江波杏子・大信田礼子の因縁!大映東京「女賭博師鉄火場破り」井上芳夫監督 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、おはようございます。

 

 

今晩20時の勤務開始に備え夜更かしですが、昨晩より底冷えが厳しく、仮眠中は厚着をした程…この後入浴ですが、湯冷めしない様に気を付けなければ風邪に見舞われそうです。

 

 

 

さて本日は簡単に…東映作品に定着する前の大信田礼子が「女賭博師」として「父親の敵」である江波杏子に「因縁の対決」を挑む作品です。

 

 

 

「女賭博師鉄火場破り」(「女賭博師シリーズ」第七弾)昭和43年5月1日公開・長谷川公之脚本・井上芳夫監督・大映東京制作。

 

 

DVD化作品ですが、有料動画配信は行われていません。

 

 

 

 

 

 

 

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いかさまがバレて賭博師としての活躍が不可能になった原知佐子が目を付け、賭博師の修業をさせていた「元・鍼灸師」の江波杏子…二人で全国の賭場を行脚し、いかさま暴きで名を馳せていた或る日、東京の暴力団の組長である成田三樹夫に声を掛けられ、江波さんは「金張り盆」(やくざの親分衆が集結をしたり等々、来客の質が高い上に、動く金銭も桁違いの賭場…と思って頂ければいいかと思います。よく「任侠映画」で見られる「大花会」もこれに当たります)を仕切る機会を得たものの、成田のミッキーの決断に不満を持つ此方も賭博師の内藤武敏に「盆の仕切り」を賭けた勝負を挑まれ、江波さんは負けてしまいます。

 

 

しかも「内藤さんに負けた詫び」として江波さんは成田のミッキーに身体を奪われそうになりますが、何とか逃げ出し事無きを得たものの、これ等の筋書きは成田のミッキーと原さんが元から仕組んでいたものと解り、江波さんは原さんと袂を別ちます。

 

 

江波さんは全国の親分衆の元を訪れ「胴師として使ってくれる様」に頼み込んではみたものの、成田のミッキーから「回状」が送られていては賭博師としての道は経たれたも同然で、仕方がなく岩手・花巻温泉で再び鍼灸師として生計を立て始めたのですが、そこで大船渡の大親分・大友柳太朗と出逢った事を切欠として、一度は捨てた賭博師の道に戻ります。

 

 

そして、江波さんと袂を別った原さんは、成田のミッキーが経営をしているヌードスタジオに勤務をしていた大信田礼子に目を付け、修行を開始したのですが…大信田さんは父親が賭博師であったものの、江波さんにいかさまを暴かれた後に命を絶っていた事が判明!

 

 

物語は「江波さん・礼子さんの因縁の対決」の方向へ進んで行きます。

 

 

同時に「手本引き用の札の透かし彫りの絡繰り」を描いて行きながら…

 

 

 

 

 

 

 

江波さん・成田のミッキー・大友の御大・内藤さん…そして「大映映画の常連悪役」の上野山功一等々の安定感は相変わらずですし「観ている此方が辛くなる程の艱難辛苦を乗り越え、勝負師として更に成長した姿を見せて結末を迎える流れ」は、大船に乗った気持ちで安心して観ていられるもの。

 

 

それ以上に、東映を主戦場として活動をしていた時には「美脚を特に強調した、若々しい上に活発な色気を存分に振り撒いていた」礼子さんが当作品では「中盤からは和服に身を包み、徐々に勝負師としての表情に変化をして行く過程」(序盤に於ける「ヌードモデル」は「似合う」ものの、客に対するサービスが悪く、成田のミッキーや上野山さんの手を焼かせていましたので「東映に於ける色気」とは程遠いものです)に目を向けるだけでも観賞価値が有ります!

 

 

そして、当シリーズでは毎度お馴染みの「最後の大勝負でのいかさま暴きと、それに繋がるヒント」が見所となるのですが、脚本家の先生達もよくぞここ迄考え抜いた物だと感心させられる事が多く、当作品に於ける「透かし彫りの絡繰り」も「成程なぁ」と…しかも「この雰囲気」に、名作曲家・鏑木創の担当した音楽がまた良く嵌るんです!

 

 

 

これは以前にも書いた事が有りますが、生前江波さんは「もし賭博師役が似合っていたとしたならば、スタッフの御陰」「スタッフとキャストの総合芸術であった」と、当シリーズを振り返っておられたそうです。

 

 

事実「アウトロー作品群の中では手に取り易く、入って行き易く、解り易く、時折笑いや情に溢れる描写を交え、劇中の音楽は非常に雰囲気に溶け込んでいる、総合娯楽映像作品としては相当な質を誇るシリーズ」と言えますので、是非この機会にご堪能して頂ければと思います。