追悼・高瀬将嗣。30歳で高校生役を演じた訳は…東映「ビー・バップ・ハイスクール高校与太郎行進曲」 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんばんは。17時に勤務を終え帰宅しましたが、明日は午後より私用の為休みを取っており、今晩はゆっくりと過ごせます。

 

 

 

さて昨日、技斗師で高瀬道場顧問、他にも俳優・脚本家・映画監督等々幅広く活躍された高瀬将嗣顧問が63歳でご逝去されました。

 

 

大学在籍時より父親で日活の殺陣師であった高瀬将敏の助手を務めながら俳優としても活躍し、昭和53年より「特捜最前線」の技斗担当を将敏氏から受け継ぎ本格的に数多くの作品のアクションを担当された、正に「縁の下の力持ち」これ迄の活躍に感謝を申し上げると共に、心よりご冥福をお祈り致します。

 

 

 

「技斗師」としての代表作は非常に多いですが、この中で取り上げたいのは「当初予定されていた役者が台詞が多くて覚えられないと出演を辞退した際、ソリを入れれば30歳でも十分高校生に見える!」と唆され、技斗師を担当しながら役者としても大馬鹿芝居を見せ、当作品のヒロインである宮崎ますみが芝居を超えて燥ぎ捲ったようにも見えるこの作品…

 

 

 

「ビー・バップ・ハイスクール高校与太郎行進曲」(「ビー・バップ・ハイスクールシリーズ」第三弾)昭和62年3月21日公開・那須真知子脚本・那須博之監督・・セントラルアーツ制作協力・東映制作。

 

 

VHS/DVD化作品で、U-NEXT/Netflix/DMM.com/TSUTAYA TV/GooglePlay/ひかりTVビデオ/ビデオマーケット/Amazonビデオ/YouTubeムービー内に於いて有料動画配信が行われています。

 

 

 

 

 

 

※KINENOTEの作品案内は此方から

 

 

 

●東映公式・YouTubeプレビュー動画

 

 

 

 

 
 
仲村トオル・清水宏次朗・宮崎ますみにとにかくおちょくられ馬鹿にされ、謂れの無い喧嘩に巻き込まれ最後は大馬鹿で締める、正に日活「嗚呼!!花の応援団」三部作にレギュラー出演された実績と心情をそのまま生かした様な馬鹿芝居には頭が下がるのみ(全作品DVD化済み。尚、主演の青田赤道は毎作品変えられていますが高瀬顧問は同じ役で全作品に出演されています)。
 
 
「野郎臭さ・大馬鹿・助平・アクション」等々、娯楽要素を深く理解されている方は芝居・制作何方に関わってもいい仕事を観客目線で全うしてくれる事を証明しているとも言えます。因みに高瀬顧問は「学生時代の経験が生かせる仕事」と言われていましたから…相当に凄まじい学生生活を送られた事が解ります。
 
 
 
 
 
 
「技斗師として厳しく接していた鬱憤をトオルさん率いる三人組が芝居を通して晴らしたのかなぁ?」とも感じますが…作品としても「前半戦の主題は●ーマン」!キクリンこと石井博泰が「●ーマンのお裾分け!」「地井武男扮する少年課刑事に「はい!●ーマンです!」と答えて怒鳴られる!」等々の大暴走を見せている、シリーズの中では野郎度合いも助平度合いも、そして勿論馬鹿具合も最上級ではないかと思う傑作!
 
 
 
「相当に凄まじい学生生活の実態」は高瀬顧問の自著「技斗番長活劇戦記 実録日本アクション闘争記」(洋泉社・刊/¥1500-+税)に書かれています。
 
 
 
 

 

 

 

この書籍の中に書かれていた事で大爆笑したのは…「刑事貴族3」に悪役として出演した際、中山忍を拉致監禁し張り倒す役を遣ったら日本テレビに「忍ちゃんを殴った奴の家に火を点けて遣る!」と脅迫電話が入った時「悪役の充実感を満喫した」と…しかも高瀬顧問は自らの道場が老朽化で改築を余儀なくされていた為に番組統括担当に「是非うちの住所を教えて火を点けさせて欲しい!そうすれば火災保険が下りてタダで道場が建て替えられる!」と頼んだら、冷たい目で「貴方番組を潰す気ですか!」と返答!

 

 

「刑事貴族」は東宝だからなぁ…冗談であっても全く通らなかったのでしょう。もしこれが東映だったら悪乗りして本当に誘導したかもしれません、しかも岡田茂名誉会長主導で!当時の東映はまだまだこの様な事を遣りかねない雰囲気が在りましたし冗談が通り過ぎる位通るし、この一部始終を「実録」と称して、例えば「東映Vシネマ」として映像作品化したかもしれないなぁ…