日活「スパルタ教育・くたばれ親父」題目とは裏腹に、笑いが絶えない娯楽傑作!裕さん/文子様 | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、おはようございます。

 

 

休み二日目、夜中は比較的風が有り寝易かったですが、今日の日中も相当な暑さとなりそうな秋田市内です。

 

 

 

今日から夏季五輪が始まりましたが、興味が有りません。

 

 

俺は運動は「駅伝・綱引き」そして「筋書きが有る」と解ってはいますが「娯楽運動の王様」昭和の時代のプロレス位しか興味が湧きません。

 

 

 

さて、本日は日活作品から…

 

 

昨日の夜勤明けに帰宅後、掃除や洗濯物を干しながら観ていたのですが(勿論録画を併用しています)「題目から受ける印象とは真逆の楽しさ、面白さ」に「当時も現在も抱える社会の問題」を鋭く絡めた出来に引き摺り込まれました。

 

 

 

「スパルタ教育・くたばれ親父」昭和45年8月12日公開。石原慎太郎原作(教育書「スパルタ教育」)・佐治乾/中野顕彰の共同脚本・舛田利雄監督・日活製作・ダイニチ映配配給。

 

 

VHS化作品ですが未DVD化で、有料動画配信も行われていません。

 

 

 

 

 

 

※KINENOTEの作品案内は此方から

 

 

 

当作品は今月・来月のchNECO内で本日以降、8/10(水)19:10~・8/18(木)08:00~・9/1(木)04:30~放映されます。

 

 

 

※chNECOの作品案内・放映時間案内は此方から

 

 

 

先輩(青木義朗)や後輩(川地民夫)等々に囲まれながら「確かな目を持っている上、一度下した結論に対しては梃でも動かない」厳格なプロ野球の審判として活躍されていた「元プロ野球選手」の裕さん。

 

 

文子様を女房に持ち、更に子宝に恵まれその数五人!

 

 

自らが父親(田崎潤)から「徹底したスパルタ教育」を受けていた為か、親子の関係は最悪そのもの…そして自らの子供達は「伸び伸び育てる」事を信条としていたのですが…(しかし、田崎さんも「息子と孫は別物!」と、裕さんの子供達には甘い顔を見せます)

 

 

勤務時間も休日も不定で自然と子供達は「裕さんの顔色を伺いながら毎日を送る=父親と一緒に遊びたいがそれが出来ずに鬱憤が貯まり、様々な問題を引き起こす結果」となり、裕さんは一転「スパルタ教育」を開始するのですが…

 

 

子供達は「ストライキ」と称して公園の遊具に立て籠もった上に、子供の気持ちが解っていた文子様も便乗して妻子共々、田崎さんの自宅に「夏休みだから…」という理由を付けて「家出」してしまいます…

 

 

果たして、結末は…

 

 

 

 

 

 

 

「何時の時代も抱えている問題は同じ」と認識させせられますし、当作公開当時とは物心共に大きく様変わりしてしまった現在では賛否両論が渦巻くでしょうが「例え血縁関係であっても、信頼関係が結ばれていても、一線引くべきところは引いて厳しく有るべき」という「人間関係の基本」を改めて教えてくれる側面が有ります。

 

 

 

そして、ロッテの二軍選手だが喧嘩っ早い若者(渡社長)が裕さんに「一宿一飯の義理」を返す為に、文子様に代わって家事と子供達の遊び相手を務めた際、自らの流儀で「スパルタ教育」を施すのですが…

 

 

「たった数時間で信頼関係を結び(アイスクリームで手懐けた…とも言えますが…)厳しくても付いて来た上にその後も慕われた渡社長(文子様も子供達のストライキの時に「あて」にした位です)「実子だからといきなりスパルタ教育を始めたものの、信頼関係が出来上がっていなかった為に頓挫した裕さん」の対比が見物!

 

 

渡社長が「自分の弟が虐められているのに助けて遣らない兄貴はもっと駄目!今日やり返さなければ明日も明後日も虐められる!」と兄弟全員を引き連れて決斗させたり、祐さんが不良高校生に「親から貰った身体が如何に大事か思い知れ!と、倒れる迄兎跳びを遣らせる」実子に「好き嫌いを言うなら食うな!世の中には食えない方々も大勢居るのだから…腹が減っていれば何でも美味い!」と叱咤したり…この辺りも「今の多くの日本人が見直すべき姿勢そのもの」と感じます。

 

 

 

しかし…その「描き方」に数々の「笑い」が含まれており、娯楽作品としても十二分に楽しめる内容!

 

 

●裕さんの長男・次男が赤チンを付けられて騒ぐと、渡社長は「金玉付いてるんだろ!我慢しろ!」と激怒!その後長女が「アタシは金玉無いわよ!」渡社長は「臍に力入れろ!」

 

 

「♪やめてけれ やめてけれ やめてけれスパルタ!」「老人と子供のポルカ」の替え歌を歌う裕さんの子供達!この曲を使用した「ハレンチ学園シリーズ」が日活製作でしたから…正に合っていました!

 

 

「父親と遊びたい=雨が降る様に…」と近隣のてるてる坊主を集めて公園で燃やしながら「南無阿弥陀仏」「アーメン」と祈る裕さんの子供達!

 

 

高級外車・ジャガーのボンネットに乗り、小便をぶっかける裕さんの長男と次男!

 

 

プールに遊びに行った際の「悪質だが爆笑必至の悪戯の数々!」

 

 

●長女の人形を全裸にして「おちんちんが無い!」と騒ぐ三男・四男に狼狽える渡社長!

 

 

…等々「俳優陣が大馬鹿になり、日活の流儀で抱腹絶倒させる姿勢」は、当時日活社内でよく言われていたとされる「娯楽は東映に学べ!」の姿勢が生かされていた証明とも言えそうです。(女優陣にはさすがに遣らせられなかったかなぁ…)

 

 

 

そして、今俺が嵌っている役者の一人・青木主任は白髪交じりに扮して(当時40歳)「心臓の持病と娘の非行(有川由紀)に悩む審判」として、短時間ですが「頷かせる芝居」を見せてくれました。(この当時はフリーながらも「日活の劇場作品で特に悪役を務めていた」時代です。それと並行して東映「特別機動捜査隊」の主任の一人として活躍)

 

 

車内で裕さんと青木主任が同乗する場面が有りますが「三船主任と藤堂係長が合同で捜査をしているのでは?」とも見える場面でした。

 

 

 

他の出演者は…金田正一・武藤章生・谷村昌彦等々…他に「ON砲」の場面も登場します。

 

 

 

最後に…昨夜は「キリンクラシックラガー」「サッポロラガー」と云う「昔ながらの熱処理されたビールの飲み比べ」。

 

 

 

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「熱処理」であれば、サッポロに軍配を挙げます(私感)。

 

 

キリンは寧ろ、生のラガーの方が今はいい様な気が…

 

 

今度は「瓶ビール同士」で比べたいですね。