

 

 

 

「団地妻・昼下りの情事」昭和46年11月20日公開・西田一夫脚本・西村昭五郎監督・日活制作(KINENOTEには公開日が「昭和46年12月20日」と掲載されていますが、誤植かと思われます)。

 

 

DVD化作品で、スカパー!オンデマンド/TSUTAYA TV/Amazonビデオ/YouTubeムービー内に於いて有料動画配信が行われていますが…現在GYAO!に於いて「R15+版」が6/10(水)23:59迄無料動画配信中です!

 

 

 

 

 

 

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●日活公式・YouTube予告篇動画

 

 

 

 

 

 

商社マンの浜口竜哉を亭主に持つ白川和子は、同じ公団住宅に住む海外出張中の亭主を持つ南条マキに隠しマイクで夜の夫婦生活の様子を録音され、白川さんが性生活に不満の有る事を感付かれてしまいます。

 

 

何故なら南条さんは亭主が不在であるのをいい事に性の快楽を満足させながら実益を兼ねた売春婦となっていた上に、仲間である前野霜一郎と結託して売春婦の斡旋及び団地内の主婦の誘い込みを行っており、その為なら弱みを掴む目的で精力的に行動する程…案の定白川さんも、浜口さんの大学時代の親友で如何わしい商売に手を染めていた関戸純方との一夜の過ちを南条さんに掴まれてしまい売春婦となります。

 

 

始めは嫌々ながらの稼業であったものの徐々に白川さんは簡単に大金を得られる様になった為、これ迄我慢をして来た物欲が破裂した上に、奥底に眠っていた淫乱の気が目を覚ましずぶずぶと性の快楽に嵌って行きました。しかし、浜口さんが大口商談の決定打として関戸さんを通じて前野さんに売春婦の派遣を要請し、その場に訪れていたのが白川さんであった事が夫婦の絆を引き裂き、更には家庭を壊した南条さんに白川さんは…

 

 

 

数年前、NHK・BSプレミアム「アナザストーリー」で日活ロマンポルノを取り上げた回が放映され(但しこの番組は沢尻エリカが司会を務めていた為、現在の社会情勢では再編集処理を行わなければ放映は不可能と思われます。番組に罪はありませんし沢尻さんの司会振りが中々であった為、俺はそのまま放映して欲しいのですが)当時の日活社員達は当作品の試写会に参加して社を去る決断をした者も居れば、逆に「ガチャン(=手錠)を覚悟してでもこれで食わねばならん!」と腹が据わった者も同数程度居たとか…そして白川さんも出演し「ピンク映画をナメるなと云う気持ちで最初は断ったが結果として受けた。そして日活の現場を見て「この方々の為に遣らなければいけない!」と意識が変わった」と云う意味合いの事をお話しされていました(もし記憶違い及び誤りが在りましたなら何卒ご容赦下さい)。

 

 

当作品公開直後に経営破綻した大映の場合、昭和40年頃で「制作原価が6000万円で上がれば黒字」と言われていたそうですが、当作品は63分の尺で制作原価は750万円(因みに昭和40年代末から昭和50年頃に東映は「500万円ポルノ」を制作しています)…ピンク映画は更に予算が少なかったですからそれと比べれば潤沢とは云え、1000万以下の原価で作品を仕上げるのは日活にとっては大きな賭けでもあったでしょう。しかし「残留する社員達に覚悟を決めさせる効果」「大手映画会社が未知の作品種別であったポルノ映画専門の制作・配給会社に転換した観客側の衝撃」(但し、年に1.2作品の一般向け作品及び児童映画作品が並行して制作されていました。勿論ロマンポルノの制作関係者・出演陣も多く携わっています)等々は絶大であったでしょうし、それ等に応える様に「低予算・短時間でもきちんとした作品を提供する姿勢=日活の伝統と誇りはロマンポルノに転換しても何一つ変わらなかった事」を当作品は証明しています。そして東映・大映程ではないにせよ「テレビドラマに携わっていた事が短時間できちんとした物語を完成させる手腕に大いに生かされた」とも感じます。

 

 

性生活の不満を抱きながらも周囲には地味で堅実と見られていた白川さんが、弱みを掴まれてしまった事を切っ掛けに物欲に溺れると同時に性が目覚めて真逆の人間に変わり果てた結果悲劇に見舞われる展開は今でこそ普通であれ、当時は各方面に大きな影響を与えただろうと考えます。そこに日活の蓄積して来た財産が相まって「この類を初めて手掛けたとは到底考えられぬ程の傑作を生みだした」と言えると思います。事実、この後も多くの優れた役者・制作者等々を日活は送り出しましたが、それ「人を育てる環境が整っていた上にきちんと継承・踏襲された賜物」でしょう。

 

 

 

尚「昼下りの情事」の併映作品で此方は「日活ロマンポルノ時代劇路線の第一号」である新関次郎脚本・林功監督・小川節子主演色暦大奥秘話」の「R15+版」が6/27(土)02:30・7/15(火)01:45より衛星劇場で放映されます(HD放映・スカパー!サービスのみ。尚、令和2年5月にも複数回放映されています)。

 

 

洋泉社・刊「映画秘宝・平成27年4月号」内に於いて、長い闘病生活から見事に女優復帰された小川さんのインタビューが掲載されているのですが(今年古本屋で偶然にも発見出来購入しました)「林監督は淡々として優しい方で早撮りで有名だった。当時は日活労働組合が煩かったものの、林監督の場合は現場社員達が「よし!定時上がりだ!」とサクサク動くので楽だった」そして「えぐい場面描写や物語は苦手で曽根中世監督は嫌だった」等々とも…

 

 

 

 

 

 

 

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※衛星劇場の令和2年6月分の作品案内・放映日時案内は此方から/令和2年7月分の作品案内・放映日時案内は此方から

 

 

 

又、GYAO!では6/3(水)00:00~6/16(火)23:59迄「山城新伍は名役者・名監督双方の称号を得た数少ない人物である事」を証明し、俺としては「早乙女愛の代表作はダントツで個人的な怨念を主題として、レズビアンがホモとセックスに至るかどうかを絡めて描いたこれだ!」と皆様に強くお薦めしたい(勿論早乙女さんはレズビアンですし、非常に均衡の取れた大きな乳房をサービス満点で揺らし、揉まれながら披露をしています)「女猫」の「R15+版」が無料動画配信予定。

 

 

嗜好等々は人其々とは言えKINENOTE内の鑑賞録には散々な評価が並んでいますが、俺は大好きなロマンポルノの一作品かつ佳作と思っていますし「ミスター・プログラムピクチャー」の称号を持つ新伍ちゃんらしさと観客目線至上主義が監督業でも十二分に発揮されている点を高く買っています。

 

 

 

 

 

 

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そして「俺が観たかった未見作品」でもある神代辰巳監督・宮下順子主演「四畳半の襖の裏張り」の「R15+版」が6/4(木)00:00~6/17(水)23:59迄無料動画配信予定です。

 

 

 

 

 

 

 

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