追悼・梅津栄。従順な唖の若衆の最期は見物!東映京都「新仁義なき戦い・組長最後の日」明日放映 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。

 

 

休み最終日、雲が全体に敷き詰められている為、今日は陽を拝めそうに有りません。

 

 

 

先日、木村功の付き人となりながら芝居の基礎を身に着け、若い時分から「老け役」を演じる事が多かった為「総入れ歯」にした位の「役者馬鹿」…

 

 

しかし周囲に威張り散らす事は全く無く、寧ろ支えてあげながら自らに与えられた「役目」を遣り遂げられていた、と言われている「北陸を代表する名優の一人」梅津栄氏が平成28年8月6日に逝去されていた事が今月に入り報道されました。(享年89歳)

 

 

これ迄多くの名芝居を見せて頂いた事に深く感謝すると共に、心よりご冥福をお祈り致します。

 

 

 

有料波を導入していると、梅津さんの「名演」に出逢う機会も多く、最近では「遠山の金さん捕物帳」「暴れん坊将軍」「桃太郎侍」「翔べ!必殺うらごろし」「警視庁殺人課」「特命刑事」「特捜最前線」「特別機動捜査隊」に於ける出演回を見る事が出来ました。(この他にも多数の作品が放映されていますが、全てに手が周りません)

 

 

調べてみると…ここ数ヶ月以内に「仮面ライダー(第一弾)」「キイハンター」でも拝見出来る事を確認しました。

 

 

 

劇場公開作品でも大活躍でしたが「男はつらいよシリーズ」「釣りバカ日誌シリーズ」等々でご存知の方が最も多いかもしれません。

 

 

しかし「守備範囲は無限」であった為「女番長ブルース・牝蜂の逆襲」「子連れ狼・死に風に向かう乳母車」「俺たちに墓はない」等々…更には「はだしのゲン(三國連太郎/左幸子が両親役の実写版第一弾)」にも出演。

 

 

 

そんな中で「軍旗はためく下に」でサクさんの演出作品に初めて出演されてから「赤穂城断絶」「柳生一族の陰謀」にも登場…

 

 

そして本日紹介させて頂く作品では、出演時間は短かったものの「組織や恩義に従順な唖の若衆を、表情と動きだけで十二分に見せ付け、最期の姿は作中で一・二を争う強烈な記憶」を観客/鑑賞者に焼き付けていると思います。

 

 

 

新仁義なき戦い・組長最後の日」(「新仁義なき戦いシリーズ」第三弾)昭和51年4月24日公開。高田宏治脚本・サクさん監督・東映京都製作。

 

 

VHS/DVD/ブルーレイ化作品で(ブルーレイに関しては「新品はBOXによる販売のみ」となっている模様です。AMAZON/楽天等々であれば中古品やバラ売りによる単品販売が存在していているかもしれませんが…)楽天ShowTime/GooglePlay/Dmm.com/bonobo/ビデオパス(au IDが必要)/ビデオマーケット(プレミアムコースの場合)内に於いて有料動画配信が行われています。

 

 

 

 

 

 

※KINENOTEの作品案内は此方から

 

 

 

当作品は今月の東映ch「一挙放送!新仁義なき戦い」の枠内で放映の一作品として、本日以降9/27(火)20:00~22:00に放映されます。(字幕付きHD放映)

 

 

 

※東映chの作品案内・放映日時案内は此方から

 

 

 

 

●東映公式・YouTube予告動画(上)/プレビュー動画(下)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下の「プレビュー動画」の顔触れを目にするだけで、俺はビール三本は飲む事が出来ます!

 

 

手前から…名和センセイ・オリジュン・中村錦司・彰さん・汐さんですよ!

 

 

この「並び」を動画の静止画として持って来る辺りはさすが東映らしい選択!

 

 

「東映ファン・悪役ファン・野郎臭い作品好き」をよく理解して頂いている事に心から感謝です!

 

 

 

「ジャニーズ事務所なんて糞食らえ!」とでも言わんばかりの、加えて「AKBだのナントカ坂四十八(…でしたか、確か。小便臭そうな雌の集団は)」をも完全に凌駕している、野郎、特に「東映キチガイ」ならたまらない「顔触れ」です!

 

 

このままスマートフォンや携帯電話・パソコン等々の壁紙にしたくなる位!

