市川右太衛門・出演三百本記念映画!代名詞の第23弾・東映京都「旗本退屈男」山の御大もトメで出演! | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。

 

 

年末年始休暇最終日ですが、夜勤専従復活ですから実質残り二日間みたいなもの…今朝は寒く久方振りの積雪とはなりましたし日中も然程気温は上昇しないものの、この先一週間は暖かくなる模様ですので(しかも三か月予報は暖冬との予測です)放って置いても問題は無い筈。

 

 

 

さて、年末年始のテレビ番組が余りにつまらなくなり過ぎて(私感。しかし、両親や親類も俺と同じ見方ですし、悪友や同僚の中にも同様の事を言う方々が多いです)「駅伝・サッカーラグビー等々の実況中継以外は録画済みの番組鑑賞・映画鑑賞が年末年始の過ごし方の一つ」となっているご家庭も多いのではないかと思います。

 

 

俺の実家も、ブルーレイディスクに様々な作品を焼いて持ち帰る様になってからはそうなりましたし「昭和末期から平成初期迄、NNN系列/JNN系列/TXN系列で制作・放映された年末年始の大型時代劇作品を視聴していた」(但しTXN系列の時代劇に関しては、地方局では数度に分けて連続放映されていました)関係で「時代劇の鑑賞比率が格段に高くなる時期」でもあります(因みに、耳の聴力が殆ど無い母親にとってみれば「字幕が出る作品が数多く放映されるスカパー!内からの録画は非常に有難い」との事。特に大好きな「大岡越前」は毎日一本は鑑賞している様子です)。

 

 

今回は大晦日・元旦は各社制作の「忠臣蔵作品」を楽しみ、1/3は鶴田浩二が遠山金四郎に扮した「いれずみ判官」を…親父は「鶴田のおやっさんが遠山金四郎を遣っていたとは知らなかったが、安易に桜吹雪を見せない所がいい」と気に入った模様でした。

 

 

そして今回の帰省時、親父の要望で録画し、1/2に楽しんだのはこの作品…

 

 

 

市川右太衛門・出演三百本記念映画「旗本退屈男」(「旗本退屈男シリーズ」第23弾→戦前に公開された市川右太衛門プロダクション制作の同名作品シリーズからの通算です)昭和33年8月12日公開・佐々木味津三原作・比佐芳武脚本・松田定次監督・東映京都制作。

 

 

DVD化作品ですが、有料動画配信は行われていません。

 

 

 

 

 

 

※KINENOTEの作品案内は此方から

 

 

 

「記念映画」かつ「夏季休暇興行」であった為、普通であれば脇役専門俳優・大部屋俳優が配されている様な役に迄主演級・助演級の役者が配されている豪華な「東映オールスター作品」!

 

 

現代の「人気者多数出演」と云う様な作品とは質も格も桁違い…しかも各社制作のオールスター総出演作品に共通するのは「会社や制作関係者・脚本等々に対する愛情が記念作品等々の節目の作品で大いに発揮され、その思いが直球で我々見る側にも伝わり、鑑賞をより奥深いものとする効果を発揮している事」。

 

 

その「豪華な顔触れ」は、お手数をおかけしますが上記「KINENOTEの作品案内」より確かめてみて下さい。

 

 

 

伊達藩の当主で「山の御大」片岡千恵蔵は連日御殿で酒色に浸り女狩りを命じ、数年前迄名君と称されていた振る舞いは何処かへ吹き飛んだ有様…その「女狩り」の際に或る町娘を「北大路の御大」市川右太衛門が救った事から「退屈の虫」が騒ぎ始め「奥州放浪の旅」が一転して「見て見ぬ振りの出来ぬ状況」となります。

 

 

実は千恵蔵御大は、謀反を察知した為に暴君を装い様子を見ている途中段階…その間に「世継ぎの毒殺未遂」「右太衛門御大の暗殺未遂」等々の事件が連続して発生!

 

 

果たして千恵蔵御大の目的は完遂するのか?そして右太衛門御大はどの機会を狙い、自らの正体を明かし事の収集に着手するのか?

 

 

 

 

 

 

「大船に乗って作品を満喫出来、例え途中を見逃しても(忘れてしまっても)目の前に映し出されている場面描写で十二分に楽しめる観客側への親切心と、娯楽映画の見本とも云える構成」「定番作品にしか存在しない無上の安心感・安定感」…当方の記事内では類似した内容の事柄を何度も書いていますが、最近は「小手先のテクニック」「余りにも二転三転する予測・推理展開」「観客の驚きや感動等々を得たい、より大きな物としたいが為としか思えない着地のさせ方」加えて時代劇に関しては「過去の作品群に於いても、娯楽性より忠実性・芸術性の視点からの完成度がより評価される向きが強くなりつつある現状」を強く感じています。

 

 

因みに、俺は何度鑑賞しても好きになれない黒澤明の時代劇作品群が東映・大映・松竹等々の時代劇作品よりも評価が非常に高いのが納得行きません。勿論「人其々の嗜好」ですからそれが大多数の評価なのでしょうし、どの様な評価を下そうと自由であると云う事は重々承知ですが…「観客を見下し、自身の志向・思考・芸術感覚を押し付けている」と受け止めてしまいますし、大多数の娯楽作品群に息衝く「観客への配慮・親切心」を微塵も感じないのが気に入りません。

 

 

「芸術とはそう云う物」と考えれば納得が行きますが、娯楽志向と観客目線/視聴者目線第一主義のボンクラ野郎の東映ファンには非常に高い敷居です。

 

 

 

当作品に関しては「飲酒をしながらの鑑賞」であった為、記憶の一部が飛んでいますが(しかし弱くなったなぁ…2.3年前迄はビールの500ミリ缶二本の後に日本酒なら六合・焼酎なら水割りで五合は飲めましたが、最近はビールは変わらないものの、日本酒/焼酎は半分になってしまいました)それでも太鼓判を押して皆様にお薦め出来る「娯楽時代劇の定番」!

 

 

そして両親が購読をしている小学館発行の月刊誌「サライ」の中で小松政夫が「日本人の定番であった数多くの小説や時代劇が年々忘れ去られて行き、それ等を笑いに生かせなくなっている事への寂しさと警笛」を述べられていましたが、俺も同感…加えて「時代劇も仁侠映画ややくざ映画と同様、社会人の教科書であり守り抜くべき日本人の良き伝統を教えてくれる、観続けなければならない作品群」と思いますし、同時に「娯楽の神髄・定番作品群の安心感の良さ」が再び大多数の方々に理解される状況となる事を願うばかりです。

 

 

余談ですがこの「サライ」には、東京都内の名画座で公開される「お薦めの旧作」(確か川本三郎が担当していたかと思います。もし間違いの場合はご容赦下さい)が日本映画/外国映画を問わずに毎月2.3作品紹介されており、足を運べる範囲内にお住いの方々には非常に役立つものと思います。そしてパソコン版「サライ」の中には「面白すぎる日本映画」の項目が在り、此方もお薦めです!