偽善を爽やかに斬捨てる!日活「涙くんさよなら」ジュディ・オング/太田雅子/山内賢・西村昭五郎監督 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。

 

 

休み五日目、何処かへ遠出したく天気ではありますが…車窓と散歩で我慢です。昨日は記事にも書きましたが近所のホームセンターで炊飯器を買い替えし(13年使用しましたが、タイマーの調子が悪くなりました)今後は有料波に加え動画配信も並行して利用したい為(Amazonプライム・DMM.com・GYAO!ストアが利用可能な様にしました)「Amazon fine stick 4K」を購入。後者はこの時勢の為か秋田市内では「Google Chromecast Ultra」と共に売り切れ続出で、最後に寄った家電量販店で最後の二つの内の一つを手に入れる事が出来ました。

 

 

しかし炊飯器もピンからキリ迄になりましたね。俺は秋田市内在住とは云え品種に固執しない為粒が大きめの複数原料米を研いだ後に冷蔵庫の中で半日水に漬け、炊飯前に日本酒を小匙一杯加えて遣っていますので型遅れの五合炊きを税込¥6000-で買いましたが、エアコンや4Kテレビの廉価機種並みの価格の物も珍しくはなくなって来ました。因みに自炊は普段から遣ってはいましたがここ2.3年は外食や弁当の購入はは数か月に一度、行ったとしても近所の牛丼屋程度となっています。安価て満足な量が食せますし栄養の均衡も取れる…そして最近の飲食店は「雑誌や漫画を置かなくなり、杓子定規の対応しか出来ぬ店員が殆どで(牛丼屋もそうですが、俺は混雑でもしていない限り10分以上居た事がありません)店を切り盛りする主等々との人間関係が築けなくなっているのが嫌」と云うのも理由です。営業職を経験していると「高額商品を購入するにも飲み食いをしに行くにも人間関係構築が一番の決め手」となります。

 

 

 

さて本日は…「毎年八月に行われる黄色いシャツを着てお祭り騒ぎをする恒例の偽善者番組」が大嫌いな俺が(FNNチャリティ募金やNHK歳末助け合い等々の様に、番組の合間に協力願いをすればそれでいい!お祭り騒ぎは一切必要無し!)感心した作品です。「激しい作品や卑猥な作品、グロテスクな作品ばかりを観ているとたまに奇麗な作品や昭和期の女優・アイドルの作品が観たくなるもの」(また「演歌や軍歌、コミックソング等々ばかりを聴いていると昭和期の女性アイドル歌謡を聴きたくなるもの」です)それが鑑賞理由(石井輝男監督も生前「演出志向」の視点で同様の意味合いの事をお話しされていました)。

 

 

 

「涙くんさよなら」昭和41年7月30日公開・倉本聰/明田貢の共同脚本・「日活ロマンポルノの演出作品数では最多」を誇る西村昭五郎監督・日活制作。

 

 

VHS/DVD化作品で、U-NEXTに於いて有料動画配信が行われています。7.8年前にchNECOでの放映実績在りますが…下の写真でお判り頂ける通り、坂本九は未出演です。米国と日本でこの曲をヒットさせたジョニー・ティロットソンが出演している関係か…

 

 

 

 

 

 

※KINENOTEの作品案内は此方から

 

 

 

実父が米国人・実母が日本人の合いの子であるジュディ・オング…実父が逝去した為に実母を探しに来日したのですが、実父の知人が「孤児になった上に実父の逝去が原因で失語症になった」と嘘を並べ慈善団体から来日資金を搾取した上に日本の慈善団体もそれを見逃さず、更に悪い事に日本側の団体の代表が在京キー局の社長夫人であった為、テレビを通じて「実母探しの大キャンペーン」を打っていたのです(実在する何処かの在京キー局が飛び付きそうな話)。

 

 

しかしこの行為に嫌気が差していたジュディさんは羽田空港到着後にその騒動から上手くすり抜け、実母が芸者として従事していた料亭の女将・岡村文子を訪ねると…岡村さんの実子の山内賢とバンド「ヤング・フレッシュ」の面々、その友人の太田雅子(現・梶芽衣子。尚、以降は「梶さん」で表記を行います)と共に「功利的な売名行為に走る輩」に抵抗を覚え心から実母探しに協力する事となり、翌日の朝に「実母の転居先」である京都への珍道中が始まるのです。

 

 

 

 

 

 

当作品「いい所取りの似非感動作品」とは一線を画します。「早い時点で失語症に疑いを持つと共に、ジュディさんにちやほやする男性群に存在を見せ付けようとする梶さん」(目が時折「さそりシリーズ」の松島ナミになっているのは怖いですが…アブドーラ・ザ・ブッチャーやタイガー・ジェット・シン等々の様に凶器をスカートの脇には隠してはいません!)「道中出逢った人達が心から一行を助ける姿は日本人の美点の「絆」を古き良き軌跡と感性で見せている」「終盤近くでこの類の作品の運命かつ避け切れない要素である「泣かせ」の演出は為されているものの、同情もせず求めず、ジュディさんが自らの非を認めた上で前向きな帰国に繋げた流れ」そして「羊の皮を被った狼は(昭和40年代のスカイラインGT-Rに代表される高性能車の例えの様ですが…)刃物を持たず、心の無い大袈裟な行動言動で接近して来るのが殆どであり、同時に我々の日常に潜んでいると柔らかく教え、爽やかに斬捨てる内容」。

 

 

この時期に親子で安心して楽しみながら教える事はきちんと教える、押しつけがましくない教育映画の面を兼ね備えています。

 

 

 

 

 

 

因みに劇中で登場する車両ですが、日活公式の作品案内にも書かれている通り昭和10年製造の日産自動車「ダットサン」。既に製造から40年も経っていた上に大東亜戦争の影響で現存車は極僅かであったと思われますがよく探し出して来たなぁ…そして「昭和50年代前半迄、劇中登場する日本発着の国際線旅客機はパン・アメリカン航空が殆ど」と云う中で(制作協力数も無数に存在します)当作品は珍しく日本航空が選ばれています。