 

 

 

併映作品は東映東京が石井センセイを監督に迎え、キンキンを主演に坂口良子を絡ませ(実娘は現在「カラミ作品」で話題を浚っていますが…)製作した「キンキンのルンペン大将」でした。

 

 

「トラック野郎のコンビが、全く中身も流れも違う物語で別々に主演を務め、昭和51年の春季大型連休中、全国の東映映画劇場を席巻し盛り上げていた」事実ですし、当時のお二人の「人気の高さ」を伺い知る事が出来ます。(昭和56年に発売されたVHSの存在は有る様ですが、実質未ソフト化作品と言っていいと思います。有料動画配信も行われてはいませんが、有料波に於いては過去に東映ch/chNECO/ファミリー劇場内での放映実績が有ります)

 

 

 

 

 

 

因みに、去年発売された「歌え・トラック野郎スペシャル」の復刻版CDに、キンキンが歌唱された「うつむいて歩こう」が収録されています。

 

 

 

九州・筑豊に一家を構える老舗一家の組長(多々良純)が「ポン漬けかつ借金でヤクザに雁字搦めにされていた、按摩に扮したオカマ」に殺され「九州連合軍対関西連合軍」が「一触即発」の状況に陥ります。

 

 

一度は和解に進み、多々良さんの後継ぎと目されながらも「港湾事業で堅気の暮らし」をしていた文太さんに「カチコミ中止命令」が下ったものの、既に遅し…

 

 

関西の有力組長(藤岡琢也)の妾と若衆が、文太さんが雇った殺し屋(郷さん)に無残にも射殺された事から一気に緊迫!

 

 

それでも「組長以上を的にはかけない」と云う「紳士協定・安全保障協定」を結ぶ九州・関西両連合軍…

 

 

「多々良さんの死=無用の死」として片付けられてしまった文太さんと若衆の「怒り」は当然収まる訳は無く、両連合の「壊滅」そして「関西の首領(小沢の栄さん。「田岡組長がモデルとなっていた」との話もあります)」の「首」を取るべく「血で血を洗う抗争」の火蓋が切られました。

 

 

 

梅津さんに関して言えば、やはり「最期に至る迄の芝居」に尽きます。

 

 

敵の動きを察知する為、塵置き場に隠れていた梅津さんが目にしたのは…文太さんの「右腕」であった筈の地井さん…

 

 

何処迄も抗争の決着に固執する文太さんに内心疲れていた時…チャカで蜂の巣にした上に焼却炉に投げ込み「火葬」に追い込んだ関西連合軍のチンピラ(桜木健一)が話していた「懸賞金」の魔力に負け、文太さんの「隠れ家」を謳ってしまったのです。

 

 

タクシーで後を追い「裏切り者」の地井さんをドスで葬り、アジトの旅館に乗り込んで文太さんに加勢し助け、姐さん(中原早苗)から預かっていた「軍資金」を手渡し絶命する梅津さんの「無念より、組長を助けた事に対する満足感」を表情で見せ絶命して行った芝居は「作中でも指折りの名場面」。

 

 

 

他にも「藤岡さんの「サッポロ一番の宣伝」「渡る世間は鬼ばかり」からは想像も出来ない暴れぶり!」「峠道での「文太さん一味と関西連合軍の衝突」は、横からの撮影に加え真上からの撮影をも多用し、非常に迫力有る場面に仕上がっている上、本物のヤクザよりおっかない東映一家の面々が縦横無尽に暴れ捲る面白さ!ボンネット型のダンプトラック(いすゞTD型及び日野TE型)の「無骨さ」が更に画面を引き締めています。「小道具も生き物」として固執したサクさんらしい車種選択です」「英さんの「サツが怖ければヤクザなんか辞めちまえ!」と成田のミッキー等々を一喝した凄味!」「狂った姿がまた美しかった横山リエ!」「近親相姦兄弟としての文太さんと松原智恵子!しかも「お兄ちゃん抱いて!」と文太さんに迫り「あんた男じゃろ!」と文太さんの弟分である尾藤イサオにも迫る「交尾好き」!日活時代の印象をかなぐり捨てた姿!(…と言っても、日活時代から小百合嬢や和泉雅子、芦川いづみ等々と比べると「一つに囚われない様々な姿」を見せてはいたと思います)」「智恵子さんと和田浩治の「日活コンビ」の夫婦愛」そして勿論「名和センセイ・成田のミッキー・彰さん・汐さん・福本先生・地井さん等々の「迫力と凄味に溢れた腹黒さ」と、その中では「やはりヘタレはこの方かぁ…」と期待を裏切らなかったオリジュン!」等々「見所を過積載」!

 

 

 

あっ…「峠道での襲撃」の際「殉職車」の火蓋を切ったのは150型日産プレジデント!

 

 

無残に破壊される姿は…車好きの悲しみを誘う事確実です!

 

 

しかし…プレジデントは「破壊された作品」が数多いものの、ライバルのトヨタのセンチュリーは「殉職車」が一作品しか思い浮かびません。(国生さゆりがタクシー運転手に扮した時の「タクシードライバーの推理日誌」だけです)

 

 

 

他の出演者は…西田良・南条弘二・八名の親分・木谷邦臣・司祐介・笹木俊志・白井孝史・三上寛・阿波地大輔・南道郎・拓ボン・片桐さん・内村レナ・ヤマリン・岩尾の隆さん・曽根さん・成瀬さん・稔侍さん・江幡さん・宮城幸生等々です。

 

 

解説は勿論、お馴染みの酒井哲!

 

 

 

 

 

 

 

この当時は「難しい芝居は朝飯前」「着実に力量を上げる役者の姿」が当たり前に見られた時代。

 

 

平成を迎えてから数年はまだこれが維持されていたものの、ここ十数年は目も当てられない「体たらくぶり」ばかりで…勿論「志の高さや努力の軌跡が見える関係者」も居ますが、世の中は「表面上の清潔さや美しさ・可愛らしさ」「臭い物には全て蓋」が真っ先に取り上げられる、何度も書かせて頂いてはいますが「完全に末期症状を超え、それを正当化しようとしている日本の映像業界」と言っても言い過ぎにはならないと考えています。寧ろ「適切な言い方」であるとも…

 

 

 

この様な現状から俺と同様「過去の日本の映像作品に魅せられる方々」が急増している上に「様々な情報」を得、陽の目を見られなかった作品群や役者陣、現在もご活躍中の関係者の「過去の名芝居・名演出・名脚本」等々が少しずつでは有るものの取り上げられている事は「情報化社会が産んだ数少ない評価すべき点」であると考えます。

 

 

勿論、俺は今後も「この姿勢」そのままに、極稀に「出来の良い比較的新しい作品・最新作品」も紹介する「流れ」となると思いますので今後共宜しくお願い致します。

 

 

 

最後に…先月、旧秋田空港跡地で行われた「全国哥麿会」の催し(一番星号/ジョナサン号が来秋しました)の際、こんな車両が有りました。

 

 

 

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大型ダンプトラック(種車はUDトラックス(旧社名・日産ディーゼル工業)クオンCD(第二軸駆動仕様)またはクオンCW(第二軸・第三軸駆動仕様)だと思われます。車体の下を覗き込めば「車軸の形状や配置」で解るのですが、さすがにそこ迄は出来ませんでした…秋田ナンバーの車両です)の荷台が迫り上がると「仁義なき戦い・第一部」の文太さんが「チャカを放つ姿」が現れる「素晴らしい写真」!

 

 

 

そう云えば、YouTube内で、宮崎靖男・初代哥麿会会長/現・関東み組会長が地上波放映番組に出演されていた時の映像が有り、視聴。

 

 

その中でお話されていたのですが…

 

 

「トラックに最も描かれている著名人」は当然文太さんだろうなぁ…」と思っていたら…

 

 

現在は矢沢永吉なのだそうです!

 

 

トラック運転手からの支持が非常に高い一人である事は知ってはいました。

 

 

しかし「文太さん以上に描かれている方である」とは矢沢さんには失礼な言い方ではあるのですが、意外でした。

 

 

 

20年以上前は「トラック野郎=車内で最も聴かれていた歌手は八代亜紀」!

 

 

そして「トラックに描かれる著名人」は圧倒的に文太さん!

 

 

恐らく、十年程前迄はそうだったのでしょうが、運転手の若返りも有るでしょうし、避けられない現実…

 

 

「トラック野郎・度胸一番星」(シリーズ第五弾)に出演されているし、三菱ふそうのトラックの宣伝にも長年に渡り出演されていましたが(健さんとの「デュエット曲」も宣伝内で使用された事が有ります)やはり時代は変わっていたのですねぇ…